元彼への消えないモヤモヤ……
別れはいつも苦しいもの。交際を始めるには互いの同意が前提になりますが、交際の終了はどちらか一方の意思のみで成立してしまいます。どれほど別れたくなくても、相手の気持ちが離れてしまえば、恋人関係を維持することはできません。たとえ別れを受け入れたとしても、気持ちを整理するには時間がかかることもあるでしょう。
誰よりも近くにいた恋人が、ある日を境に他人より遠くなる──何度経験しても、失恋は慣れないもの。生活の中に浸透していた恋人の存在が居なくなった後、ぽっかり空いた時間と心を埋めることは、簡単ではありません。
不思議なことに、自分のほうから切り出して別れた場合でも、元彼のことを過去に昇華するのは簡単ではなかったりします。他に好きな人ができて、その人と次の交際をスタートしたとしても、すぐには心のスイッチを切り替えられないことも。自分でもわからない、そんな心のモヤモヤの正体について、解き明かします。
元彼へのモヤモヤの正体は「未練」「執着」
まず、心の奥にぼんやりとくすぶる感情には、2つの種類があります。1つは「未練」。あなたが振られた側であればなおのこと、やり直すことはできないか、いつまでも答えの出ない問いかけを自身にしてしまうでしょう。
もう1つは「執着」。彼との復縁は諦めている、または、そもそも復縁を望んでいないとしても、長く付き合った彼であれば特に「今ごろどうしているのかな」と気にしてしまったり、ひどい別れ方により恨みが生じてしまうことも。
「もう彼との関係は終わったのだから、気持ち新たにリセットしたい」、頭ではそう考えていても、心に棲みついている元彼の存在を消し去らない限り、モヤモヤは残ります。
気になる元彼への感情は執着か愛情か
失恋後に気をつけたいのは、この「執着」という感情のほう。元彼のことを心のどこかで意識している自分に対し、「まだ彼のことを好きなのでは」と勘違いしがちですが、執着と愛情は異なるベクトルの感情です。もしもあなたが元彼の名前をネットで検索してしまったり、元彼のSNSを覗いてしまったりしているとしたら、それは紛れもない「執着」です。
未練は、別れたことによって愛情が変化した感情。ふたりの関係が離れれば、時間とともに薄れていくものです。しかし、執着の場合、そのモヤモヤを抱えている限り、いつまでも「過去」にできません。
そんな執着の感情は、どうすれば手放すことができるのでしょうか。
未練と執着の見極めは「相手の幸せを喜べるか」
あなたの中にあるモヤモヤとした感情が、未練なのか執着なのか見極める、1つの判断材料があります。仮に、「元彼と新しい彼女が一緒にいるところにバッタリ遭遇する」場面を思い浮かべてみてください。もし新しい彼女を知っているならば具体的なふたりの姿を、知らなければ想像でイメージし、それを見てどう思うか、自身の感情と向き合ってみます。
心から「おめでとう」と祝福できるなら、元彼への執着はまったくないでしょう。多少面白くない気持ちになったとしても、「私も早く幸せになるぞ!」と前向きな感情が沸いてくるならば、心配はありません。
しかし、「どうして私じゃないの?」と悲しくなってしまったり、「彼ばかり幸せになるなんて」という気持ちが浮かんでしまうなら、そこに執着がある証拠。次のステップに進むために、手を打った方がいいかもしれません。
元彼への執着を断ち切るためにやるべき3つのこと
自分の中の、元彼への執着に気づいたら、すぐにできることが3つあります。■1:彼の情報や存在をシャットアウトする
まず、あなたがするべきことは、「元彼のことを考えてしまう時間をゼロにする」ことです。
そもそも幸せは誰かに与えられるものではありません。ましてや元彼が幸せかどうかなんて、そばにいないあなたには関係のないこと。たとえ元彼のSNSが楽しそうな投稿ばかりだとしても、今のあなたの幸せには関係ないのです。
SNS上の幸せな投稿が事実とは限らないことは、あなたも知っているはず。なのに見てしまうのは、元彼に執着し盲目になっている証拠。今すぐシャットアウトし、ブロックしてください。元彼に関する物が残っていたら、すぐに処分することです。
■2:自分を客観視して悲劇のヒロインをやめる
無意識にSNS上の彼をウォッチし、何かにつけて連絡を取ろうとしてしまうのは、もはやストーカー予備軍とも言える悪癖です。愚かな振る舞いをしていることを自覚しましょう。
あなたが「彼と付き合っていた頃より輝いている」ことが、元彼にあなたと別れたことを後悔させる一番の方法です。彼と復縁する可能性がないとしても、いつかどこかで再会しないとも限りません。
今も顔が見える環境にいるとしたらなおのこと、女のプライドを強く保つこと。いつまでも「失恋した、かわいそうな私」という悲劇のヒロインに酔わず、今の自分を客観視しましょう。
■3:今ある幸せを自覚し、丁寧に暮らす
執着心は、嫉妬が生み出す感情です。今の自分を「付き合っていた頃より不幸」だと思っているから、彼もあなたと別れたことを後悔し、相手も同じくらい不幸になっていてくれないと納得できないのです。相手の幸せへの嫉妬が、執着の正体です。
それらの感情を手放すには、毎日を丁寧に暮らすこと。日常には、さまざまなできごとが起こります。元彼に囚われる意識を排除し、優しくしてくれた友人や仕事の成果や小さな親切など、普段取りこぼしてしまいそうな些細なことにじっくり向き合い、ひとつひとつの「小さな幸せ」を受け止めるよう努めましょう。
過去より今、目の前のことに意識をクローズアップしていけば、おのずとモヤモヤは薄れていくもの。すでにあなたは幸せな日々を送っています。それを見逃さないようにすることが、最小で最大の解決法なのです。
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