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ピロティとは?構造や耐震性などの特徴・メリット・注意点

ピロティとは?駐車スペースが必要だけど、敷地が狭い…そんな時にはピロティ構造がおすすめです。 建築基準法の容積率においてピロティ形式は面積算定に入れなくて良いなど様々なメリットがある一方で、耐震性など気になる点も。ピロティ構造の特徴やメリット、注意点をまとめました。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

ピロティとは

Q:敷地が狭く駐車スペースを確保することが出来ません。また、周囲は建物に囲まれているので、日当たりも良くありません。何か良い方法はありませんか?

A:ピロティを採用してはいかがでしょうか。
ピロティという建築用語を聞いたことはありませんか? 一種の高床式建物の構造をイメージして下さい。1階部分を柱だけの空間にして2階以上を居住スペース、あるいは事務所などにする建築様式で、フランス語で「杭」という意味です。
 
ピロティとはundefined構造undefinedサヴォア邸undefinedル・コルビュジェ

世界的に有名な建築家ル・コルビュジエが設計した近代建築の住宅「サヴォア邸」にもピロティ形式が採用されている(画像は記事「ル・コルビュジエの名建築「サヴォア邸」の見学方法」より)


杭という意味からもわかるように1階を壁で囲わず、柱だけの外部に開かれた空間です。したがって都市型住居に向いているのです。
 

ピロティのメリットは? 延床面積の考え方

一般に都市型住居は土地が狭く1階に駐車スペースを設けることが出来ないことがあります。したがって1階部分を柱だけにし、その部分を駐車スペース、住居部分を2階以上に持ち上げてスペースを有効に活用する方法がピロティの最大のメリットです。
 
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ピロティ


さらに建築基準法の容積率(延床面積に対する敷地面積の割合)でもメリットがあります。ビルトインガレージなど一般的な室内型駐車スペースは延床面積の1/5までは面積の算定に入れなくてよいというボーナスがあります。しかし1/5を超えてしまった部分については算入されます。一方ピロティは、始めから面積算定に入れなくて良いので、その分住居部分を広く使うことが可能で、ゆったりとした室内づくりができます。
 

耐震性は大丈夫?ピロティ構造の注意点

阪神淡路大震災では、1階を駐車スペースにした建物は、耐震性がなかったので座屈によって大きな被害が多かったのです。一方、東日本大震災の津波では1階部分の柱のみピロティ構造の建物は津波に強かったという調査もあります。外壁がないことで津波の力を受けなかったからでしょう。

ただ、日本の災害状況をみると津波より耐震性をいかに考えておくかが重要です。最近のモダンなピロティ建築はしっかりと構造計算をして耐震性を高めていますので、阪神淡路大震災時の頃とは随分と地震に対する考え方も変わってきています。構造も耐震性を考えて鉄骨造でつくられる建築が多いです。
 

様々なアクティビティができ、外観デザインもすっきり!

ピロティとはundefined構造

ピロティの建築実例。洪水対策と耐久性向上のため、1階はコンクリート造。(画像は記事「光あふれる北向きの家[若林の家]」より)


何といっても住居の外構として様々なアクティビティを受け入れてくれるスペースづくりができます。1階が暗ければ間取りの工夫で光を取り入れる事もでき、ガーデニングを楽しむことも可能ですし、雨の日であっても、1階で遊ぶことができます。1階がスッキリしているので、あまり生活感は出さずにスタイリッシュな外観のデザインがつくれます。また2・3階がスペースになるので近隣との視線も気にしないで生活できる良さもあります。

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