FA(ファクトリーオートメーション)関連の主力7銘柄
IoT(モノのインターネット)の進展や人手不足が慢性化する中にあって、ファクトリー・オートメーション(FA)に関連する企業に注目が集まっています。FAとは製造工程の機械化や自動化のことです。具体的には工場での一連の作業工程を、ロボットやセンサー、情報システムなどを使って自動化する流れを指します。人手をかけずに、できるだけ自動的にモノを作ろうということですね。6日まで開催されているIoTやAI関連の展示会「CEATEC(シーテック)」でも、IoT関連は話題を集めていました。
FA・ファクトリーオートメーションの関連銘柄
人手不足、工場自動化、IoTなどで需要増加
日本では高度成長期後半の1970年代から徐々にFA化の流れが進んでいます。今ではセンサーやロボットの性能が上がり、FAもIoT化の流れになっています。この分野で、世界シェアが高いのが日本企業なのです。日本の高い技術が評価され、業績が好調なところも多数あります。株価も右肩上がりです。日経平均が2015年以来の高値ニュースになっていますが、FA関連が多く所属する「機械セクター」は、なんと1989年以来の高値水準にあります。日経平均が史上最高値3万8915円をつけたレベルにあるんです。
上昇トレンドの銘柄が多数
そこで今回は、日本で代表的なFA関連銘柄を取り上げてみました。
ファナック <6954>
工作機械用のNC(数値制御)装置で世界首位です。NCとは工作機械などに数値データを与えて、コンピュータで動きを制御する方式のことです。人間が操作するよりも精密かつ安定的に動かすことができます。同社では製造ラインの自動化に必要な産業用ロボットや、自動で加工などを行なうマシニングセンターでも強みがあります。人が近づくと動きをゆっくりにしたり、止めたりするAI機能の付いたロボットも開発しています。
安川電機 <6506>
産業用ロボットの大手です。半導体や電子部品関連業界の活況を受けて、同社が得意とするFA分野で、モーション(動きの)制御や産業用ロボットの需要が拡大しています。18年2月期業績を上方修正しています。生産能力を淳二拡大する方針のようです。
ナブテスコ <6268>
産業ロボット用精密減速機で世界シェアトップです。減速機は多関節ロボットの腕を動かすモーターを制御し、円滑に稼動させるための基幹部品です。年初に年間64万台だった生産体制を年末にかけて70万台、来年の半ばあたりには同84万台体制を整えるとの計画があります。同社の持ち分法会社に精密制御減速装置のハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> がありますが、こちらも産業用ロボット向けなどに業績好調です。
日本電産 <6594>
産業用のモーターを幅広く展開しています。自社工場のスマートファクトリー化を急ピッチで進めています。自社開発の部品などを活用して組立検査のモジュール(標準)化などを自動ラインにしたり、産業用ロボットを活用。自社工場で導入した後は、IoTやAIを駆使した究極のFAシステムの外販を目指しています。
ダイフク <6383>
FAに欠かせないのが保管やモノの搬送です。これをマテハン(マテリアルハンドリング)といい、物品輸送の積み込み・積み下ろし、倉庫への入出庫などのこと。同社は物流システム・マテハン機器の世界トップメーカー。グループで世界22の国・地域に生産販売拠点を設け、海外売上高比率が66%に達しています。日本だけでなく、海外のマテハンにも貢献しているのです。
キーエンス <6861>
FAセンサーなど、検出・計測制御機器の大手です。工場ではIoT化の流れで高い性能を有するセンサーの活躍場面が広がっています。海外でも需要が増加しています。FA機器は海外でも拡大しており、同社の海外売上高比率は現在55%と半数を超えていますが、5年間で16ポイントの増加となっています。
SMC <6273>
工場の自動化ラインなどに使われる空圧制御機器の世界トップメーカーです。世界シェアは3割で、国内では6割に達しています。幅広い業種に顧客がおり、同社製品の信頼性の高さが伺われます。主力は半導体製造装置スマホ向けですが、自動車や工作機械向けも引き合いが活発です。