犬は枝豆を食べることができる？
枝豆は犬が食べられる食材です
＜INDEX＞
1. 枝豆は犬に食べさせても大丈夫！ただし、加熱してから与える
2. 枝豆は体力の維持やダイエットのサポートに取り入れたい食材
3. 大豆製品で犬が胃捻転、鼓腸症を起こすことは考えにくい
4. 犬の間食として取り入れる場合、1日に与えていい量の目安
5. 冷凍枝豆は犬にもOK！枝豆を使った加工品は犬には与えない方が安心
枝豆は犬に食べさせても大丈夫！ただし、加熱してから与える
枝豆は必ず加熱してから与えましょう
枝豆は、未成熟な状態の大豆を収穫したもので、植物性のタンパク質を豊富に含む食材です。枝豆には犬が食事から摂る必要のある必須アミノ酸（タンパク質を構成する成分）が全て含まれています。
タンパク質は筋肉、皮膚、骨など体のあらゆる部分を構成する重要な栄養素です。健康な犬の食事ではタンパク質が一番多く含まれていることが理想的なので、犬のごはんの中心となる栄養素でもあります。
タンパク質の種類には、枝豆を含む豆類に含まれる植物性タンパク質、肉・魚・卵などに含まれる動物性タンパク質があり、犬が消化吸収を得意とするのは動物性タンパク質です。
植物性タンパク質が全く消化吸収されないわけではありませんが、手作り犬ごはんのタンパク源としては動物性タンパク質をメインにすることがおすすめです。
また、枝豆をはじめとする生の大豆製品は、タンパク質、鉄、亜鉛、カルシウムなどの吸収を阻害する成分が含まれていますが、加熱によってその影響を抑えることができます。
これらの成分は、生命に即影響するレベルではないと思われますが、枝豆を生で与えることは消化の点でも心配があるので、塩を使わずに茹でて、さやから取り出して与えてください。
枝豆の薄皮も与えて問題ありませんが、よく加熱しても固さが残るので、下痢をしやすい犬や、消化力の落ちている犬には取り除いた方が安心です。
枝豆は体力の維持やダイエットのサポートに取り入れたい食材
枝豆を食べると犬の健康にいい点は？
１：運動前に食べて体力維持に
枝豆に豊富に含まれるアスパラギン酸を運動前に摂取することで、運動中の疲労の進行を遅らせることがわかっています。食べた直後の犬に激しい運動をさせることはおすすめできませんが、ドッグランに遊びに行く日やトレーニングのある日の朝ごはん、シニア犬の散歩前のごはんやおやつに枝豆を取り入れてみるのもいいでしょう。
２：ダイエットのサポートやイライラを予防
枝豆に含まれるピニトールという成分には、血糖値の上昇を抑えることが認められています。
血糖値が急激にあがる食材を食べると、インスリンというホルモンが大量に分泌されます。インスリンには、使いきれなかった糖質を脂肪に変えて蓄える働きがあるので、結果的に太りやすくなってしまいます。
じゃがいも、白米、小麦製品は血糖値を急激にあげる食材なので、太りやすい犬や肥満気味の犬は、枝豆と一緒に食べても良いでしょう。
血糖値の急激な変化を抑えることによって、空腹によるイライラの予防も期待できます。
大豆製品で犬が胃捻転、鼓腸症を起こすことは考えにくい
枝豆と犬の病気、薬との相性は？
どのような食材でも、良い面と良くない面を持ち合わせています。枝豆を避けた方がいい犬はいるのか、枝豆と相性の悪い薬はあるのか、飼い主としては気になるところ。犬の食生活・健康管理の講座も開催している獣医師の丸田香緒里先生（Animal Life Partner代表）にお伺いしました。
「犬が大豆製品を食べることによって、胃がガスや食べ物で拡張した時に起こる胃拡張胃捻転症候群や、腸にガスがたまる鼓腸症になるという記事をインターネットなどで見かけることが多くあります。
牛などの草食動物は、豆類を食べることによって胃の中の微生物が異常発酵を起こし鼓腸症を起こしますが、犬の胃には胃酸があるため、微生物は存在せず発酵は起こりません。
ただ、大豆製品を食べさせることに関して、注意してほしいこともあります。大豆製品に含まれるグリシニンという成分によって、鉄の吸収が阻害されるといわれています。貧血の犬や、すでに貧血があって鉄を含む薬を飲んでいる場合、症状や薬の働きに良くない影響が出ることがあるので、大豆製品のひとつである枝豆を与えることは避けておきましょう。
大豆、えんどう豆に食物アレルギーを持っている場合、枝豆を食べることでアレルギー症状が出る可能性が高いのでおすすめできません。」
犬の間食として取り入れる場合、1日に与えていい量の目安
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上記の表を参考にして、与えすぎないように注意してください。食物アレルギーはどのような食材でも反応する可能性があります。初めての食材を与える時は必ず少量ずつ与え、体調に変化がないか様子を見てくださいね。
冷凍枝豆は犬にもOK！枝豆を使った加工品は犬には与えない方が安心
人間用に加工されたものは、原材料をよく確認して判断しましょう
枝豆を使った食品の中には、犬に与えても大丈夫なもの、できれば避けておいた方がいいものがあります。
・冷凍枝豆
冷凍枝豆も犬に与えることができますが、塩分が使われている商品がほとんどです。
人間の舌で強い塩味を感じるほどではありませんが、時間に余裕があれば解凍した冷凍枝豆をさやから取り出して水に1~2時間ほどひたし、軽く塩気を抜いてから与える方がおすすめです。
・枝豆豆腐
一般的なスーパーで売られている枝豆豆腐のほとんどは、食塩、着色料、香料などが含まれています。犬にとって危険な食べ物とは言えませんが、健康面を考えると日常的に食べることをおすすめできるものではありません。
・ずんだもち
ずんだもちは、枝豆を茹でてつぶし、砂糖や塩を混ぜたあんをお餅にかけた宮城県を中心とした、東北の郷土料理です。
一般的な作り方であれば、犬の健康に害が出る材料は含まれていません。ですが、ずんだあんは人間の味覚に合わせて味付けをしているので、習慣として与えてしまうと砂糖の摂り過ぎで肥満になる可能性は高くなります。
お餅や白玉の成分も犬の健康には問題ありませんが、犬は本来丸呑みして食べる習性があるので、のどに詰まらせると呼吸困難になる危険もあります。ずんだもちは犬に与えない方が安心です。
犬に枝豆を与えると健康に期待できることと注意点 まとめ
- 枝豆は犬に与えても大丈夫だが、加熱したものを与える
- 疲労の進行を遅らせたり、ダイエットのサポートが期待できる
- 犬の胃捻転や鼓腸症との関係は考えにくい
- 貧血の犬や、鉄を含む薬を飲んでいる犬には与えない
- 大豆、えんどう豆に食物アレルギーがある犬は注意
【執筆協力】
丸田香緒里 獣医師
日本大学卒。動物病院勤務後、飼い主様にもっと近い存在になりたいと思い「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士など様々な資格を取得し、病院での診療や往診の他、セミナー講師やカウンセリング、企業との製品開発など活動は多岐にわたる。
ホームページ：http://animallifepartner.com/
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