近年は各地の役所で資料のデータベース化や手続きのコンピュータ化が進み、不動産物件の調査をする際にも以前では考えられなかったほど効率のよくなった部分があります。

十数年前までは役所の担当部署の人が分厚い台帳をあちこちひっくり返したり、クルクル巻いた大判の図面をいちいち広げたりしていたものが、いまでは住所を入力するだけで瞬時に画面に表示され、その図面をプリントアウトしてもらうのも簡単です。

ところが、そのあとがいけません。あるとき某区役所で道路台帳のプリントをもらおうとしたとき、その出力までは早かったものの、手数料を支払う段になって申請書2枚と公金の納付書に記入させられ、さらにお金を渡してから実際にプリントを受取るまでの長いこと、長いこと。

順番待ちをしていたわけでもないのに、出力は数秒、お金の支払いに約10分。しっかりと時計を確認してしまいました。その一方で、窓口にレジを置いていて、手数料の支払いが簡単に済む役所もあるのですが……。

もうだいぶ前のことになりますが、お役所体質とかサービスの悪さとかが大きな社会問題になりました。しかし、その後かなり改善されてきたようで、ときにはサービスが過剰じゃないのかというくらい、熱心に声を掛けたりあれこれ説明をしてくれたりする職員の人もいます。

ところが、なかには相変わらずの人もいるもので、そういう人に限って自分の勤めている役所がすべてだと信じ込んでいるようです。

他の役所だったらごく普通に置いてあるような資料がどこにも見あたらなかったので聞いてみたところ、「そんな資料が役所にあるワケがないだろう。何を聞いてるんだ、お前」みたいな返答をされたことが実際にあって、怒る以前に呆れてしまうほかありません。

でも、これらは2000年代に経験した話です。その後もIT化や手続きの合理化が進んだり、昔の「お役所体質」を引きずったような職員は定年退職したりして、現在ではずいぶん改善した役所が多いでしょう。

それより、態度の悪い人がいまも生き残っているのは役所より不動産業界のほうなのかもしれません。もちろん、ごく一部でしょうが……。


>> 平野雅之の不動産ミニコラム INDEX

(この記事は2006年8月公開の「不動産百考 vol.2」をもとに再構成したものです)


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