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移住資金・費用(3ページ目)

海外に長期間滞在するとなると、「生活費をどうやってプールするか」悩むところです。移住資金や費用に関するあれこれをまとめました。

千葉 千枝子

執筆者:千葉 千枝子

旅行ガイド

移住資金の準備で気をつけること

ひと言で海外移住といっても、ある一定の年数の長期滞在者から市民権・永住権を得て完全移住するひとまで、ビザ・ステイタスや生活スタイルはさまざまです。もし現地で就労するのであれば、当座の生活がまかなえる程度の資金でも問題はありませんが、就労しない・できない人の場合には、(たとえば、学生や退職者等)それなりの資産を、すでに有していることを証明しなくてはなりません。査証取得時や入国審査のおりに預金残高証明書の提出を求めるケースも少なくないので、早めの資金準備をすることです。

預金残高証明書は、取引先の銀行で発行してもらうことができます。滞在国の通貨建て、ないしは米ドル建てで、証明書を作成してもらうようにしましょう。資産の提示については、最低額を明示しているケースもあります。明示されていなければ、(1ヵ月当たり1000米ドル×滞在月数)程度が、資産提示の最低の目安とされています。

現地の銀行に口座を開設し、身元保証金として所定の金額以上を預け入れることを条件にしているケースもあります。滞在中は、指定された使途目的以外で引き出すことができませんが、預入中は運用がなされ利子がつくほか、完全帰国のさいには解約して日本や第三国に持ち出すことを許可しているのが通例です。

また、投資家移住や起業家移住には多額の資本が必要です。将来、海外移住を考えているのであれば、通貨分散をするなどして早めに資金準備をするようにしましょう。こうした移住資金にかかわる諸条件は、滞在国の移民制度などにより急に変更される場合もあります。移民専門の弁護士やビザコンサルタントなどが情報をもっていますので、そうした人たちに相談をしながら移住の準備を進めていくのが一番です。

税法上の非居住者と日本における納税義務

租税回避を目的に海外移住をする人もいますが、脱税にならない範囲で資産の移動を行うためには国際税務の知識をもった税理士などに、よく相談する必要があります。海外への資産移動が多額であればあるほど、脱税の疑いを持たれますので注意します。

「税法上の非居住者」とは、海外の一つの場所に生活の本拠があることを認められなければ、日本における非居住者とはみなされず、課税の対象になります。生活の本拠とは、すなわち居所であり、住所地番がホテルなどの一時的な滞在施設であってはならないのが通例です。

また、税法上の非居住者は、滞在日数だけで判断されるものではありません。海外に1年の半分(183日)以上滞在している場合でも、日本の居住者とみなされる場合があります。 1年のうち、居住地を数ヵ国にわたり転々と移動する「永遠の旅人」 PT=Perpetual Traveler、 Permanent Traveler の場合も、その人の生活の本拠が日本にあれば、日本における居住者となり、納税義務が生じます。税法上の非居住者であると自らが主張しても、税務当局としては客観的な要素を多分にはかり、税の負担の公平性を維持しています。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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