貯蓄/貯蓄する基本の方法

お金が貯まる人は、節約効果を「一生分」で考える

出費を抑えるには、ムダなお金をなくす節約を考える必要があります。でも、何もかも節約していたら、ストレスが溜まります。お金が貯まる人は、節約効果を「一生分」で考えているのです。【2022年9月更新】

西山 美紀

執筆者:西山 美紀

貯蓄ガイド

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良い節約と悪い節約の違いとは?

「節約」と聞くと、あまり良いイメージがないのではないでしょうか。「好きなものも買わずにグッと我慢する」「チマチマと10円20円でも安く買う」「高いものは買わない、安くないと買わない」といった印象があるかもしれません。

実は、そういったマイナスイメージの「節約」は、悪い節約です。なぜなら、一生続けることができないからです。
効果的かどうかは、長~い目で考えてみよう。

効果的かどうかは、長~い目で考えよう

お金を上手に貯めて、自分の好きなことに使うためには、お金の出入りを一生分くらいの長~いスパンで考えることが重要。少々大げさに聞こえるかもしれませんが、キーワードは「一生分」なのです。
 

その20円の差、「一生分」でどのくらい?

ドラッグストアに行って、洗濯洗剤を買うとします。普段よく買う洗剤が268円で売られています。セールの時は248円くらい。「ちょっと高いな」と思って、節約のために買わない判断をする人もいるでしょう。「次のセールを待ってから買おう」と。

では、この節約は一生分でどれくらいになるでしょうか。洗濯の頻度にもよりますが、2カ月に1回くらいのペースで買っていたら、1年間で20円×6回=120円。仮に35~85歳までの50年間で考えたとしても、120円×50年=6000円。一生分で、6000円の節約にしかならないのです。

300回も節約をがんばって、6000円の差。労力の割には、あまり効果的とはいえませんよね。

それなら、「勢いで買ったけれど、自分にはイマイチで1回しか着なかった洋服」や「なんとなく買ったけれど、しっくりこなくてクローゼットにしまいこんでいる謎のグッズ(使用頻度の限られる調理器具や便利グッズ、マッサージ器など)」を1回買わないようにするだけで、6000円の節約はあっという間にできてしまうのです。

つまり、「たまにしか買わないもの」「金額が小さいもの」は、「一生分」で考えてみると、節約を何百回がんばったとしても効果が小さい「報われない節約」。

報われない節約を続けているとストレスが溜まっていき、ストレスが爆発して散財する原因になりますので、要注意です。
 

「報われる節約」を意識しよう

せっかくなら「報われる節約」をしたいもの。「一生分」で考えて、効果が高いことから始めましょう。ポイントは、「頻度(が高いもの)」と「金額(が大きいもの)」です。そう考えると「固定費」は大きな見直しどころです。

ある女性は、「忙しさのあまり、スマホ代にいくら払っているか何年もチェックしたことがない」と言っていました。調べてもらったら、なんと月に1万5000円もかかっていたのです。クレジットカード払いで支払い明細書を見ていないため、まったく気づかなかったそうです。

格安スマホにしたら月3000円どころか、最近は1000円程度に下げることも可能です。また、大手キャリアのまま使いたい場合は、格安プランやオンライン専用ブランド(ドコモからahamo、auからpovo、ソフトバンクからLINEMO)もあって、最近は便利にお安く使えるようになりました。

そのほか、大手キャリアの別ブランド(auならUQモバイル、ソフトバンクならワイモバイル)に切り替えれば、料金はぐっと安くなります。

もし、スマホ代を月1万円カットできたら、35歳から85歳まで使ったとすると、その差はいくらになるでしょうか。

・1万円×12カ月×50年間=600万円

600万円とは、なんと大きな節約でしょうか(スマホが普及したのはここ十数年ほどのことで、技術革新や時代の変化により30年後、40年後には今と同じようにスマホを使っているとは考えにくいですが、それは置いておき、単純に計算してみました)。

「一生分」で考えると、「頻度」と「金額」の2つをチェックすることが大事だとお分かりいただけたと思います。
 

やみくもに支出を下げるのは無意味

ただし、注意したいことは、やみくもに支出を削らないこと。ここでも「一生分」がキーワードになります。例えば「勉強しようと思ったけど、お金がかかるからやめた」というようなことはもったいないですよね。

その勉強によって仕事のモチベーションが上がったり、仕事の成果につながったり、ゆくゆくは転職に有利になったり、収入が上がったりするかもしれないからです。

必要な出費まで削ってしまうことで、「将来得られるはずだった満足感や収入」を大きく失うことのないよう、十分注意しましょう。

以上、節約を考えた際に、お金を上手に貯めている人のキーワードは、「一生分」だということをお伝えしました。

まずは、自分の出費のうち「頻度が高いもの(定期的に支払っているもの)」「金額が大きいもの」をチェックして、「無理なく下げられないか」という視点で、ぜひ一度考えてみてください。

そして、それを減らしたことで、将来得られるはずの満足感や収入が削られないかにも注意。長い目で考えながら、自分のお金と気持ちのバランスをうまくとっていきたいですね。

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