2位「公務員も主婦もやってみた~みんなでセルフ年金する決断」
将来、受け取れる年金額が運用結果次第で変わる個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」。制度自体は2001年10月に始まったが、これまで加入できるのは自営業と企業年金のない会社員に限定されていたため、加入者数は伸び悩んでいた。それが今年1月からは、企業年金のある会社員や公務員、専業主婦まで、ほぼすべての現役世代が加入できるように制度改正された。
iDeCoは、掛け金が所得控除の対象となり、運用益は非課税。給付時は、年金払いでは雑所得、一時金では退職所得として扱われるため、少額投資非課税制度(NISA)と比べても税制メリットがあり、加入が広がっている。5月18日にはSBI証券と楽天証券が、iDeCoの運営管理手数料を無条件で無料化することを相次いで発表。こうした運用コストの低減も、始める人の背中を後押しした。
国民年金基金連合会のiDeCo公式サイトで公開されている加入者数は、昨年末時点で約31万人だったが、今年1月の加入対象者の拡大に伴い、9月末には約65万人と2倍以上に伸長。1~9月の新規加入者を区分別に見ると、従来からiDeCoの加入対象だった「企業年金のない会社員」が15万人近く新規加入している。これは、制度改正によって認知度が高まったためだろう。また、熱心なのは、新たに加入が可能になった「公務員」。9月末時点の加入者数が約11万人と、今年の加入した人のうち、およそ3人に1人が公務員であった。
ガイドの解説コメント
投資信託ガイド 深野 康彦
国や勤務先は手厚い社会保障(福利厚生)を施すことができないため、私たちに老後の準備などを行いなさいとボールを投げてきました。が、自助努力とお題目を唱えても、個人は重い腰をなかなかあげないことから「節税」というメリットを強く訴求し促したのが今回の狙い。この節税政策は素直に乗るのが得策と考えた人が多いようです。ほぼ全勤労者が節税の恩恵に預かれるため、民間より収入不安の少ない公務員が節税を意識して加入しているのがその要因でしょう。
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