株主優待/専門家おすすめの株主優待銘柄

オリックスの株主優待はお得?ふるさと優待や割引券

オリックスは日本有数の多角的事業会社として知られ、2017年3月期には8期連続増益を達成、過去最高益を更新している優良企業。現金配当利回りも高く、株主優待も魅力的!是非検討したい銘柄です。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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日本有数の多角的事業会社

日本有数の多角的事業会社として知られるオリックス。同社は事業内容も良好で株価は割安、株主優待も非常に魅力的に見えます

日本有数の多角的事業会社として知られるオリックス。同社は事業内容も良好で株価は割安、株主優待も非常に魅力的に見えます

オリックス(東証1部<8591>)の創業は1964年。国内のリース産業の将来性に注目した日綿実業(株)と三和銀行が、日商と岩井産業の2商社と東洋信託銀行、日本勧業銀行、神戸銀行、日本興業銀行の4行からの参加を得て「オリエント・リース(株)」として設立しました。

祖業のリースを起点に周辺領域へ事業を拡げ、融資、投資、生命保険、銀行などの「金融」分野と、自動車、不動産、航空機などの「モノ」の分野の両面から専門性を高めてビジネスを展開しています。今では空港をはじめとする公共施設の運営管理を行うコンセッションまで手を広げています。

事業分野は広く、自動車分野だけでもリース、車両管理サービス、中古車販売、レンタカー、カーシェアリングを展開。また法人向け金融サービスでは、リース・割賦・支払委託、電子商取引、融資、企業年金サービス、建物賃貸借、投資銀行。環境・エネルギー事業では、省エネルギーサービス、再生可能エネルギーサービス、電力ビジネス、リユース・リサイクル、不動産・レジャーでは、住宅開発・不動産投資事業、施設運営事業などを展開しています。

またキャピタルゲインだけではなく、手数料などサービス収入も増加しており、利益基盤の安定化が図られています。

同社は積極的なM&Aによって事業を拡大していますが、大型買収の寄与もあって収益力が改善しています。買収によって総資産は大きくなってきましたが、同時に株主資本も積み上げており、財務面も健全性が保たれています。多角化された収益基盤と良好な収益力、また収益力に裏付けられた株主資本が評価されています。

そうした収益基盤の強化によって、設立初年度を除く52年間毎期黒字を計上している優良企業で、また国内企業の純利益ランキングで20位にランクインしています。

また同社は、業界でもいち早く海外展開を手掛け、現在、世界40か国で日本1435拠点、海外743拠点、合計2178拠点で事業を展開しています。

アベノミクスの恩恵を全面的に享受するコングロマリット企業

今の経済環境は、マイナス金利のおかげで資金調達コストが安く済み、2016年からの法人税の引き下げによって企業投資意欲が拡大しており、また、景気回復を背景に企業業績が改善していることで、リース先が倒産してしまうなどの貸し倒れリスクが低くなっています。

同社もこの良好な事業環境の中で、17年3月期は航空機リースなど輸送機の伸びが寄与し、過去最高益を更新するなど好業績をたたき出しています。

一般的に企業は設備をリース契約によって調達します。そのため、好景気時には企業の設備投資意欲が旺盛となるため取扱額は増え、景気後退時には減少します。景気動向をそのまま反映するビジネスと言えます。

2008年のリーマンショック後の景気悪化、東日本大震災、円高不況と経済が落ち込んだ際には、日本国内のリース取扱額は1991年の約8兆8000億円の半分程度にまで激減しました。2009年以降は概ね5兆円程度で推移しており、かつてのような増額が見込めない状況となりました。

同社も、リーマンショックで大きな痛手を負っています。2009年3月期の最終利益は、前期比87%減の219億2400万円まで落ち込みました。リーマンショックが起こったころ、同社は企業の成長力を強化すべく、不動産事業を拡大していました。よりによってコマーシャルペーパーなどの直接金融による資金調達を行っていたため、資金繰りがストップするのではないかとの懸念も渦巻くほどでした。実際、財務安定性を重視するムーディーズの格付けでは下から2番目のBaa2に2段階引き下げられています。これが現在ではAの信用格付けまで戻したわけですから、業績の回復ぶりには注目せざるを得ません。

同社はリーマンショックで痛手を負ったことで、不動産を中心とした資産の縮小に着手。一方で、国内生命保険やカードローン事業、アジア・米国を中心とした海外事業を強化することで、収益のリバランスを図りました。

そうした戦略が奏功し、格付けが引き下げられた2012年から1年後の13年3月期には最終利益に1119億円を計上するに至っています。2009/3月期のおよそ5倍にまで拡大したことになります。同時に財務も改善し、株主資本比率は13.9%→17.2%に上昇。そこから同社の成長は著しく、17/3月期の最終利益は2732億円を達成しています。

安倍政権の発足によって、好景気を背景とした企業の設備投資意欲の高まりや、市況改善による運用益の拡大、また低金利環境による低コストでの資金調達など、アベノミクスの恩恵を享受した業績拡大を実現していると言えます。

18年3月期通期業績は、9期連続、 4期連続最高益へ

2018年3月期第1-3四半期の業績を見ると、営業収益は14.0%増の2超1949億円、純利益が18.1%増の2563億9100万円となっています。

航空機・船舶、米州、アセットマネジメント、コンセッション、生命保険、銀行等が既存事業の増加に寄与しました。一方、費用面ですが、収益増によって、商品および不動産売上原価やサービス費用が増加。

また保有契約・運用損益の増加に伴う責任準備金の繰入増により、生命保険費用が増加したことで、営業費用は、前年同期を15%上回り、1兆9216億円となりました。

法人金融サービスでは、サービス収入が前年同期で増加したほか有価証券および関連会社株式の売却益を計上したことで大幅増益となりました。メンテナンスリースでは、中古車売却益が減少した一方、自動車の資産増加によりリース収益が増加。不動産では、売却益の他、施設運営事業のサービス収入も堅調に推移しました。事業投資では、コンセッションや環境エネルギー事業は順調に増加しましたが前年同期の大口売却益の反動減により減益となりました。リテールでは、保有契約の増加による生命保険料収入の増加や、変額年金保険契約・変額保険契約にかかる資産の運用損益が市況改善によって増加したことで大幅増収となりました。

そして海外事業では、アジアのPE投資案件のExit、フーリハンの株式の一部売却、航空機・船舶事業、アセットマネジメント事業の利益が貢献し大幅増益となりました。

海外、事業投資、メンテナンスリースで資産が増加し、セクメント資産は前期末比3%増の9兆1,927億円となりました。

M&Aによる事業拡大へアクセル!~今期すでに6000億円を新規投資~


同社の事業領域は多岐に渡りますが、大きく3つの領域に分類しています。まず、リース、貸付金、住宅ローン、カードローンなどの「ファイナンス」、次に、環境・インフラ、金融サービス、自動車関連など自らオペレーションを行う「事業」、そして債権や不動産・航空機・未上場株式などへの「投資」の3つに分類しています。

そして同社は、このうち、「事業」と「投資」の2分野を成長事業として位置づけ、先行投資を進めています。2018年3月期4-12月に行った新規投資額は約6,000億円、既存事業の売却は4,000億円となりました。

健全な財務基盤と積極的M&Aで高められた収益力、将来の収益基盤獲得への投資を評価

足元の業績は好調で、金融収益、有価証券売却益および受取配当金、生命保険料収入および運用益が順調に増加しており、18年3月期第三四半期業績を2桁の増収増益に導いています。利益成長が順調で、次期中期経営計画(19年3月期~21年3月期)のベース利益成長率は年4~8%を目標としており、引き続き好調な業績推移が見込まれています。

2016年12月から18年12月までに国内外10件の買収や事業提携を実施しており、今後もM&Aによる事業拡大が期待されます。

17年12月末時点の財務内容は、自己資本比率が23.1%(前期末17年3月末は22.3%)、有利子負債は4兆2495億7600万円で、営業資産残高が9兆1927億3700万円。株主資本は2兆6679億600万円と、前期末から6.4%増加しました。ここ5年で1.8倍に拡大しており、利益の蓄積が順調であることが表れています。DE比率も、16年3月期1.9倍→17年3月期1.7倍、18年3月期3Q1.6倍と、改善が続いています。

また不良債権額、不良債権比率が減少・低下しており、足元の貸倒や減損のコストは低位で推移しているのもポイント。大きな経済悪化がなければ、3,000 億円~4,000億円程度の利益水準が維持されると見られます。

また、同社は保守的な財務運営も評価されていますが、現金等のポジションを厚く用意しているほか(総資産の1割、自己資本の46%)、資金調達において長期借入金の比率を90%超え(18/3Q:91.6%)に維持しています。財務面に問題は見られません。

また同時に収益性を図るROEも改善されており、17/3期11.3%→18/3Qには13%となっています。中期経営計画の目標値11%は早期にクリアしているのです。

豊富な株主優待、現金配当利回りも高く、是非とも検討したい株主優待銘柄と思います

株主還元については、2009年3月期の金融危機以降増配を継続しています。今期は配当性向27%を予定しており、前向きです。また同社は、自社株買いを機動的な株主還元として位置付けており、配当と自社株買いによる総還元利回りは5.7%と高水準であることにも投資妙味を感じられます。18年3月期の現金予想配当利回りは3.5%あります(18年4月20日の終値1894円で計算)。さらに、同社の株主優待は多彩な内容で非常に魅力的です。仮に株主優待を3000円で評価すると配当利回りは5.1%にもなります(100株を購入し、株主優待を3000円で評価した場合)。是非とも検討したい株主優待銘柄と思います。

■株主優待の内容(100株以上)
1、水族館や野球観戦、ゴルフ場などオリックスのサービスが割引きされる株主カードの贈呈(権利確定月3月末、9月末)
2、オリックスお取引先が取り扱う商品で構成される、オリジナルのカタログギフト「ふるさと優待」(3年以上継続保有でカタログのランクが上がります。権利確定月3月末)

参考:日本株通信

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。

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