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4年で株価10倍!スタートトゥデイは何が凄いのか?

日本株トップ50銘柄のランキングでもお馴染みのスタートトゥデイ(3092)ですが、株価は4年で10倍になり、日本を代表する成長株となっています。では同社の何が凄いのでしょうか?

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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国内ファッションECのリーディングカンパニー

日本株トップファンダメンタル50銘柄でもお馴染みのスタートトゥデイ(3092)のご紹介です!日本でも屈指の実力を持つ成長株だと思います!

日本株トップファンダメンタル50銘柄でもお馴染みのスタートトゥデイ(3092)のご紹介です!日本でも屈指の実力を持つ成長株だと思います!

日本株トップ50銘柄のランキングでもお馴染みのスタートトゥデイ(3092)ですが、株価は4年で10倍になり、日本を代表する成長株となっています。今回は同社の強みを探ってみたいと思います。

スタートトゥデイ(3092)は日本最大級のファッションECサイト、ZOZOTOWNを運営している企業です。ZOZOTOWNには、954店のショップが出店しており、取扱ブランドは3928ブランドに及びます(2017年3月末現在)。このうち、ブランドから商品を預かり販売する受託販売を中核事業とし、商品販売代金や各ブランドからの手数料を収益源としています。トレンドファッションECの市場シェア50%を握ると推定され、アパレル市場に強い影響力を与える存在となっています。

音楽業界でのデビューだけではなく株式市場にもデビュー!

ところで、ZOZOTOWNという名前は「創造」と「想像」の“ZO”に由来しており、社名の「スタートトゥデイ」は、アメリカのハードコアバンド「GORILLA BISCUITS」の曲名「Start Today」から取っているそうです。

同社の歴史は、1995年、輸入レコードやCDのカタログ通販に始まります。2000年には通信販売をオンラインショップに切り替え、これをもって現在の同社が設立されたわけですが、この間、創業社長の前澤社長は、Switch Styleというハードコアパンクバンドのドラム担当として、1998年メジャーデビューを果たしています。

そして、2001年にはバンドは活動を停止するのですが、音楽活動をしながら持った「音楽とファッションはリンクしている。CDやレコードだけでなくファッションも紹介していきたい」という想いのもとで、ファッション販売を展開していくのでした。それまでのCDとレコードのオンラインショップに加え、ストリート系ブランドに出店依頼をし、同社初となるアパレル通販サイト「EPROZE」を開設。以来、出店店舗数を増やし続け、2004年に「ZOZOTOWN」をスタート。2007年には上場を果たし、2010年にYahoo!と業務提携。現在ではあらゆるアパレルが「ZOZOTOWN」を活用し、オムニチャネルやEC戦略を進めています。

上場した2007年170億円に過ぎなかった商品取扱高は、ついに2000億円を超える規模となりました。10年で10倍超えの成長を遂げた事になります。利用者の増加と出店ショップの増加、商品取扱高の拡大によって安定的に、大きく利益成長しています。

快走!新規ブランド出店、利用者数拡大で増収増益

受託販売手数料を収益源としているため、利用増と共に利益が拡大していく仕組みとなっています。顧客アパレル事業者の出店、利用社数の増加によって配送コスト増も吸収し、業績拡大が続いています。

2017年3月期の業績は売上が40.4%増の763億9300万円、商品取扱高が33.0%増の2120億円、営業利益が48.0%増の262億8400万円、純利益が42.1%増の170億3500万円となっており、期初計画に対して、商品取扱高が8.8%、売上高が10.7%、営業利益が18.7%、純利益が11.6%上回る結果となりました。

CRMシステム刷新によるリアルタイムマーケティングやツケ払い(支払2ヶ月先でOK)導入による決済手段の拡充、ブランドクーポンといったプロモーションが実を結んでいる様子です。

またファッション市場全体の活性化を狙ったコーディネートアプリ、WEARは、2017/3月末で約900万ダウンロードを記録しました。WEARでは、ショップスタッフによる自社製品のコーディネートが発信されており、アパレル事業者のEC戦略に貢献するツールとして活用されています。

2018年3月期の通期業績予想は売上が30.9%増の1000億円、商品取扱高が27.3%増の2700億円、営業利益が21.7%増の320億円、純利益が30.3%増の222億円となっています。

2018年は商品取扱高の拡大に対応するために、物流センターを拡張。2018年秋には物流センター「ZOZOBASE」を拡張し、広さは東京ドーム約5個分となると言います。

どんどん使いやすくなっていっているZOZOTOWN

同社は、ZOZOTOWN事業の持続的成長の重大ファクターとして、「購入者数の拡大」及び「ファッション消費におけるZOZOTOWN利用率上昇」をあげています。また、ブランドクーポンなどのプロモーションの実施、そして決済手段の充実と、ユーザーの利便性を向上させる施策も目白押しです。結果的にそれが取扱高の増加と売上の増加に繋がっています。

更に、17年4月から総合オンラインストア 「Amazon.co.jp」の決済サービス「Amazon Pay (アマゾン ペイ)」を導入しました。ZOZOTOWNで会員登録をしなくても、「Amazon.co.jp」のアカウントに登録されているクレジットカード番号や配送先情報などを利用して、そのまま決済することができるというもの。定期的に行っているアンケート調査の「会員登録が面倒」といった利用者の意見を反映した成果です。

こうしてどんどん使いやすくなっていっているZOZOTOWN。17年6月にはZOZOTOWNのカスタマーセンターが、「HDI五つ星認証」を取得しました。アパレル業界初です。基本方針や戦略、目的やゴールへの意識が高く、全般的に高いレベルであること、顧客の抱く疑問に対する協力的な支援や誠実な姿勢、スムーズな問題解決が高く評価されたということです。

ところで、ZOZOTOWNのシステムは自社開発されています。同社は自社物流施設で保管、荷受、採寸、写真撮影、梱包、発送まで、一連の物流業務を自社保有しているので、業務フローの改善、レイアウト変更などがスムーズ・スピーディーに行え、営業効率の向上につなげています。

15年12月にはスタートトゥデイ工務店が設立され、システム構築・ウェブデザイン・CRM分野が一層強化されることとなりました。こうした自社開発が可能な体制が、ユーザーの使いやすさ向上、牽いては利用者拡大と売上増に繋がっているのです。

持続的な成長に加え、PB展開による新成長が期待される

今後の注目点はプライベートブランドの展開です。同社には954ショップ、3928ブランドの商品を取り扱っているというプレステージがあります。そして、どのような物がどの価格帯でどれだけ売れたか、売れなかったか、そしてその時のトレンドは・・・という圧倒的なビッグデータを持っているのです。このビッグデータを活用したマーケティングが可能であることは確実。アパレルでは、どれだけ早くトレンドに乗った商品を売り出すかが売上拡大のポイントとなりますが、トレンドを素早くとらえた商品展開が期待できると思います。プライベートブランドは17年中に開始される計画です。

足元の業績は絶好調です。引き続き今期の見通しも明るく、物流センター拡張による商品取扱高の増加、そしてプライベートブランドのスタートも事業拡大の期待感を高めています。これまで利用増による販売手数料を主な収益源として成長を遂げてきた同社。商品取扱高売上総利益率32.6%、営業利益率12.4%と、収益性は非常に高い水準です。

財務状況は盤石で、自己資本比率52.8%、有利子負債ゼロ、流動比率1.9倍、また総資産の4割をキャッシュが構成するという盤石な内容です。また自己株取得を実施していることから総資産回転率が上昇しており、ROEは72.7%という日本屈指の高水準を維持しています。配当性向は40%を目途とし、自己株取得の実施など、株主還元にも前向きで好印象です。

4年で株価が10倍となった同社ですが、今後の成長にも期待が持てると思います。

参考:日本株通信

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