マフラーだけではない?秋冬のストールマフラー
「ストールという言葉から、春夏の巻き物というイメージをお持ちではないですか?」
綿・麻のイメージが強いストールですが、ウールを混紡したストールマフラーも近年増えてきたようです。これまで百貨店・大手セレクトショップで扱われていたこのタイプのマフラーですが、チェスターコートの定番化によってツープライススーツ量販店で見掛ける機会が増えてきました。
開襟タイプのアウターだからこそ、首元の露出を防ぐため、チェスターコートの場合マフラーが欠かせません。定番であるフェルト生地のウール・カシミヤ系に加え、第3のバリエーション「ストールマフラー」が増えてきたのではないでしょうか?
のべ4,000人を超えるビジネスマンの買い物に同行してきたガイドの私が「ストールマフラーの着こなし」について教えます。
ストール特有の質感を活かす!ミラノ巻き
一般的なウール・カシミアマフラーは羊・山羊の毛を織らず、熱・圧力を加え生地状にした縮絨(縮絨)という技法でつくられます。フェルト特有の詰まった繊維によって、強い凹凸感のドレープ(シワ)をつくることが可能です。だからこそ、シンプルな一重巻き・ワンループといったシンプルな巻き方であってもカタチが崩れにくいと言われています。
一方、春夏ストールのようにフワッとした質感のストールマフラーの特徴は、その柔らかさです。フワっとした軽い質感を活かすストールマフラーは、ねじりを活かした「ミラノ巻き」が映えるのです。
2000年代後半ストールブームと共に拡がった「ミラノ巻き」は、ピッティ巻きともいわれています。イタリアで行われる世界最大の展示会「ピッティ・イマージネ・ウォモ」で、当時撮られたファッションスナップから注目を集めたこの巻き方は、ストール特有のフワっとしたボリューム感を最大限活かす巻き方だったのです。では、ミラノ巻きを4つのステップで紹介します。
ウール・カシミアマフラーでミラノ巻きをした場合、あのフワッとした質感が出ません。つまり、質感次第で、マフラーの巻き方は変わるのです。
春夏ストールはマフラー代わりになるか?
秋冬のストールマフラーと春夏のストールは、異なる素材ですが、その雰囲気は似ています。ただし、どんなに高級な春夏ストールであっても、コートには合わせられません。コート生地の厚みに綿・麻のストールは負けてしまい、貧相に見えるリスクが生じるからです。
ストールの場合、素材によって合わせるアイテムの季節感も考える必要があります。フワッと軽い綿・麻ストールは、シャツ・カーデガン・軽いニットジャケットといった軽めの質感が合うのです。
シャツに合わせたストールは、一重巻きではなく、ネクタイのように首にグルっと通す巻き方がお薦め! ただし、ストールの長さがベルトから10センチ以上垂れる場合、だらしなく見えてしまいます。巻き方に合わせて短めのストールを選びましょう。
一方、カーデガン・軽いニットジャケットで合わせる場合、ストールを巻くのではなく肩から垂らす着こなしを推奨しています。首元のボリュームを抑えることでストールの存在感を全身に馴染ませることができます。ストールが流行っていたときは良かったのですが、現在の時代動向を見たとき、ストールはさりげないものを選びましょう!