衝撃デビューを果たしたiPhone X
日本時間で2017年9月13日深夜、Appleから新しいiPhoneの発表があり、大いに盛り上がった。しかも今回iPhoneの発表としては異例ずくめだった。昨年iPhone 7/7 Plusが発売されたのに、今年はiPhone 8/8 Plusが発売されることになったのだ。しかも、iPhone X(テン)もお目見えする。同時に、iPhone 7/6s/SEが値下げされた。
今回は、今年買うべきiPhoneモデルを細かくチェックしてみよう。
日本時間で9月13日午前2時から、新しいiPhoneの発表があった
まずは強烈なインパクトを繰り出した「iPhone X」。X(テン)というナンバリングは、次の10年間を見据えているためという。初代iPhoneから10周年を迎えた年のモデル、ということもあるだろうか。また、「9」を飛び越えて10を出したというのは、Windows 10で聞いた話。現在最高の端末というアピールに加え、今後MacBookのようにナンバリングをなくす準備段階のような気もする。
そんな気鋭のモデルだけあり、いろいろとすごい。まず、画面サイズは5.8インチとなった。iPhone 8 Plusは5.5インチなのでそれより大きいのだが、驚くべきことに端末サイズは小さい。iPhone 8 Plusが158.4×78.1×7.5mm、202gなのに比べ、iPhone Xは143.6×70.9×7.7mm、174gとなっている。iPhone 8のサイズが138.4×67.3×7.3mm、148gなので、とXは8と8 Plusのちょうど中間くらいだ。
Xはベゼルを極限まで薄くし、ほぼ全画面ディスプレイを実現。角は丸みを帯びたデザインになっている。ディスプレイは有機ELを採用した「Super Retina Display」で、解像度は2436×1125ドット。
iPhone Xのディスプレイは4片とも狭額縁で、サイズは5.8インチ
さらに全画面ディスプレイを採用するために、なんとホームボタンを廃止。画面下から上にスライドすることでホームボタンの動作を実現している。ライターとして気になる画面キャプチャ撮影は、電源ボタンと音量UPの同時押しになるようだ。Touch IDもできないので、代わりにFace IDを採用。カメラで利用者の顔を検知し、認証する仕組みだ。
例によってプロセッサも進化し、カメラもパワーアップ。解像度は1200万画素と変わらないが、なんとメインカメラは2基搭載。このデュアルカメラは光学手ぶれ補正や光学ズームを搭載している。動画も4K 60fps撮影が可能になった。
iPhoneユーザーが待ち望んでいた、Qiによるワイヤレス充電にも対応した。ケーブルを挿さずに、Qi対応のパッドに乗せるだけで充電できるようになる。
iPhone 7と同様の防水防塵性能IP67を搭載
デュアルカメラでぼけた写真も撮れる
生体認証機能として、Face IDを搭載
ワイヤレス充電が可能になった
iPhone 8/8 Plusは順当なパワーアップ
一方、iPhone 8/8 Plusは、7/7 Plusの順当なバージョンアップという感じ。ディスプレイサイズ、解像度、カメラの画素数などは変わらず。とはいえ、iPad Proに搭載されたホワイトバランスを自動調節できるTrue Toneに対応し、カメラはシャッタースピードを遅くするスローシンクロに対応するなど、パワーアップされてはいる。もちろんプロセッサもがっつり強化されている。うれしいのは、Qiによるワイヤレス充電にこちらも対応している点。これはiPhoneの利用スタイルを格段に便利にしてくれるだろう。それ以外には、そこまで大きな変化はなく、ナンバリングは、iPhone 7s/7s Plusでもよかったような気もする。
カラーはゴールド、シルバー、スペースグレイから選べる
プロセッサはA11 Bionic
iPhone 8/8Plusもワイヤレス充電に対応している
気になる価格は10万円前後とお高め
価格は、iPhone 8の64GBモデルが7万8800円、256GBモデルが8万9800円、iPhone 8Plusの64GBモデルが8万9800円、256GBモデルが10万6800円。iPhone Xは64GBモデルが11万2800円、256GBモデルが12万9800円となる。すべて税抜で、10万円前後になるのは予想されていたとはいえ、なかなかなのお値段だ。同時に、旧モデルが値下がりした。iPhone SEは5000円、iPhone 7/7 Plus/6sは1万1000円引きとなる。新品でこの金額はインパクトのある値引きとなる。
ソフトバンクは「半額サポート for iPhone」を発表。48ヵ月分割で購入したiPhone 8/8 Plus/Xを25ヶ月以降に機種変すると残債が免除されるというもの。とはいえ、端末は回収されるので、手元に残らないのはネック。auも同様に、端末回収が必要で25ヶ月以降の残債をなくする「アップグレードプログラムEX」を発表。しかし、こちらは390円/月のプログラム料金が発生する。なお、ドコモはまだ類似のサービスは発表していない(2017年9月15日時点)。
発売日は、iPhone 8/8 Plusが9月22日、iPhone Xが11月3日となる。予約はiPhone 8/8 Plusが9月15日からスタートしており、iPhone Xは10月27日からスタートする。
従来モデルは値下げ。新価格はiPhone 8が699ドルから、iPhone Xが999ドルから
新しいiPhone、何を買うべきか、見(ケン)するか
いち早く最新端末をゲットしたいなら、iPhone 8/8 Plusとなるだろう。iPhone Xより1ヶ月早く発売されるだけでなく、Xは発売後もしばらくひどい品薄が続くことが予想されるからだ。もちろん、最新デバイス命、と言う人はiPhone Xを狙いに行くしかないだろう。新しいiPhoneは、ストレージの容量が64GBと256GBの2パターンしか用意されていない。写真や動画、音楽を保存するなら64GBではすぐに足りなくなるので、256GBモデルを選ぶことになるだろう。
現在、iPhone 7/7 Plusで満足しているなら、Qiのワイヤレス充電が欲しいかどうかがポイントになる。これはとても便利で、充電スタイルが激変するだろう。どうしてもというなら、買い換えると幸せになれるだろう。そうでもないなら、プロセッサ以外に大きな強化ポイントがないので今回は見でもいいかもしれない。
iPhone 6もしくは5系を使っていて買い換えを考えているなら、安くなったiPhone 6sや7/7 Plusを検討してはどうだろうか。1万1000円引きは悪くない。iPhone 5/5sのサイズがいい! というならiPhone SE一択となる。どちらもプロセッサとカメラが段違いに高性能になっているので、驚くこと請け合い。もちろん、iPhone 8/8 Plusには劣るがその分価格を安く済ませられる。
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