立会外分売とは?
立会外分売(たちあいがいぶんばい)とは、企業や大株主が売買立会時間外(取引所の取引時間外)で、多くの投資家に保有している株式を売却することです。どうしてそのような形で売却をするのかといえば、企業や大株主にとって大きく分けて下記の3つのメリットがあるためです。まず1つは取引時間中に売却するわけではないために、株価に影響を与えずに大量の株式の売却を行えることです。2つめは株式を放出することによって流動性が向上すること。3つめは株主数の増加です。流動性の向上と株主数の増加は1部市場や2部市場への昇格のための要件でもあります。
立会外分売に申し込むためには?
投資家側のメリットとしては、分売価格は通常、分売が行われる前日の終値よりも数%ディスカウントされた価格となるため、通常に市場で購入するよりも割安に株を手に入れられることがあります。また、立会外分売で購入する株式には、株式の購入手数料がかかりません。さらに言えば、立会外分売を行う銘柄は将来、東証1部や2部などへの昇格を目指していることが多く、分売後に昇格が実施されるケースがあり、その場合は株価が上昇する可能性が高まります。
立会外分売は証券会社経由で申し込むことが出来ます。立会分売の申し込み時間は前日の18時頃から分売当日の朝8時頃までですが、予定がある場合は証券会社のHPなどで告知されます。
立会外分売のデメリット
このように魅力的な立ち会い外分売ですが、投資家側にとってデメリットもあります。まず、立会外分売は常時行われているわけではありませんので、申し込みのタイミングは限られます。また、お得に購入できるだけに人気も高く、通常は申し込んでも必ず買えるとは限らず、抽選になるケースが多いです。当然ながら抽選に外れれば購入することは出来ません。さらに言えば、申し込みには上限の株数が設定されているため、大量に購入することは難しいです(これは売却する大株主や企業側としては株主数を増やしたい意向があります)。
さらに言えば、昇格などを目的とせずに単純に株式の売却だけを目的として実施されるケースもあり、そのような場合は立会外分売後に株価が下落するケースもあります。したがって、申し込みを行う前に、企業のファンダメンタルは必ず確認しておく必要があります。
複数口座からの申し込みがお得
立会会分売を上手に利用するテクニックとしては、複数の証券会社の口座から申し込むことや、家族に協力してもらい、家族の口座からも申し込むことなどがあります。立会外分売は証券取引所がとりまとめ、各証券会社の申込株数に応じて株数の割り当てが行われます。つまり、多くの証券会社から申し込めば、それだけ購入出来る確率が高まりますし、もちろん家族で協力すれば、その分確率も上がります。
もう1つのテクニックとしては昇格狙いの優良ファンダメンタル銘柄を探すキッカケにすることです。立会外分売を行う企業は前述のように東証1部や2部への昇格を目指している銘柄も多く、そのような銘柄の中にはファンダメンタルが優良な企業も多数あります。立会外分売を行う企業数は限られていますので、立会外分売を行う企業をチェックしていけば、昇格期待銘柄を見つける可能性が高くなり、投資成績の向上に役立つことになります。
参考:日本株通信
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