現像タンクとリール、さらにダークバックがあると重宝
モノクロフィルムを自家現像するのに必要な道具が、現像タンクとフィルムを巻くリールです。リールを使うほかに、ベルト式でフィルムを巻くものもありますが、ここでは最もよく使われているリールを使って現像する方法で解説していきます。フィルムをリールに巻く作業は、光を完全に遮断した暗室で行います。少しでも光がある場所では、フィルムが感光してしまうので行えません。そこで暗室が必要なのですが、暗室を確保するのはなかなか難しいと思います。そこで代用として使うのがダークバック。これはフィルムなどの出し入れをするときに両手を差し入れて、袋の中で作業ができるようになっているバックです。
ダークバックの中に事前に現像タンクなど必要なものを入れておき、ファスナーを閉じて暗室状態になったバックの中で手探りで作業をしていきます。このダークバックがあればわざわざ暗室を設けなくても、フィルムを現像タンクに入れることができるわけです。
リールの巻き方は何度も練習して手に覚えさせるのがコツ
ここからの作業はダークバックの中で行うものなので、実際に行うときは目視で確認ができません。ダークバックの中で手探りだけで行えるようにしなければならないものです。最初は練習用のフィルムロールを1本用意して、何度も練習をすることがマスターへの近道です。また、フィルム本体をフィルムケースとなっているパトローネから取り出す必要があります。これは、パトローネの下蓋の部分をペンチなどで挟んで開けます。かつては専用のフィルムオープナーがありましたが、現在は入手が難しいのでペンチなどを代用します。
下蓋が開いたら、フィルムを巻き取っている中軸のスプールごと取り出します。スプールとフィルムの端が取り付けられているので、この部分をハサミで切り離します。もちろん、ここまでの作業は、すべてダークバックの中で手探りで行います。
この前準備のところも含めて、事前にダークバックの中に入れておくものは下記のとおりです。
<ダークバックの中に入れておくものリスト>
・現像タンク
・リール
・フィルム
・ペンチ
・ハサミ。
フィルムをリールを巻く方法とコツ
では、フィルムをリールを巻いていきます。まずリールですが、リールの一番外側の端部分が右側になるように持ちます。上の写真の赤丸の部分になります。ダークバックに入れるときに、右側になるように入れておくとわかりやすいです。この方向からリールを持つことで、右側からフィルムを差し込めます。左利きの場合は反対側から行います。
リールを持ったら、中心軸を指で確認します。この軸となっている部分にフィルムの先端を挟んでから巻き上げていきます。どの部分に差し込めるかを左手で確認しておきます。
写真にあるリールはフィルムを差し込めるピンがついていますが、ないものもあります。ピンがないものでも中心軸にフィルムを差し込んで巻き取れます。
リールの中心軸が確認できたら、右手でフィルムの端を差し込みます。このとき、右手の指でフィルムを両端から挟むように持つのがコツです。
中心軸にフィルムを挟むことができたら、リールに沿ってフィルムを巻き上げていきます。リールのほうを回して巻くとスムーズにできます。
またこのとき、右手のフィルムは少し両端から押し込むように持ち、フィルムに丸みがでるくらいに保っておくと、巻き上げやすいです。
左手は、中指などでフィルムを軽く押さえるように添えてあげると、リールの巻き上げがしやすくなります。
この方法でリールに巻き上げていきます。無理なく巻ければ上手く巻き取れていますが、途中で引っ掛かるような手ごたえがあるときは、リールからズレている可能性があります。
ダークバック内での作業なので、実際には目で確認できませんが、練習の段階であれ見ることができるので、巻き取ったリールを透かして見てみてください。リールの層にきれいにフィルムがすべて入っていれば、巻き取りは成功です。
上手くできていない場合、フィルム同士が重なってしまう部分ができます。そのまま現像を進めると重なった部分が白くなにも写ってない状態で現像されてしまいます。
フィルムが重ならないようきれいに巻き取れるように、何度も練習をしてから本番に挑んでみましょう。
このフィルムの巻き取り方の動画もあります。こちらもご覧になって巻き方の参考にしてみてください。