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オリエンタルランドの株主優待はお得?1DAYパスポート

オリエンタルランド(東証1部)の株主優待は東京ディズニーランドまたは東京ディズニーシーで利用可能な1DAYパスポート。同社の業績見通しも合わせ株主優待が魅力的か検証します

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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年間来園者数3000万人超えの「夢の国」を運営するテーマパークのリーディングカンパニー

オリエンタルランドの株主優待は「東京ディズニーランド」または「東京ディズニーシー」いずれかのパークで利用可能な1デーパスポート。家族で楽しめる株主優待です!

オリエンタルランドの株主優待は「東京ディズニーランド」または「東京ディズニーシー」いずれかのパークで利用可能な1デーパスポート。家族で楽しめる株主優待です!

オリエンタルランド(東証1部<4661>)は1983年に東京ディズニーランド(TDL)、2001年東京ディズニーシー(TDS)をオープン。この2つのテーマパークの運営の他、ディズニーホテルや、商業施設など東京ディズニーリゾート(TDR)の経営・運営を統合的に手掛ける事業持ち株会社です。事業別の売上高構成比率は、テーマパーク事業82.5%、ホテル事業13.8%、その他事業3.6%となっています(17年3月期実績)。

東京ディズニーランドと東京ディズニーシーは千葉県浦安市にあり、東京駅から約12km、約15分、空港からも直行バスが出ており1時間ほどで行ける好立地にあります。この半径100km圏内には約3000万人が暮らしており、商圏人口は大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンの2000万人を大きく上回る4000万人にのぼります。ここにさらに訪日外国人観光客が加わることになるわけです。

入園者数については中期経営計画で恒常的に3000万人以上を目標としてきましたが、2013年度(14年3月期)から4期連続で達成してきたことから、21年3月期に前倒し達成を目標としています。

ビジネスモデルとしては、ディズニー社との資本関係や人的関係はなく、売上に応じたロイヤリティを支払う契約(円建)となっています。
同社は「世界で唯一、ディズニー社との資本関係が一切ないディズニーリゾート事業運営会社である」と公表している通り、ディズニー社による出資や、資本協力、株式持ち合いなど資本提携は一切行われていません。

開園記念イベント、新アトラクション開発、リニューアルと開発投資加速~2020年に過去最高の来場者数を見込む~

今期は、東京ディズニーランドの開園35周年です。2014年3月期のTDL30周年時には、前年比380万人増の3130万人を記録しています。

ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンといったテーマパークは、非日常を楽しむことができる「夢の国」。春先にはイースター、夏は七夕、秋はハロウィーン、冬はクリスマスと季節ごとのイベントや人気ショーによる集客がうまく、通年人気のショーやパレードを盛り上げています。

来園者数を増加あるいは維持させるために同社は新規アトラクションや人気アトラクションのリニューアル、イベントの実施などを積極的に進める計画です。

これまで毎年数十億円レベルの開発投資を行ってきましたが(例:17年にはファインディング・ニモシリーズのアトラクションに約50億円(TDS))、さらに投資が加速する計画が発表されています。

大規模開発続々!つねに新鮮さを追求

まず、2018年には、「イッツ・ア・スモールワールド」のリニューアルを予定しており(投資額75億円)、35周年記念イベントでは、昼間の新規パレードやナイトエンターテイメントの展開(投資額24億円)を予定しています。

また2019年には、東京ディズニーシーにおいて、大型アトラクション「ソアリン(仮称)」の導入を予定しています。予定投資額は180億円とされています。

そして2020年春からは、東京ディズニーランドで750億円をかけた大規模開発がスタートします。開発内容は[美女と野獣エリア、ライブエンターテイメントシアター、「ベイマックス」をテーマにした新アトラクション、新キャラグリーティング施設]とさらなる来園者数の増加を狙っています。

また、来園者数の増加は、訪日外国人観光客の獲得が新たな伸びしろとなりつつあります。

昨年11月には、3000億円規模の大型投資に踏み切り、TDLとTDSを大幅に拡張する方針を発表しています。訪日外国人観光客を獲得する狙いもありそうです。17/3期には海外からの入園者数が255万人となり、10/3期の72万人の3.5倍にまで増加しました。入園者数に占める割合は約8.5%と、5年前の1.3%から急拡大しています。

中国をはじめ、アジア圏各国では、経済成長に伴う所得水準の向上によって、消費者の消費がモノからコトへシフトしつつあります。そのこと消費の代表と言えるのが海外旅行。近くて安い日本への旅行客は増加が続いており、同社にとっても追い風となりそうです。

さらに、取り込む年齢層にも変化があります。同社は少子高齢化に対応して40代以上の中高年層の取り込みに取り組んでいます。2001年のTDSオープンは、それまでディズニーでは提供されなかったお酒が出されることとなり、ファミリーから大人のデート、食事を楽しめるリゾートとしての地位を確立したと言えます。来場者に占める割合を見ると、2001年に13.7%から、15年で20%まで拡大しています。

また、2017年11月には、TDLとTDSを大幅に拡張する方針を発表しています。第三のテーマパークと位置づけ、約3000億円を投資する計画です。新施設は既存の駐車場を立体化して空いた敷地を活用するほか、隣接地の買収で用地を確保するとされ、大型アトラクションや新キャラクターを導入する計画。2025年までの着工を目指すとしており、第三のパークが開業するのはまだ先の話ではありますが、早くも更なる事業規模の拡大が計画されていることは、ポジティブに捉えられます。

国内では若者の減少により来園者数をここから大きく伸ばすのは正直難しく、伸びしろは訪日外国人観光客やシニアの取り込み。第三のパークはそうした層が楽しめる内容となるかもしれませんね。

年間パスポートの利用制限→採算性改善に繋がる

なお、同社は今年2月に年間パスポート保有者の入場制限と年間パスの値下げを発表しました。その内容は、18/3月以降に販売される年間パスポートは同社が指定する日に利用できなくなる一方、2000円から4000円値下げされます。

年間パスで入れない日は年間16程度と見られ、この結果年間パスの価値は4.4%下がります(16/365)。一方、年間パスの値下げでは、2パークの大人料金(年パスで最も購入者が多い)で93,000円から89,000円と、値下げ幅はおよそ4.3%となります。

年間パスポートの保有者は、10万人に上ると見られ、保有者は一人当たり一年に平均30回程度来園するといいます。つまり年間パス保有者の延べ来園者数は10万人×30回で年間300万人、全体来場者数3000万人のおよそ1割を占めているということになります。

そして、年間パスポートで年間30回来園するとすれば、一回当たりのチケット単価は3000円程度となり(93,000円÷30回)、通常のチケット単価(7000円)より採算性が悪い。

以上から、入場制限の効果の方が値下げの影響よりも高いということになり、また入場制限は、混雑の緩和に繋がることから、今回の施策は採算性向上に繋がると見ることができます。

来園者数増加に向けた開発投資を惜しまない成長性が評価される。株主優待も魅力的

2019年3月期は、35周年記念のイベントも控えており、このイベント効果はもちろん、正社員の賃金上昇を背景にレジャー業界の消費は堅調な推移が良くされていること、またインバウンド観光客数の底堅い増加が見込まれることから、来場者数は増加が期待できると思います。

17年末時点の財務状況は良好で、自己資本比率が81.0%、有利子負債は599億2700万円で、現金等1418億円とキャッシュポジションの厚い財務内容となっています。

同社の株主優待ですが、まず、権利確定月は3月と9月の2回です。

100株以上の保有で3月のみ1DAYパスポートを1枚。
400株以上の保有で1DAYパスポートを1枚、800株以上で2枚、1200株以上で3枚、1600株以上で4枚、2000株以上で5枚、2400株以上で6枚となります。

100株の場合、優待利回りは0.7%程度ですが、現金配当を40円とすると
合計利回りは1%を超えます。

また、継続保有でプレミアがつきます。
18年9月のみ100株以上を15年9月から100株以上を継続保有した株主には2枚、また、23年9月のみ18年9月から100株以上を継続保有した株主には4枚が追加されます。2023年9月の40周年に向けて、2018年9月末から保有を継続するのもいいですね。

参考:日本株通信

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。

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