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Google HomeとClova WAVEを9つの項目で比較!どちらが買いか

AIを搭載したスマートスピーカー「Google Home」と「Clova WAVE」が同時期に発売されました。2つにどのような違いがあるのか、1週間使い倒したガイドが徹底解説します。

太田 百合子

執筆者:太田 百合子

携帯電話・スマートフォンガイド

Google HomeとClova WAVEはどちらが買いか?

Googleから「Google Home(以下、Home)」、LINEから「Clova WAVE(以下、WAVE)」という、AIを搭載した2つのスマートスピーカーが同時期に発売されました。それぞれの違いを10項目に分けて紹介します。
 
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LINE「Clova WAVE」(左)と、「Google Home」(右)


【目次】  

「サイズ&デザイン」を比較!

ココが注目ポイント!
  • Google Home:曲線的なデザインで部屋に馴染むが、ケーブル接続
  • Clova WAVE:直線的なデザインでサイズもあるが、ケーブルレス

いずれのスマートスピーカーも円柱型ですが、WAVEが台形に近い直線的なデザインなのに対し、Homeは壺や花瓶を思わせるような曲線的なデザインになっています。色はWAVEが黒とシルバーなのに対し、Homeは白とグレー。さらにHomeは別売の「ベース」(3000円~4500円)で着せ替えもできます。サイズもコンパクトなので、リビングにより違和感なく馴染むのはHomeでしょう。

ただし、WAVEはバッテリーで駆動するのがポイント。Homeにはバッテリーが搭載されておらず、常にケーブルをつないでおく必要があります。ケーブルレスで使いたいなら、WAVE一択です。
 
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部屋に馴染みやすいデザインのHomeだが、ケーブル接続が必要

 

「呼びかけやすさ」を比較!

ココが注目ポイント!
  • Google Home:「OK Google」または「ねぇGoogle」で起動
  • Clova WAVE:「Clova」で起動、ランプが点くので起動確認が容易

WAVEは「Clova(クローバ)」、Homeは「OK Google」または「ねぇGoogle」と呼びかけることで起動します。「Clova」は1語ですが、「OK Google」も「ねぇGoogle」も2語。よって、「Clova」の方が呼びかけやすいです。

また、WAVEは話しかけると「ブォン」と音が鳴って緑のランプが点りますが、Homeは初期設定時は上部に4色のランプが付くだけで、離れた場所からではちゃんと起動したのかどうかわかりにくいです。ただし、スマホの「Google Home」アプリで、デバイスの設定にある「ユーザー補助」のサウンドをオンにすると話しかけた後、「ポン」と音が鳴るようになります。
 
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緑色のランプで起動したことがわかるWAVE

 

「音声認識」を比較!

ココが注目ポイント!
  • Google Home:かなりの確率でしっかり聞き取ってくれる
  • Clova WAVE:呼びかけに反応しないこともある……が、リアクション豊富

音声認識率の高さは、今のところHomeが優勢。Androidスマートフォンのホームボタン長押しすると起動する「Googleアシスタント」と同様に、かなりの確率でしっかり聞き取ってくれます。

WAVEは音声認識率以前の問題として、呼びかけても反応してくれないことがあります。特に音楽を再生中に話しかける場合などは、声を張る必要がありますが、Homeは普通の声でも聞き取ってくれます。一方でWAVEは音声を聞き取れなかったときの返しのパターンが豊富です。Homeは「すみません、お役に立てそうもありません」と繰り返すだけですが、WAVEはいろいろな切り返しをしてくる印象です。
 

「ユーモア」を比較!

ココが注目ポイント!
  • Google Home:「結婚して」→ビックリして関西弁で返答というお茶目な面も
  • Clova WAVE:「結婚して」→「本番もその調子です」と気の利いたひと言

「結婚して」と話しかけたときの反応は、Homeが「そんなこと言われたら惚れてまうやろう。ビックリして思わず関西弁が出てしまいました」、WAVEが「プロポーズの練習はばっちりですね。本番もその調子です」というものでした。実際にはいくつかのパターンがあるようです。同様に「恋人になって」や、「愛している」「大好き」などの言葉には、いろいろなパターンで反応してくれます。

参考までに他のAIアシスタントについても聞いてみました。WAVEはちょっとわからなかったようですが、HomeはAmazonのAlexaについて「Alexaですか? 一度会ってみたいです。お天気の話とかで盛り上がりそうです」、AppleのSiriについては「Siriはアップルの有名なアシスタントです。すばらしいユーモアの持ち主ですよ」と返してくれました。
 

「ニュース/天気情報」を比較!

ココが注目ポイント!
  • Google Home:ニュースはラジオニュース、天気情報はフレキシブル
  • Clova WAVE:LINE NEWSからヘッドラインを読み上げ、天気情報は機械的?

朝「おはよう」と話しかけると、Homeは天気やスケジュールを教えてくれて、ニュースを流してくれます。このときに話すスケジュールはGoogleカレンダーに基づくもので、複数の人でHomeを共有している場合は、声を認識してその人のスケジュールを話します。ただし、声のトーンなどが似ていると間違うこともあります。

WAVEは「おはようございます。よく眠れましたか?」というように返事をし、こちらの次の言葉を待つ連続会話モードになります。

最新のニュースについて訪ねると、HomeはNHKのラジオニュースに切り替わり、その後も次々といろいろなラジオニュースを流します。WAVEはLINEニュースからヘッドラインを読み上げてくれて、どんなニュースがあるかの概要だけが聞ける仕組み。ニュースについては、WAVEの方がコンパクトに情報を知ることができて便利です。

天気予報は、どちらも現在地の情報にあわせて教えてくれます。WAVEは天気を尋ねても「傘いる?」と尋ねても、同じように天気を読み上げますが、Homeは「傘いる?」と尋ねたときには、「雨ではありません」などと異なる答えを返してくれます。
 

「音楽再生/サウンド」を比較!

ココが注目ポイント!
  • Google Home:「Google Play Music」など対応、3ヶ月無料トライアル付属
  • Clova WAVE:「LINE MUSIC」に対応、12ヵ月聴き放題のプランがセット

Homeは「Google Play Music」のほか「Spotify」にも対応。また2017年11月下旬以降はauの「うたパス」にも対応予定で、これらの音楽配信サービスからテーマやアーティストを指定して音楽を再生できます。なお、購入時に「Google Play Music」の3ヶ月無料トライアルが付属しています。

WAVEでは「LINE MUSIC」からテーマやアーティストを指定して音楽再生が可能。8月にリリースされた先行体験版には「LINE MUSIC」の6ヶ月無料チケットが付属していましたが、正式版ではさらに12ヵ月聴き放題のプランがセットになっています。

音質についてはどちらも申し分なく、広がりのある良い音が鳴ります。特にHomeはサイズの割になかなか迫力ある音が鳴るという印象を受けました。それなりに大きな音で音楽が鳴っていても「OK Google」と話しかけるとちゃんと聞き取ります。WAVEは「音声認識」のところでも紹介したように、大きな音で音楽が鳴っていると話しかけても聞き取れないことが多く、声を張る必要があります。マイクの性能の問題かもしれませんが、この点はぜひ改善していただきたいです。
 

「家電連携」を比較!

ココが注目ポイント!
  • Google Home:IoT機器と連携、HueやChromecastが音声操作可能
  • Clova WAVE:赤外線リモコンの機能を搭載、対応機器を音声操作可能

HomeはIoT機器と連携していて、フィリップスの「Hue」という照明機具を音声でコントロールできます。またこのほかテレビにつないで、映像配信サービスなどが楽しめる「Chromecast(クロームキャスト)」とも連携。「Netflixで○○を再生して」というように、音声で見たいコンテンツの指定や、再生、早送りなどの操作ができます。

WAVEには赤外線リモコンの機能が搭載されており、赤外線リモコンで操作可能なテレビを音声コントロールできます。事前にアプリでメーカーを指定して、セットアップすると、電源のオン、オフやチャンネル変更が音声で可能になりますが、チャンネル操作はうまくいかないこともあります。
 

「できること全般」を比較!

ココが注目ポイント!
  • Google Home:わからないことを何でも教えてくれる!
  • Clova WAVE:連続した会話ができ、LINEが使える

Homeはわからないことを何でも教えてくれます。「○○って何?」「○○って誰?」などと質問すると、Wikipediaなどの情報から概要を教えてくれますし、「ここから○○まで」と聞くと、目的地までの乗り換え回数や所要時間などを教えてくれます。簡単な計算もできますし、為替レートや単位変換、「○○を英語で」といった簡単な翻訳も可能。音声で操作できるちょっとした辞書を手に入れた感じで、子供の勉強にも役に立ちそうです。

また、6人までの声を聞き分けて、それぞれのGoogleカレンダーからスケジュールを読み上げたり、ショッピングリストを作成したりすることも可能。ただし、声を聞き間違えることもあります。このほか、タイマーやアラームのセットもできます。

WAVEはHomeのようにいろいろな質問には答えてくれませんが、「ニュース/天気」でも紹介したように、命令して終わりではなく、連続した会話ができます。ちゃんと聞き取ってくれず噛み合わないことも多いですが、暇つぶしにはもってこいかもしれません。

さらに、最大の特徴としてLINEが使えます。といっても自分のアカウントがそのままではなく、WAVEに対して1つの家族アカウントが作成され、そこに名前を登録した相手からメッセージが届くと、スピーカーが紫に光って教えてくれます。
 
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WAVEはLINEを使えるのが最大の特徴


「LINE読んで」と話しかけると読み上げてくれる仕組みで、こちらからメッセージを送信したいときは「○○にLINE送って」と話しかけた後に、送りたい内容を話すと確認の上、送信することができます。スタンプが使えない、やり取りする相手の名前が自由に設定できない(リストから選ぶ方式)など不満はありますが、家族のコミュニケーションには活用できそうです。
 

「将来性」を比較!

■ココが注目ポイント!
  • Google Home:IoT機器やスマートホーム、サービスと連携予定
  • Clova WAVE:パートナーと連携してサービス拡充予定、LINEの公式アカウントと連携も

Homeは今後様々なIoT機器やスマートホーム、サービスと連携予定。音声で家電をコントロールしたり、インターネットのサービスを利用できるようになります。たとえば「OK Google、食べログと話したい」といったようにサービスを呼び出し、そのサービスについても音声でいろいろな操作ができるようになるというわけです。スマートフォンのアプリのように、今後様々な機器やサービスが追加される予定。

スマートホームでは、フィリップスのHueに加えて、au HOME、Roomba、インテリジェントホーム、ダイワハウス。サービスではAmeba、SUUMO、絶対音感オーケストラ、日本史語呂合わせ、食べログ、トクバイ、なみある、ベストティーチャー、ホットペッパーグルメ、Yahoo! Map、楽天レシピが発表済みです。

LINEもWAVEについて、今後様々なパートナーと連携してサービスを拡充していく計画で、この事業の責任者である舛田淳さんによれば、「今テキストでやり取りしているLINEトークを音声に変換して、つなぎこむことは当然考えている」とのこと。

LINEトークで利用可能な公式アカウントでは、多くの企業から様々なサービスが提供されているので、もしこれが音声で利用できるとなれば、一気に化ける可能性もありそうです。またLINEではWAVEだけでなく、LINEのキャラクターを模したスピーカーなど、様々なデバイス展開も計画中とのことで、こちらも楽しみです。
 

結論:優等生の「Google Home」と憎めない「Clova WAVE」

ご紹介してきたように、全体としてはアメリカで先行販売されてきたHomeの方が、現時点でできることも多く優秀なのですが、WAVEも聞き取れないなりにいろいろな返しをしてくるので、どうにも憎めない感じです。Amazonも年内にはAI搭載のスマートスピーカー「Amazon Echo」を日本で発売するとのこと。また今後は様々なメーカーから同様のスピーカーの発売が予定されていますので、さらに盛り上がってきそうです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※機種やOSのバージョンによって画面表示、操作方法が異なる可能性があります。

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