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あなたは副業をするのか複業をするのか?人生は大違い

働き方改革の一環で、会社の兼業禁止規定の見直しがされようとしています。もうひとつ働けるようになったとき、あなたは「副業」をしますか、それとも「複業」をしてみますか?実はこのふたつは大違いです

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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副業解禁が近づいてきたがそのときどうするか

一般的に、日本の企業は副業を禁止していることが多いようです。2017年2月にリクルートキャリアが発表した『兼業・副業に対する企業の意識調査』によれば、副業を容認あるいは推進している企業は23%しかないそうです。
 
副業解禁が近づいてきたがそのときどうするか

副業解禁が近づいてきたがそのときどうするか


厚生労働省のホームページに掲載されいてる就業規則のサンプルでも、兼業禁止規定の項目があり、他の会社に所属しないこととしています。これでは国も副業を認めていないようなものではないか、という指摘があります。

実は副業の禁止は法的に禁止する根拠はないため、会社の就業規則を変えれば私たちはもうひとつ仕事をすることはできます。

国の就業規則サンプルも働き方改革の流れを受け、見直しを行うようですが、近い将来、副業が可能になったからといって、さてどうするかは私たち自身が決めなくてはいけません。

副業解禁になったそのとき、どうするべきかを考えてみます。

実は単なる「副業」とするか「複業」にするかであなたの人生はまったく違ってくるかもしれません。
 

余裕時間を削って収入を増やす「副業」

副業と複業というのは辞書の言葉というよりは俗語のところがありますが、ここでは分けて解説してみます。まず「副業」です。

一般的なイメージの「副業」は、「仕事が終わった夜中や休日にアルバイト」でしょう。

これはつまり、今働いている会社Aの勤務条件は基本的に変わらず、就業時間外に会社Bの仕事もする、ということになります。
副業の基本的な構図は

「今の会社の勤務時間は変わりがない」
「今の会社の給与も変わりがない」
「副業をするのは、会社を退出後の夜の自由時間や
週末の時間しかない」
「副業をするほど年収が増やせる」
「ただし副業するほど時間がなくなる」


ということになります。
副業を解禁する、といっても会社は「就業時間内での副業の禁止」をルール化するでしょうし(当たり前ですが)、「今の会社の取引先を相手に副業をすることを禁じる」ことも間違いないでしょう。例えばプログラマーが内職で、取引先と別契約をするようなことはNGというわけです(これも当たり前)。厳しいケースでは「本業と同種の仕事で副業をすることを禁じる」かもしれません。

となると「副業」は今やっている仕事のノウハウは使えず、まったく違う種類の仕事をしなければならなくなります。スキルが活かせない場合は、単純に労働時間を増やしてお金を稼ぐアルバイトにしかならず、週末の休息時間を削ってお金に換えるようなことになります。

そしてこの場合、一見すると年収が増えるようにみえますが、毎日の自由時間を削り続けなければならず、またさらに年収を増やしたければさらに時間を削るしかありません。

ただし、ちょっとした手に職がある場合(趣味が高じて結婚式のカメラマンができるとか、古本のせどりは苦にならないとか)、本業とはまったく違う「仕事」としてお金を稼げる道が開けるかもしれません。
 

労働時間を割り振ってふたつの会社に属する「複業」

もうひとつの副業はあえて「複業」と名付けてみたい働き方です。この場合、本当にふたつの会社に所属し(できればどちらも正社員で)、どちらでも重要な役割を果たして働くようなイメージになります。

イメージとしては今働いているA社との労働契約は維持するものの、勤務日数を減らし、異なる会社B社でも正社員あるいは役員としてがっつり働く、というイメージです。基本的な構図としては

「今の会社の勤務時間、日数を減らすこともある」
「減らした分、別の会社に勤める時間とする」
「今の会社の給与は下がるが、別の会社からの給与ももらう」
「休日や休息時間は大きく減らさないことができる」
「合計所得が増えるかどうかは働き方次第」


という感じでしょうか。
今の会社の仕事も辞めるわけではありませんが、週3あるいは週4勤務として、その浮いた日をベンチャー企業で働く日に回すような感じです。

この場合、フルタイムで働かないけど正社員に近い待遇をしてもらうわけですから、会社ときちんと話し合っておくことが必要です。場合によっては嘱託社員などに切り替わることもあるでしょう。しかし、今の会社の収入はある程度キープしつつ、新しい人生のチャレンジができるようになります。

もしうまくいけば、二つ目の会社で年収を大きく増やせる働き方が実現したり、今の会社を辞めて、別の会社に乗り換えて年収がアップするような選択肢も残せます(もちろん、うまくいかなかったので今の会社に残る、という選択肢もキープできます)。

先に説明した副業は週末の時間をつぶすほど年収は増える関係にありますが、「複業」の場合はケースによっては年収減を受け入れて働くこともあります。ベンチャー企業が軌道に乗るまで給与の払いが少なかったり(あるいはなかったり)、NPO等の運営に関わることで社会貢献はできるものの交通費くらいしかでない、ということもあるからです。

複業は、今までにない新しい働き方といえます。しかし「人は一社とだけしか契約できない」という縛りから解放されることで、私たちは選択肢が増えることになるわけです。
 

時間を削って副業をする? ふたつの会社で働く複業をしてみる?

「副業」で週末バイトをして、年収を増やすだけが副業解禁のメリットではないと思います。むしろこういう副業は健康を害する恐れもあります。休息がとれなくなるからです。

むしろ前向きに考えてみたいのは「複業」だろうと思います。実はフリーランスで働く人たちはいろんな会社とスポットで仕事を請け負うことが多く「複業」的な働き方をしてきましたが、働き方としては不安定でした。月収100万円の月もあれば10万円の月もあったり、病気になったらいきなり年収がゼロになったりします。「複業」ならそこまでシビアなこともなくなります。

会社員がベンチャー企業にチャレンジするなら、今の会社を絶対に辞めなければいけないという暗黙のルールがあるため、チャレンジを見送っていた人もいました。これも「複業」によって積極的な起業をする人が増えるかもしれません。

2018年以降、会社から副業容認のお知らせが届くかもしれません。そのときは「副業」ではなく「複業」を考えてみてはどうでしょうか。あなたの世界が思わぬ広がりを見せるかもしれません。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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