破風板とは
破風(はふ)の役割とは
Q:新築工事を進めていく中で「破風板はどんな色にしますか?」と言われ、思わず「破風ってなんですか?」と聞いてしまいました。改めて、破風の役割や配慮しておくべきことを教えて下さい。
A:破風板と言われても建物のどこの部材のことか、すぐにイメージできない方がほとんどだと思います。文字から推測すると「風を破る板」ですから、建物内部に吹き込む風を防止する役目で取り付けられるのかなと想像できるかも知れません。
破風とは風を打ち負かすということです。破風板は屋根を構成する部位の一つで、耐風性能や耐火性能を高める重要な役割を持った建築構造材なのです。
破風板3つの役割
近年住宅は軒の出を無くし(当然破風もなくなります)建物をスッキリ見せるデザインが多くなってきていますが、なぜ破風板が屋根につけられているか?その主な理由は3つあります。1.風や雨水の吹き込みを防止
屋根は上から吹き付ける風に対しては強いのですが、横や下から吹き込む風には弱いのです。破風板があることで、屋根内部への風の吹込みや雨水の吹込みを防止する役割を果たします。もちろん雨による壁面保護も期待できます。
2.防火性を高める
一般に個人住宅は軒を出します。仮に窓から炎が上がった場合、軒まで炎が到達するでしょう。その際、軒と破風板で屋根裏まで一気に炎が行かないよう防止する役目を果たすのです。特に屋根裏は防火材が使われていないので、延焼しやすいのです。
3.化粧性を演出
屋根を支える垂木(たるき)や母屋(もや)などの小口(切断面)が屋根の下側に見えてきます。それらを隠すために破風板や鼻隠しが付けられるのです。したがって、破風板は化粧材の役目も持っているのです。
破風板の材質に何を選ぶ?
破風板の材質には木質系、金属系、窯業系の3つの材質があります。以前はほとんどが木質系でしたが、近年は金属系や窯業系が採用されています。特に窯業系は人気があります。金属系は耐久性と化粧性は問題ないのですが、耐火性が良いとは言えません。その点窯業系は耐火性にも優れており、人気があるのです。風雨の影響を強く受けるなど悪条件に常にさらされているところです。したがって点検、修理をする必要性の頻度が高いので、その点も考慮しておくことが求められます。
破風板の色の選定は見栄えだけで決めてはいけない
これまでの解説でもわかるように、破風板は風を破る板ですから、雨にも叩きつけられます。そうしますと、仮に破風板の色も白系にすると水垢などで徐々に汚れてきます。屋根材の色と外観を考えるとどうしても白系にしたいのであれば、薄いベージュ系や薄いグレーなどの色にするだけでも目立ちにくいものです。屋根材や外壁と同系色のものを選ぶなどバランスを考えて選ぶことです。【関連記事】