生命保険

保険って必ず加入しないとダメ?保険の種類とは

保険は、日常生活の様々なアクシデントに対し、経済的リスクをカバーしてくれるもの。ここでは保険加入の考え方や生命保険の種類をお教えします。

飯村 久美

執筆者:飯村 久美

家計簿・家計管理ガイド

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保険加入を考える時のルール

新社会人になったり、人生のライフステージが変わったときには、保険に加入することを考える人もいるでしょう。保険を考える時は、「誰に」「どんなことが起こったら」「経済的にどのくらい困るのか」をイメージしてみるとよいでしょう。それには、「アクシデントがあった時に必要となるお金」と、貯蓄や公的な保障などで「準備できそうなお金」を考えてみます。

保険加入のルールとは

保険加入のルールとは



「準備できそうなお金」が「必要となるお金」よりも多ければ保険は不要となりますし、逆の場合には、その差額分が保険で備えておきたい額ということになります。

「損害保険」と「生命保険」に分けられる

保険といっても様々な種類の保険があり、大きく「損害保険」と「生命保険」に分けられます。

住んでいる家や家財にかける「火災保険」、自動車を運転する時の「自動車保険」、旅行中のアクシデントに備える「旅行傷害保険」、第三者に損害を負わせてしまった場合に備える「損害賠償責任保険」。これらは主にモノを対象としているので、損害保険の分野になります。

損害保険は、家が燃えてしまった場合など損害額が大きいので、基本的に必要性があるものは必要最低限の補償をかけておきましょう。


一方、生命保険には、亡くなった場合や高度障害に備える「死亡保険(終身保険、定期保険など)」、病気やけがに備える「医療保険」、がんになった場合の「がん保険」、働けなくなった場合に備える「収入保障保険」などがあります。(医療やがん、所得補償などは損保会社でも取り扱いがあります)

どんな場面で経済的に困るのかを考え、必要であれば保険を備えておく必要があります。しかし、あれもこれもと欲張ってしまうと、毎月の保険料がかさみ家計を圧迫してしまいますので、自分にとって必要な保障を必要な分だけ上手に備えていきましょう。

生命保険の主な種類

次に生命保険の主な種類について、ポイントをみていきたいと思います。

死亡保険は自分が亡くなった時、もしくは高度障害の状態になった時に備える保障です。主に「終身保険」と「定期保険」に分かれます。

「終身保険」

保障は一生涯続くので、必ず保険金を受け取れます。掛け捨てではなく貯蓄性があるため、掛け捨ての定期保険と比べて保険料が高くなります。現在はマイナス金利政策の影響で、予定利率が過去最低となっているため、貯蓄性に関してはあまり魅力がありません。

予定利率が5.5%あった1990年頃は、1000万円の死亡保障を得るのに、30歳男性の掛け金は約1万円でした(払込期間60歳まで)。しかし、予定利率は年々下がり、現在では1%以下のところも。同じ1000万円の保障を得るのに30歳男性の月払い保険料は約2.5万円となっています。

終身保険は、払い込み満了前に途中解約をすると、一般的に解約返戻金が元本を下回ります。保険期間や払込み期間が長期にわたる場合は、保険料の設定を慎重に検討しましょう。加入時点では支払いが容易にできても、この先、払い続けられる保険料でなければなりません。

保険に入る以外にも、貯蓄で備える方法もあります。貯蓄は万が一のアクシデントが起こらなかった場合にも、生きている間にお金を活用できます。終身保険に入ったつもりでその分を貯蓄に回してみてはいかがでしょうか。

「定期保険」

終身保険同様、亡くなった場合や高度障害になった時に保険金を受け取れます。終身保険との違いは、期間に定めがあるのと掛け捨てであるということです。ある一定期間だけ、保障を上乗せしたい場合や、手ごろな掛け金で保障を備えたい人にはよいでしょう。30歳男性が1000万円の保障を10年間かける場合の保険料は毎月約2000円です(一例)。勤め先に団体保険があれば割引率が大きいので検討するのもよいでしょう。

シングルの方は、親御さんを扶養している方以外は、死亡保障は不要です。ご自身の預貯金などが遺族に残りますし、国からの遺族年金や勤務先から弔慰金などが出る場合もあります。死亡保障に入らない分、しっかりと貯蓄をしていきましょう。

「医療保険」

病気やけがで入院や手術をした場合、保険金が受け取れます。入院1日当たりの自己負担額の平均は約2万円(※)というデータがあります。入院日数は平均で19.1日(※)と、以前に比べて短縮傾向にありますが、長患いをした場合や、仕事を休んで収入がダウンしてしまった場合に家計を支えてくれます。(※生命保険文化センター平成28年度「生活保障に関する調査」)

生命保険は、健康でないとスムーズに加入できない場合があるので、若く健康なうちに「終身医療保険」を備えておくとよいでしょう。

とはいえ、保険のきく治療であれば、公的保障で一か月の自己負担限度額が決められています(高額療養費制度)。現在の預貯金から医療費に回せる額にもよりますが、会社員の方は、1日の入院日額が5千円~7千円、自営業の方は、1日1万円あると安心です。保険にすべて頼るというよりは、いざという時に半分は保険の給付金をあてがい、半分は預貯金から出すようなつもりでいるのがよいでしょう。

「がん保険」

がんになった時の備えです。医療保険に入っていれば、がんで入院や手術をした場合も給付の対象となるので、がん保険はその上乗せになります。がん家系であるなどがんが心配な方は、がんと診断されたら一時金が受け取れる保障などを備えておくと安心でしょう。なぜ一時金タイプがよいかというと、入院せずに通院や投薬で治療するケースもあるからです。いくら入院日額を手厚くしても、入院をしなければ給付されません。また、特約をたくさんつけるよりも、一時金を受け取るタイプの方がシンプルでわかりやすいメリットがあります。

「収入保障保険(生保)」「所得補償保険(損保)」

働けなくなった場合に、お給料代わりに保障が出る保険です。重い障害が残って働けなくなると、障害年金をもらいながら生活を送りますが、生活に十分な額は得られません。住宅ローンを組んでいて、働けなくなった場合にも返済の必要がある人は検討してみるのもよいでしょう。ただし、万一のためのものですから、他の保障とのバランスや優先順位も考えて選びましょう。

以上、主な保険商品と加入のポイントについてお伝えしました。公的な保障や会社の保障も確認しながら、ご自身にとって必要な保障を確保していきましょう。いざという時に貯蓄があると心の安心にもつながりますので、貯蓄も増やしていきたいですね。

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