5月株式市場の傾向
米株市場で「セルインメイ(5月に売れ)」と言われるように、株式相場は5月頃から軟調な傾向が始まると言われています。5月は3月決算企業の通期決算の発表が本格化するため、決算の内容次第で株価が大きく変動する可能性が高いでしょう。このような中で上昇が期待できる銘柄はどんなものがあるのでしょうか。今回は、過去の株価データから、5月相場の傾向と注目すべき銘柄について統計的に検証してみました。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
検証対象:全銘柄
検証期間:1990年3月1日~2018年3月31日
1銘柄当たりの投資金額:20万円
買い条件
・4月末の最終営業日の寄り付きで買い
売り条件
・25日経過後の翌日営業日寄り付きで売り
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4月末に全銘柄を購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に勝率が50%以上で、損益がプラスならば、5月は株価が上がりやすい月となります。反対に損益がマイナスであるならば、5月は下がりやすい月といえるのではないでしょうか。以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。
■株式市場の傾向(5月)の検証結果
勝率:46.51%
勝ち数:38,413回
負け数:44,170回
引き分け数:2,066回
平均損益(円):381円、平均損益(率):0.19%
平均利益(円):18,459円、平均利益(率):9.23%
平均損失(円):-15,323円、平均損失(率):-7.66%
合計損益(円):32,216,177円、合計損益(率):16,106.60%
合計利益(円):709,052,068円、合計利益(率):354,535.09%
合計損失(円):-676,835,891円、合計損失(率):-338,428.49%
プロフィットファクター(合計利益÷合計損失):1.048
平均保持日数:27.27日
以上が、株式市場の傾向(5月)の検証結果です。検証結果を見てみると、勝率は46.51%、1トレードあたりの平均損益は0.19%となっています。勝率が5割を切っているものの平均損益はわずかながらプラスとなっており、5月は上がりやすいとも下がりやすいとも言えない傾向があるようです。
5月に株価が下がる要因の一つに、「企業の決算発表で出される通期業績予想が保守的であること」が挙げられます。4月末から5月にかけて、3月決算の企業による決算発表が本格化しますが、日本企業は通期業績予想を保守的に見積もる傾向がありますから、保守的な業績予想を受けて失望売りや利益確定売りが出やすく、売り優勢の展開になりやすいのでしょう。
その一方で、1-3月期のGDP速報の内容を受けて5月下旬から6月下旬の株主総会に向けて堅調に推移する場合もあり、一進一退の動きを見せる場合もあります。
次は、一進一退しやすい5月相場の中でも、どのような銘柄が好調なのかを確認してみましょう。
■5月好調ランキング
上記の表は先ほどの検証結果において、勝率が高かった銘柄のランキングです。
<7567>栄電子 [勝率85.71%]
<5999>イハラサイエンス [勝率85.00%]
<9967>堺商事 [勝率83.33%]
どの業種も個別銘柄も、月によって株価が上がりやすい場合と下がりやすい場合があります。今回のように簡単な検証をすることで、5月の投資戦略を考える上での有効な判断材料の1つになることでしょう。過去の成績に基づいた検証の結果において勝率が低かった銘柄よりも勝率が高かった銘柄を選ぶ方が、よりリスクを抑えてトレードができると考えられます。
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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)
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