副業・複業

副業はなぜバレる?バレたらどうなる?

会社員が副業をやる際に、副業禁止の会社の場合の最大の心配が「会社にバレないか」でしょう。なぜ副業がバレるのか、バレた場合はどうなるのかを解説します。

渋田 貴正

執筆者:渋田 貴正

企業経営のサポートガイド

副業は、なぜ「バレる」のか?

副業がバレるのは?

副業がバレることへの漠然とした不安は、実際の制度の仕組みを知れば解消できます。


副業をお考えの方や副業中の方の中には、「うちは副業禁止だから、会社にバレるのでは、バレたらどうしよう……」と不安を持つ方が多くいます。具体的にどのようなケースで副業がバレるのかということを見ていきましょう。

「確定申告・住民税」でバレる可能性は低い

よく言われるのが「税額でバレるのでは?」ということです。

毎年の住民税の給与天引き額は、以下のように決まります。
  • 会社は、社員が居住する市区町村に給与額を知らせる
  • 市区町村は、その金額をもとに税額を計算して会社に通知する
  • 会社は、社員の給与から天引きする
一方、年間20万円を超えて副業収入がある社員は以下のようになります。
  • 社員は、副業分の確定申告をする
  • 税務署は、市区町村に確定申告データを転送する
  • 市区町村は、会社から通知された給与と確定申告データを合算して税額を計算し、会社に通知する
  • 会社は、社員の給与から天引きする
この際、会社が市区町村に通知した給与額と市区町村の計算結果に記載された給与額が異なったり、給与外の収入が計算結果に含まれていたりすれば、会社の給与計算の担当者が副業に気づくのでは?というわけです。

しかし、このためには、
  • 担当者が各自の給料額を把握し、
  • さらに市区町村の計算結果の数字と照合する
ことが必要です。

住民税の金額などを計算してズレがないかなど、本気で調査すれば分かる可能性はありますが、経理担当は社員の税額確認に手一杯な時期であり、「そこまで見ていられない!」というのが本音でしょう。

最近は、個人の所得欄には目隠しシールが貼られていることも多く、そもそも所得金額などを把握できないことも多くなっています。

さらに、副業収入を「給料」ではなく、「事業所得」や「雑所得」のかたちで得ていれば、確定申告の段階で住民税を「給与天引き」でなく「自分で納付」を選択することもできます。
住民税の納付方法

確定申告書にある、住民税の天引きの欄で、「自分で納付」を選択すれば、給与に係る住民税以外は個人納付になります。


結論として、住民税の通知から会社にバレる可能性は少ないでしょう。

所得税は住民税以上に気にする必要はない

所得税については、副業で確定申告をして納税や税金の還付があったとしても、その情報が会社にいくことはないため、住民税以上に気にする必要はありません

税金は徴収の仕組みが分かりにくいので不安を持ちやすいですが、「副業バレ」を避けるにあたって、そこまで気にする点ではありません。

副業は、もっと”アナログ”な理由でバレる


それでは副業がバレるのは、どのような場合でしょうか。

実際のところ、副業はもっともっと”アナログ”な理由でバレています。

「同僚に『副業を始めた』と話したら、上司に伝わっていた」
「SNSに副業をにおわせる書き込みをしたら、人事が見ていた」
「会社の近くの店でバイトをしたら、会社の人が来てしまった」……

税金の資料を気にするより、こうした自分の行動に気をつける必要があります。

「副業バレ」したくないなら、「会社関係の人に言わない」「SNSは完全に使い分ける」「会社の近くで働かない」といった、「基本対策」が一番大切です。

「副業バレ」は、懲戒・減給・解雇などの対象になる?

それでは副業が会社にバレたらどうなるのでしょうか?

知っておくべきは、「就業規則に副業禁止とあっても、本来的に会社は副業を禁じることはできない」ということです。

終業後の空いた時間や休日をどうに過ごすかは個人の自由であり、会社が社員の余暇の過ごし方を制限することはできません。よって、就業に全く影響ない副業によって、懲戒・減給・解雇などの対応をすることは許されません。

ただし、「就業に影響がある副業」の場合、話は別です。
  • 同業種の副業をして、本業の会社の売上・利益などに影響を及ぼす
  • 本業の地位を使って、副業で利益を得る
などのことがあれば、会社が副業を制限することは正当な理由があるため、認められるでしょう。

また、本業と関係なくても、
・休みなく働いて本業の仕事中に居眠りしてしまった
など、本業に支障が出るほどの副業も何らかの規制対象となるでしょう。

就業時間外の過ごし方は自由とはいえ、会社の利益を侵害するような副業はやってはいけない、ということです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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