世界の株式市場が……
上昇基調だった世界の株式市場が、下落に転じています。最近、VIX指数について触れる報道が増えてきましたので、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?VIX指数は意外に使える指数ですので、株取引をやっている方はぜひとも覚えておくべきでしょう。VIX指数とは
VIX指数とは「Volatility Index(ボラティリティ・インデックス)」の略で、恐怖指数とも呼ばれています。ボラティリティとは、株価が変動する振れ幅、度合いのことで、株価が激しい値動きをすればするほど数値が高くなります。値動きがほとんどなければボラティリティは低くなり、数値は低くなります。シカゴオプション取引所が米国のS&P500種指数のオプション取引の値動きをもとに算出し、公表している指数です。VIX指数のチャートを見てみましょう。2017年5月以降です。
米国のヤフーファイナンスでキャンドルスティック(ローソク足)で表示していますが、「VIX指数」「チャート」などとインターネットで検索すれば簡単にチャートを表示させることができます。価格の動きを詳細に知りたい場合はローソク足表示にすると便利です。
VIX指数の利用法
VIX指数は投資家心理を示す数値として利用されています。一般的に、数値が高いほど投資家が先行きに対して不安を感じている、つまり、相場の先行きに不透明感を持っているとされています。そして、通常時は10から20の間で推移することが多いとされています。上のチャートを見ると、ほとんどの期間では10から20の間でVIX指数が推移していることがわかりますね。2018年2月に入ったあたりから数値が急上昇し始め、ピーク時には50を超えるまでになっています。
株式市場はここ数カ月、上昇トレンドが継続してきました。上昇中はボラティリティが低下せざるを得ないので、VIX指数も低水準が継続しました。株価が上昇すればするほど高値圏になり、このような水準でボラティリティが低いとマーケットは膠着した状態になります。
ボラティリティが低ければ、安定的でバラ色な楽観的状況ととらえてもいいでしょう。しかし、いったん株式市場が逆回転に動き出すと、楽観が強い分、不安が増幅さるのが普通ですから、株価が急落する可能性が高くなります。
2月からのVIX指数の大幅上昇は、株価急落によるボラティリティの高まりが背景にあったと言えます。過去2008年のリーマンショックの際には、VIX指数が一時70を超えるまでに上昇したこともありました。
株式市場は上昇すれば下落するわけで、低ボラティリティが継続し続けるわけではありません。株価が急変するきっかけがいつなのかは誰にもわかりません。VIX指数を活用すれば投資家の不安度を測ることができますから、地合いの変化を図る指標としてVIX指数を利用してみてもよいのではないでしょうか。
※投資の判断につきましては、ご自身の責任でお願いします。
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