子供のしつけ/子供の上手な叱り方・NGな叱り方

子供心を傷つけるのが怖くて上手く叱れないママへ

「子供を傷つけたくないあまりに叱れない、でもしつけもしなくてはいけない、いったいどうすればいいの……」と悩むママは多いものです。子供は、どんな言葉で傷ついてしまうのでしょう? しつけや叱る場面での言葉選びのコツをお伝えしていきます。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

しつけや叱る際に、子供の心を傷つけないコツは?

傷つけるのが怖い、だからと言って、見逃すのはよくない…どうすればいいの?

傷つけるのが怖い、だからと言って、見逃すのはよくない…どうすればいいの?

お子さんとのコミュニケーション、たとえば、しつけの場面、叱る場面、やる気を出させる場面など、言葉選びに迷うこともあると思います。

「これを言ったら、傷つくのではないか?」
「どれくらいまで強く言っていいんだろう?」

と悩み、結局、言わずじまいという方もいるでしょう。

ここでは、子供を傷つけるのが怖くて、上手く叱れないママに、しつけや叱る場面での言葉選びのコツをお伝えしていきます。

 

子供を傷つけたくない、でもしつけもしなくちゃ…

「しつけをしたり、叱ったりするのは親の役目、だけど、子供の心を傷つけるのではないかと怖い……」と悩むママは多いもの。そんなママの心の中には、しつけとは厳しいもの、だから、その過程で、子供の心を傷つけてしまうのではという不安があります。

でも、心理学的に見ると、
  • 「叱らない=ポジティブ」ではありません
  • ポジティブな叱り方もあれば、逆に、ネガティブなほめ方もあります
子供心を傷つけてしまうのではと不安を感じると、ママは言葉選びにとても慎重になり、叱ることに消極的になります。でも、仮に子供が何か悪いことをしたとき、「傷つけるから」という理由で見逃してしまっては、その子のためにはなりません。

ママが叱るのを避けてしまうのは、子供がどんな言葉で傷つくのか、どんな言葉なら受け入れることができるのか、その区分があいまいだからです。それをきちんと理解しておくと、いざという場面で、不安に陥らずに済みます。

 

子供への言葉遣い、何が傷つけて、何が傷つけないか

それでは、その区分を見ていきましょう。まずは次の例を見てください。この中に、良い例が2つ、悪い例が3つあります。直観的に、その良し悪しを判断してみてください。

事例:
もうすぐ
トイレトレーニングが終了……と思ったら、 なんと今日、子供がリビングでおもらしをした! それを見たママの心によぎる思いは?
 
  1. 「最悪、これじゃいつまで経ってもできるようにならない」
  2. 「今回はタイミングが合わなかったんだ」
  3. 「この間も失敗したのに、また!? 何をやらせてもダメなんだから」
  4. 「まぁ、こういうこともあるか、仕方ない」
  5. 「まったく、できの悪い子なんだから」

正解は、2と4が良い例、1、3、5が悪い例です。

1、3、5の特徴は、「ダメだ」という範囲を大きく広げてしまっていることです。
1では、「いつまで経っても……」と時間軸を広げ、
3では、「何をやらせても……」と空間軸を広げ、
5では、「できの悪い子」と子供自身をばっさりと否定しています。

「いつまで経ってもムリ」
「何をやらせてもダメ」
「まったく、できが悪い」

このようにママが感じてしまうと、追って口から出る言葉は、

「もうあなたって子は、ママを困らせてばかりで最悪!」

このように、子供を全否定してしまう言葉が出てきてしまうことになります。つまり、ママが心で何を思うかは非常に大事! なぜなら、心で思ったことが、そのまま言葉となって現れるからです。

 

子供を傷つけないコツは、ママの目線にあり

良い例と悪い例を比べると、ママの目線が大きく違うことに気づきましたか? ポジティブな例では、目の前の1つの行動、ここでは”おもらし”だけを見ているのに対し、ネガティブな例では、過去の失敗を引っ張り出してきたり、子供自身を否定したりと叱りネタをどんどんかき集めています。 

頭の中だと、あれもこれもと「ダメな範囲」を簡単に広げることができてしまいます。本当に注意すべきなのは、目の前のたった1つのことなのに……。

子供の心をもっとも傷つける言葉とは、その子の存在自体を否定してしまう言葉。たとえば、

「そんな子、ママもう知らない!」
「あなたなんか大きらい」
「ダメな子は、もううちの子じゃないよ」

など。結構なじみのあるフレーズですよね。こう言われてしまうと、その子が自分の存在を肯定する気持ちが弱まってしまうため、自己肯定感を低下させてしまいます。

「悪い子だ」→ これは、子供自身に目線が行っています。

「悪いことだ」→ これは、子供の行動に目線が行っています。

同じような言葉ながら、子供に与えるインパクトはまるで違うのです。しつけをするとき、叱るとき、子供を傷つけないためには、その子を否定するような言葉を使わないこと、そして、改めてほしい行動に目を向けること。「〇〇を□□しなさい」とシンプルに行動を注意するのであれば、大丈夫です。これまで叱るのが怖かった方も、ぜひ行動に目をシフトさせた言葉でお子さんに教示していきましょう。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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