2017年秋の新商品を眺めて一句「缶コーヒー 探して暮れる 秋の夕」
この秋発売の缶コーヒーから
ここ最近は自動販売機限定商品も多くなりましたので、それらの特徴も説明しながら新製品を紹介していきたいと思います。
キリンファイア(キリンビバレッジ)
ファイア(キリンビバレッジ)
- 昨年の特徴であった『焦がし焼き豆ブレンド』から原点の『直火仕上げ』に回帰。昨年、100万本サンプリングを行った『エクストリームブレンド』は何処へ。
- ファイアの缶の特徴だった『火』をイメージしたエンボス缶が消え、ダイヤカット缶を全面採用。
- CMキャラクターが石田ゆり子さんに。初代CMキャラクター木村拓哉さんに代表される『男らしさ』を前面に出すイメージから、ジョージアの飯島直子さんのような『癒し』をアピールする方向に。
ファイア まろやかカフェラテ(キリンビバレッジ)
ジョージア(コカ・コーラ)
ジョージア(コカ・コーラ)
『エスプレッソギフト』はエスプレッソに北海道産生クリームとミルクを合わせた品、『ザ・プレミアム スペシャルエディション』はブラジル産最高等級豆、厳選牛乳を当社従来比1.5倍使用、『ロースターズコーヒー』は焙煎士厳選のブラジル豆を短時間熱風で均一深煎りし、4段式粉砕機による丁寧な粗挽きを行ったという、それぞれ原材料や手間をかけた商品となっています。
なお、ジョージアは『エスプレッソギフト』『ロースターズコーヒー』の2品が自動販売機限定商品となっています。
ジョージアヨーロピアン ヴィンテージブレンド(コカ・コーラ)
ボス(サントリー)
ボス(サントリー)
『プレミアムボス 超深煎りプレミアム』は超深煎りを微粉砕したコーヒー豆を使用、『プライドオブボス』は提携農園であるブラジルBAU農園こだわりの豆と独自技術により抽出した超深煎りコーヒーオイルを使用、『黄昏の微糖』は、深煎り100%のコーヒー豆に良質なミルクを合わせたものと、どの品もプレミアム感が高い品となっています。
『プレミアムボス 超深煎りプレミアム』と『プライドオブボス』は人工甘味料不使用です。甘さもミルク缶も欲しいヘビーユーザー向けの商品です。
ダイドーブレンド 新オトナブレンド / デミタスプレミアム(ダイドードリンコ)
ダイドーブレンド 新オトナブレンド(ダイドードリンコ)
他社製品が深煎り豆を使用しているのに対し、浅煎り・中煎り豆のブレンドでマイルドなコクを引き出しています。人工甘味料不使用です。
ダイドーブレンド デミタスプレミアム(ダイドードリンコ)
従来品よりも深く焙煎したプレミアム豆を中心に、通常の1.5倍の豆量をブレンドしています。一般的な微糖コーヒーが人工甘味料を使用しているのに対し、この品は人工甘味料不使用というのが大きな特徴です。
BEANS & ROASTERS クレームブリュレラテ(UCC上島珈琲)
BEANS & ROASTERS クレームブリュレラテ(UCC上島珈琲)
パッケージは初回数量限定でマガジンハウスの女性誌『Hanako』とのコラボパッケージになっています。
アロマックス バリアラビカ微糖(ポッカサッポロ)
アロマックス バリアラビカ微糖(ポッカサッポロ)とパラダイスマウンテン(サッポロビール)
南国をイメージしたパッケージで思い出したのが、かつてポッカとの合併前にサッポロが出していた『パラダイスマウンテンコーヒー』です。インドネシアの隣国、パプアニューギニア産の豆を使用していた品でした。
自販機限定品は『利益と品質』で、双方にメリットも
以上、2017年秋の缶コーヒー新製品を紹介いたしました。どのメーカーも自動販売機限定商品に力を入れているのがわかります。原材料や製法ににこだわりの強い品ばかりです。どうして自動販売機限定商品が多くなったのでしょうか。それは売る側が求める利益と、飲む側が求める品質、その双方を満たす品を販売できるからだと思います。
流通側に価格決定権があり、どんなに高品質な商品を製造しても価格でしか勝負ができないスーパーマーケットや量販店と異なり、自動販売機での販売は、販売価格にメーカーの意向を反映させることができます。コカ・コーラは自社で自販機を運用しておりますし、その他のメーカーのロゴ入り自販機はメーカーの所有物を販社に貸しているからです。
適正価格で販売できれば、メーカーは利益が確保できますし、原材料にある程度の費用をかけられるため、消費者に対し高品質の商品を提供することが可能になり、結果的にメーカー・消費者共にメリットがあるのではないでしょうか。
今でも廉売品が多く『缶コーヒー的な飲み物』も見かける缶コーヒーですが、高品質な自販機限定商品の普及で、二極分化がより進むのではないかと思います。
<あわせて読みたい関連記事>
振っていい?振っちゃだめ?缶コーヒー178本大調査!