Q:現代の住まいにおいて「土間」の役割やメリットは?
昔の民家に土間は欠かせないものだった
A:自由な空間、「間」をつくり出すことができます。
「土間」とは、民家の屋内において地面(土)のままの空間を指していました。よく玄関と混合されますが、玄関は住宅の出入り口を指します。昔の民家では、床を張らずに土足のまま調理や農作業ができる場として、土間は欠かせないものでした。しかし現代は生活スタイルの変化と共に、土間はその姿を徐々に消していきました。現代の住まいは確かに機能的ではありますが、どことなく空間に窮屈感もあり広がりを感じられません。
現代の住まいでは「土間」はどのように機能する?
土間を現代風に活用することで新しい暮らし方の発見につながるかもしれませんね。ただ、さすがに地面(土)のままというわけにはいきませんので、石、タイルまたはコンクリ―トなどで仕上げます。冬は熱をうばいますので暖房計画をしっかりしておくことが大切です。
土間が広げる自由な暮らし
・玄関とキッチンをつなぐ
・小さな土間で多様な使い方を
・土間は内にも外にも
おまけ…「叩き上げ」の言葉は土間から?
土間はタタキとも呼びますが建築用語に三和土と書いてタタキと呼ぶ、なんとも読めない用語があります。かつて玄関のタタキとか台所のタタキと呼んでいましたね。これは赤土と石灰、苦塩(にがり)の三つを混ぜて木の叩き棒で地面をたたいて締め固めたことからタタキ呼ばれていたのです。三和土(タタキ)は中途半端な叩き方ではよいものはできません。よく叩き締めてつくられた土間は非常に硬くて信頼性もあります。また調湿性に優れ、土の色合いに変化があると住んでいる人はその変化を読み取り、事前に降雨などの天候の変化もわかったようです。
職人や現場のはえ抜き、さらには官僚の世界でも時にあの人は叩き上げで出世した人だといわれる事があります。これは建築の土間の仕上げからきた言葉が使われているのです。近年は叩き上げの職人が減ってきました。ぜひ叩き上げの職人と出会って良い住まいをつくって下さい。