子育て/子供のしつけ

しつけの悩み解決!子供の主体性を育む7つの導き方

「なぜ、この子は何度言っても改善しないのだろう?どうしたら、この子に思いが伝わるのだろう?」そうため息をついてしまうことがありませんか。この記事では、米国のベストセラーの著書を基に、効果的な子供の導き方を紹介します。

長岡 真意子

執筆者:長岡 真意子

子育てガイド

「言うことを聞かない子」をどう導いたらいいのでしょう?

好ましくない言動をする子

「伝え方」に少し気を配ることで、こちらの思いが子供に届きやすくなります。

なぜ、この子は言うことを聞いてくれないのだろう? 何度も注意しているのに、なぜ改善しないのだろう?

思い通りに動いてくれない子供を前に、ため息をついてしまうことってありますね。また、心身ともに余裕がない時など、思わずこみ上げる怒りをそのまま子供にぶつけ、「ああ、やってしまった……」と、落ち込んでしまうこともあるものです。

では、子供の「好ましくない言動」への効果的な対応とは、一体どのようなものなのでしょうか?

米国でベストセラーとなった「しつけ」についての著書『No Drama Discipline』(*)を参考に、効果的な子供の導き方をみていきましょう。


子供の主体性を育む7つの「しつけ」ストラテジー
【子供の導き方1】「ダメ!」を質問文に言い換える

頭ごなしに「ダメ!」と詰め寄るならば、子供の反応の多くは、「反抗、逃げる、固まる」のいずれかです。その後、子供との感情のぶつかり合いに発展するか、もしくは、子供が思考停止状態で従い、長い目で見るなら何も学習してないかのどちらかです。

例えば、「ダメ!」という言葉を、次のように言い換えてみましょう。
×「玩具出しっぱなしはダメ!」
→〇「玩具はどこにしまったらいいかな?」

×「大きな声出したらダメ!」
→〇「図書館ではどんな声でお話したらいい?」

質問を投げかけ、子供自身が考えることで、子供はより主体的に「適切な言動」をするようになります。「ダメ!」は、道路に飛び出す子に咄嗟に走り寄る場合など、その子や周りが危険な目に合った時のために、とっておきましょう。


【子供の導き方2】感情を受け止める

子供の感情が高まっている場合は、なかなかこちらの言うこともその子には届かないものです。まずは子供の感情を受け止め、子供の気持ちを落ち着かせてあげましょう。

例えば、
「一生懸命作った積み木の家が壊れて悲しかったね」「ゲームに負けて悔しかったね」など、まずは子供の気持ちに寄り添うことで、子供も「分かってくれた」と落ち着くことができます。

その後、「でも、積み木を投げたら危ないね。積み木はどこにしまったらいいかな」「ゲームは勝ったり負けたりするもの。負けて悔しいからと相手を叩いたら、相手はどんな気持ちになるかな。今度負けた時は、どうしたらいいだろう」と、話し合ってみましょう。


【子供の導き方3】説教や批判より事実を描写する

「~しなさい!」「なんでできないの!」と命令や批判をされるなら、子供の聞き入れる気持ちも萎えてしまいます。「事実」を描写し、子供自身が考え行動するのを促しましょう。

例えば、
×「靴を脱いだらきちんと並べなさい!」
→〇「靴がばらばらに散らばってるね」

×「こんな算数の点数取ってきて!ちゃんと勉強したってあなた言ったじゃない!」
→〇「テスト勉強、あなたはしっかりできたと思ったのよね。ママもこの点数見てびっくりよ。あなたも驚いたわよね」

子供自身が事実を見据え、行動を起こすのを助けてあげましょう。

【子供の導き方4】言葉を減らす

しつけに遊び心を

    余裕のない時ほど、「遊び心」を大切にしたいですね。

言葉を連ねることで、返って子供が自発的に行動するのを妨げてしまう場合もあります。

例えば、
×「時間を守るのはとても大切なこと。これから中学や高校へ行って、大切な試験や試合などがある場合も、遅れてしまったら大変なことになるね。待ち合わせしている場合は、相手の時間も無駄にしてしまう。大人になってからも、時間を守れないのならば信用を失ってしまうよ。時間を守ることがどれほど大切か、何度言っても言い過ぎることはない。パパも昔ね……(続く)」

〇「8時半に学校に到着するには、どうしたらいいかな?」

言葉が長々と続くと、多くの場合、子供は他ごとを考えているものです。シンプルに伝えましょう。


子供の導き方5:「好ましくない言動」より「好ましい言動」を強調する

「できていないこと」ばかり並べられるのならば、改善しようという気持ちも萎んでしまいます。普段から「できていること」を強調することで、「自分にもできる!」という子供の気持ちを励ましてあげましょう。

例えば、
×「もお、なんであなた達は喧嘩ばっかりするの!」
→〇(できている時に)「仲良く遊べて楽しかったね。ママも用事を済ませられて助かっちゃったわ。ありがとう」

×「いつも忘れ物して!」
→〇(できている時に)「昨日寝る前にランドセルの中身点検したから、今日は忘れ物しなかったね!」

普段から、「できている時」をこまめに認め、喜びや感謝の気持ちを表してあげましょう。

【子供の導き方6】「遊び心」を持ってアプローチする

子供は「遊び」の達人。真正面から問題に向き合うよりも、時に「遊び心」をもって斜めに向き合う方が、受け入れられやすいこともあるものです。

例えば、
×「食べ物を床にこぼさないの!」
→〇「うわあ、今夜はアリさんが大宴会ね!」

×「早く着替えなさい!」
→〇「よし、ママとどっちが早く着替えられるか競争しよう。ママ負けないからね~。よ~い、どん!」

余裕のない時こそ、大人も、「遊び心」を思い出したいですね。


【子供の導き方7】自分の思い、相手の思い、そして互いの着地点を見出すのを助ける

元々「しつけ」とは、個々人が集団生活の中で幸せに暮らすためにあるものです。「自分がこうしたい!」と主張するだけでなく、また、周りの人々の思いを優先するばかりでもなく、自分も相手もハッピーになるにはどうしたらいいかを工夫していきましょう。

例えば、
×「玩具かしてあげなさい!」
→〇「あなたはどうしたいの?そう、もう少し遊びたいのね。じゃあ、お友達があなたの玩具で遊ぶのを待っているから、なんて伝えたらいい?それはいい考えね、『あと5回遊んだら貸すから、もう少し待ってね』というといいね」

周りとの葛藤のたびに、「自分の欲求」と「周りの欲求」との間で、「両者が納得できる着地点を見出すにはどうしたらいいか?」と模索する姿勢を育んであげましょう。

以上「7つのしつけストラテジー」を活用し、子供の「好ましくない言動」を、より効果的に導き直してあげたいですね。

(*)参考著書:
『No Drama Discipline: the whole-brain way to calm the chaos and nurture your child's developing mind』 by Daniel J. Siegel and Tina Payne Bryson

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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