廻り縁(まわりぶち)とは天井と壁を見切るもの
壁と天井の堺をぐるりと廻る材料を廻り縁(まわりぶち、「廻縁」と書くことも)といい、天井と壁を見切る役割があります。床と壁の堺につける巾木(はばき)同様、空間のなかではわき役的な存在ですが、その種類は、色・形状など様々なものがあります。素材も木製や塩ビ製など様々あり、どのような空間にしたいかによって、たくさんの選択肢があります。
<目次>
廻り縁のメリットとは壁と天井の間に隙間を隠すこと
部屋をすっきり見せるため、コストを落とすためなどの理由から、「絶対に必要なの? 省いても大丈夫?」と思う人も多いようですが、廻り縁を取り付けるのには意味があります。特に木造においては、湿度や気温などの影響により、ほんの少しずつですが構造躯体が動きます。その動きによって、壁と天井の間に隙間ができることがあり、それを隠すための方法の一つとして廻り縁があります。廻り縁の形状・大きさなど種類
廻り縁をどの程度際立たせるかによって、選ぶものが変わってきますので、順にご紹介していきます。・一般的な廻り縁
よく使われるのは、3~5センチ程度でシンプルな形状のものです。このようなタイプであれば、特に廻り縁が主張せず、空間に溶け込みます。
・もう少しデザイン性を取り入れたい場合 曲線的なデザインなど色々な形状があり、サイズもたくさん種類があります。廻り縁を豪華にすることで、エレガントな空間になっています。
・廻り縁を目立たせたくない場合 2センチ未満の小さいものや、薄型のものがあります。
廻り縁の素材は木製や塩ビなど
これも廻り縁をどの程度目立たせるか、壁と天井をどれくらい分離させたいかによって変わってきます。壁と天井をはっきり分けたい場合、空間をピリッとしめたい場合などは、床や巾木と合わせるなどして色のついた廻り縁を選択します。逆に、あまり壁と天井をはっきり分けず、空間を広く見せたい、天井を高く見せたいなどの場合は、白などの壁紙に近い色の廻り縁を選ぶとよいでしょう。壁と天井の仕上が同じ場合などは、廻り縁が際立たないほうがすっきりと見えます。
廻り縁の素材
木製(突板やシート張り)、塩ビ製などがあります。高級感を出したい場合は木製、あまり目立たせたくない場合は塩ビ製を選ぶことが多いです。廻り縁なしにする場合の方法は?
下地の隙間を隠すというメリットがある廻り縁ですが、つけない場合の方法もいくつかありますのでご紹介します。- 突付仕上
廻り縁はなしで、壁と天井の仕上材を突付けて仕上げます。この場合、壁材と天井材は同じものを使用したほうが美しく仕上がります。
- 天井目透かし・壁目透かし
廻り縁などの材料を付けず、壁や天井などをへこませることにより見切る方法です。見切り材などを使用するのが一般的です。
廻り縁選びの注意点は造作材とのバランス
巾木やサッシ枠、ドア枠などは、廻り縁も含めて「造作材」とよばれます。これら、造作材はできるだけテイストをそろえたほうが空間のバランスがとれ、美しい部屋に仕上がります。ですので、廻り縁単体で選ぶのではなく、他の造作材とのバランスも考え、選ぶことが重要です。また、木造(特にツーバイフォー住宅)などでは、工法上、壁と天井の隙間が空きやすいので、専門家とご相談の上、廻り縁の有無や種類を決定することをおすすめします。
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