離婚/離婚を決意する前に

損しない離婚のための5つのルール

世の中には損をする離婚としない離婚があります。その差はどこにあるのでしょうか?今回は、離婚が人生のマイナスにならないために、離婚するかどうか迷っている段階から準備、検討すべき5つのポイントについてお話ししましょう!

岡野 あつこ

執筆者:岡野 あつこ

離婚ガイド

<目次>

損しない離婚のためには、準備が必要!

損をする離婚をしないための5つのルール

損をする離婚をしないための5つのルール


3組に1組の夫婦は離婚すると言われる時代。誰でも一度は「私たち、別れたほうがいいのかな……」「この人とずっとこの先もやっていかれるのかしら?」といった不安が頭をよぎった経験はあるのではないでしょうか。

実際に、離婚を決めた人たちには、幸せになれる人と後悔する人がいます。その差はどこにあるのでしょうか?

今回は、離婚を経験したことが人生のマイナスにならないために、離婚を迷っている段階から準備、検討すべき5つのことについてお話ししましょう。  

離婚後の生き方をリアルにイメージしてから、準備スタート!

離婚で損をしない&後悔しないためには、いざというときに冷静に判断できるよう、客観的に心の準備を進めておくのが正解です。

まずは「離婚後の自分の生き方」をリアルにイメージしましょう。

離婚をすることが目的ではなく、離婚後に続く毎日を幸せに過ごしていくことが目標です。そのためにも、離婚をした後、自分がどんなふうに暮らし、何に幸せを感じる毎日なのかを具体的にシミュレーションしてください。そういう身近なことから、離婚で損をしない&後悔しない人生はスタートします。
 

損しない離婚1:経済的な環境を整える

離婚後の生活を安定させるためには、経済的に安定することが欠かせません。すでにフルタイムで働いていたり、確実に自立できる見込みがあったりする場合はOKですが、もしもそうでない場合は離婚を決める際に大きな課題となります。

「仕事のことは、別れてから考えよう」「働き口は離婚してからでも見つかるはず」といった感覚で、実際に離婚をしてから問題が生じるケースも少なくありません。「もらえるはずの慰謝料が支払われない」「あてにしていた両親からの援助が受けられなくなった」ということも考えられます。

離婚後に困らないためにも、結婚生活をしている間に収入につながる資格を取得しておいたり、就職先を決めて働きはじめたりしておくことが大事。経済的な環境を整えてから離婚の話を切り出すくらいでもタイミングとしては遅くはないのです。
 

損しない離婚2:離婚経験者の話を聞く

一人で離婚のことで悩み、決断をくだすのはなかなか難しいもの。冷静な判断ができないこともあれば、知識が足りないことで損をしたり後悔したりすることも考えられるからです。

離婚で悩んだり迷ったりすることがあれば、信頼できる離婚経験者や夫婦問題のプロに相談するのがおすすめです。NPO日本家族問題相談連盟が主催する座談会や勉強会などで、同じように離婚に悩んだり迷ったりしている仲間と出会い、本音を打ち明けてみるのも心が軽くなる方法のひとつ。夫婦問題の解決の糸口が見つかることもあります。
 

損しない離婚3:夫婦の財産を正しく知る

離婚をしたことで、必要以上に経済的なダメージを受けないためには、夫婦の財産を正確に把握しておくことが大切です。

「夫にどれくらいの資産があるのかわからない」「夫の口座を知らない」という人は意外と多いものですが、もしも離婚を考えているなら、夫婦関係が悪化する前にしっかりと知っておく必要があります。結婚生活をしている間に夫婦で築いた財産は、たとえ妻が専業主婦で無収入の状態であっても、離婚する際に公平に清算するということが決まっているからです。預貯金や不動産はもちろん、貯蓄型の保険や自動車、貴金属やゴルフ会員権なども、すべて折半すべき財産に含まれます。
 

損しない離婚4:養育費や学費の話し合いはマスト

「早く離婚したいからお金はいらない!」は離婚で損する人の典型的な例

「早く離婚したいからお金はいらない!」は離婚で損する人の典型的な例!?


子どもがいる場合、子どもの養育費や学費の話し合いや取り決めは、離婚を決める前にしっかりと済ませておくのが必須です。夫と妻のどちらが親権を持つとしても、子どもが成人するまでは両親は子どもを扶養する必要があり、養育費は発生します。子どもにとって、二人が離婚をしても親であることには変わりはないのです。

離婚で損する人にありがちなのが、「さっさと離婚をしたいから、お金はいらない」「子どもくらい自分ひとりで育てられるはず」などと、養育費や学費のことを考えずに離婚を決めてしまうケース。勢いやプライドで離婚を決めると、そののち子どもが進級するときや進路を決める段階になって「やっぱりあのとき、きちんとお金をもらっていればよかった……」と後悔することになりかねません。

とくに、夫婦で話し合って離婚を決める形の協議離婚の場合には注意が必要です。法的効果のある書類が残る調停離婚や裁判離婚の場合とは異なり、協議離婚では口約束だけで文書という形にしないケースもあります。すると、はじめに交わした約束とは違い、支払われるはずの養育費や学費が未払いのまま、とりっぱぐれてしまう……という最悪の事態になることもあります。

離婚は夫婦だけのことではありません。子どもの将来に関わることにもなるので、離婚をする前に、夫婦で冷静に子どもの幸せについてお互いが納得するまで話し合い、養育費や学費の金額や支払い方法などを細かく決めておきましょう。
 

損しない離婚5:まずは別居で「お試し離婚」もアリ

矛盾するようですが、そもそも離婚とは、想像以上に大きなダメージをもたらすもの、という認識を持っていたほうがいいでしょう。今回は「離婚で損をしない」ということがテーマですが、繰り返すDVや浮気といった、どうしても許しがたい理由でない限り、基本的には離婚より修復の道を選ぶほうが、あらゆる意味でマイナスが少ないケースも多いのです。

だからこそ、正式に離婚を決める前におすすめしたいのが「お試し離婚」という方法です。いつでも戻って来ることができる距離で、一時的に夫と妻が別居をするのが「お試し離婚」です。これにより、お互いが冷静になってこれまでの夫婦関係を見直すことができるだけでなく、今後の夫婦のあり方について改善すべき点を見いだすことも可能になります。

物理的な距離をつくることで、お互いが相手のいいところに気づき直すこともあるはず。「こんなダメなところもあるけれど、あんないいところもある。だから、離婚はもう少し先にのばして、もう一度、やり直してみてもいいかも」と思えれば、する必要のない離婚によってばく大なエネルギーを使わずにも済むのです。

いずれにしても、離婚は感情的になってしたり、衝動的に決めたりするものではありません。離婚で損をしない&後悔しないためには、具体的に準備を整えてから決定し、実行する、ということが大切です。

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