ベトナム

ベトナムコーヒーの特徴&お土産におすすめの豆

ベトナムはコーヒー豆輸出高世界2位のコーヒー大国です。フランス領インドシナ時代にもたらされたコーヒー文化は、現在では庶民の奥底にまで浸透。ここでは独自の器具や甘い練乳を使った少し変わった淹れ方をするベトナムコーヒーの特徴とその歴史、また、旅行者のお土産に人気のある「Trung Nguyen(チュングエン)」などのコーヒー豆やインスタントコーヒーブランドの「G7」をご紹介します。

古川 悠紀

執筆者:古川 悠紀

ホーチミンガイド

ベトナムコーヒーの歴史と一風変わった淹れ方を紹介

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旅行では是非嗜んでほしい

初めてベトナムに来た方は、カフェの多さに驚くことでしょう。冷房の効いたお洒落なカフェはもちろん、道端に小さなプラスチックの椅子を置いた路上カフェもベトナムではまだまだ普通。朝の出勤前に一杯飲んでいくビジネスパーソンや、昼下がりに談笑しながらコーヒーを啜る女子学生や主婦たち。ベトナムでは古くから民間にコーヒーの習慣が溶け込んでいて、ハノイやホーチミンといった、雑多なこの街に不思議と馴染んでいるのが分かります。

フランスがもたらしたコーヒー文化

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焙煎する様子

ベトナムにコーヒーがもたらされたのは、19世紀後半。フランスの保護下となり、フランス領インドシナと呼ばれるようになった時代です。それ以前にもヨーロッパの宣教師がコーヒーを持ち込んだとされていますが、普及はしませんでした。

当時はフランスが積極的に栽培を推し進め、北部地方でアラビカ種を収穫し、フランスへ輸出しました。しかし、栽培技術がまだ低いベトナムでは、アラビカ種よりも、比較的簡単に収穫できるロブスタ種が主となっていきました。

当初ベトナムにおいてコーヒーは、フランス人やベトナム人貴族のみの嗜みでしたが、路上カフェとして民間に浸透するまでに、それほどの時間はかからなかったと言われています。最初は南ベトナムのサイゴン(現在のホーチミン)で普及し、それが徐々に北上。第1次インドシナ戦争(1946年~1954年)がはじまったときには、すでにハノイでも民間に浸透していました。

いまと昔のカフェの変遷

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高級カフェも多くなってきた

民間の間で広まったのは、路上カフェ。それはいまでも町中のいたるところで見ることができます。路上に簡素なプラスチックの椅子を並べて、屋台で営業。早朝には多くのビジネスパーソンが出社前にコーヒーを一杯飲みにやってきます。

そして、1990年代から増えてきたのがカフェ。特に首都ハノイや南部ホーチミンを中心に、お洒落な西洋スタイルのカフェが並ぶようになりました。現在のベトナム人にとって、カフェはなくてはならないものとなり、学生や社会人の勉強・仕事場として、スコール時の雨宿り、食事処、待ち合わせ場所と、さまざまな目的で利用されています。
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焙煎にこだわるカフェも

近年の傾向としては、これまでロブスタ種が主だったコーヒーに国産もしくは外国産のアラビカコーヒーを取り入れたカフェが主流となってきました。それだけではなく、カフェによってはコーヒー豆を生豆から仕入れて、自家製で煎る高級カフェも増えてきた様子。これには日本も一役買っていて、昭和に流行った純喫茶を真似て焙煎からこだわった、というベトナム人カフェオーナーもいます。

こうした背景もあり、2000年代に入ると、ベトナムのコーヒー豆の生産高は急増し、世界第2位のコーヒー豆生産高及び輸出量を誇るに至りました。また、アラビカ種が主流になってきたとはいえ、まだまだロブスタ種の栽培も盛んで、ロブスタ種の輸出高の3分1はベトナム。これは断トツで世界1位となります。

ベトナム製フィルターで飲む。特徴は甘い練乳

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フィルターはお土産にもぴったり

ベトナムコーヒーでは古くから特製のフィルターを使って抽出する習慣があります。画像はドリップ式で、受け皿とカップ、蓋の三層構造。カップ底には無数の穴があり、コーヒー粉を敷いて熱湯を注ぐと、その穴からコーヒーを抽出することができる仕組みとなります。ただし、もちろんコーヒー粉が穴から抜け落ちてしまうこともありますし、穴が詰まるため、少量ずつしか滴り落ちない欠点もあります。しかし、その欠点もベトナム人は、談笑のための有意義な時間として楽しんでいる様子。

また、ロブスタ種のコーヒーはブラックで飲むにはかなり渋みがあるため、ベトナム人は古くからコンデンスミルク、いわゆる“練乳”を混ぜて飲む習慣があります。日本人にとってはかなり甘い味わいとなるため、好き嫌いはありますが、ベトナムの歴史に触れる上でも、旅行中一度は試していってほしいところです。

お土産にもぴったり!人気のコーヒーを紹介

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全国展開している高級コーヒーチェーン店

旅行者にとって最も知名度が高いのが「Trung Nguyen(チュングエン)」のコーヒー。チュングエンは高級カフェチェーンで全国展開しているので、どこのエリアでも見ることができます。そのチュングエンが販売するコーヒー豆は、コンビニやスーパー、市場で買うことができるほか、インスタントコーヒーブランドの「G7」も展開中。

観光都市には決まってチュングエンカフェがあるので、まずはそちらに足を運び、高級ベトナムコーヒーの味を確かめてみるのがいいでしょう。

チュングエン公式HP:http://www.trung-nguyen-online.com/index.html

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ハイランズコーヒーも旅行者に根強く支持されている

こちらはチュングエンと同等の知名度を誇る「Highlands Coffee(ハイランズコーヒー)」。高級カフェのチュングエンと対をなし、ハイランズコーヒーは学生でも気軽に飲めるリーズナブルな値段のコーヒーが売り。缶コーヒーも販売していて、こちらも旅行者のまとめ買いなどで人気です。コーヒー豆もスーパーやカフェで買うことができます。

ハイランズコーヒー公式HP:http://www.highlandscoffee.com.vn/en/home


ベトナム旅行では、ぜひ本場のベトナムコーヒーを楽しんでみてください!

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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