億を稼ぐ4人のFX長者集合
先日、FX専業トレーダー4人にお会いしました。彼らは、20代から40代と年齢層は幅広く、滋賀、兵庫などと住んでいる場所もバラバラ。お互いの存在は、ツイッターやブログを通じて知ってはいたものの、顔を合わせたのはこの時が初めてでした。全くつながりのないように思える彼らの共通点は、男性であることと、「FX取引で億を稼いでいる」ということ。さて、トレード手法などにも、共通点はあるのでしょうか。
スキャルピングで「リスク軽減」
4人の得意な手法は、「スキャルピング」と呼ばれる超短期トレードです。翌日にポジションを持ち越すことはなく、たとえ長めにポジションを持ったとしても、その日のうちにトレードを終結させています。そして、出掛ける時には必ずポジションを手仕舞い、外出先でトレードすることはありません。なぜ彼らは、「スキャルピング」を軸にトレードをしているのでしょうか。
ひとつは、「リスクを極力減らすため」です。
ご存じの通り、為替市場や株式市場では、数年に一度、「突発的な変動」が起こります。2007年に起きたサブプライムショックに端を発した世界的な経済・金融危機の時、ドル円は、翌年のリーマンショックを巻き込みながら、124円から95円台まで下落し、その後、ドル円は75円台半ばをつけるまで、5年近く下落トレンドが継続しました。
また、2016年の英国のEU離脱の是非を問う国民投票の日や、米国大統領選挙に伴った乱高下は、記憶に新しいでしょう。
このような突発的な相場変動は、レートが動いた方向にポジションを持っていれば、多額の利益を得られますが、逆のポジションを持っていた場合は、大きな損を被り、FX市場から撤退を余儀なくされることもあります。
それは、トレード巧者である彼らも例外ではなく、数々の手痛い失敗を経験して、「資産を守るために、一回一回のトレードを短い時間で完結させる」ことの大切さを学びました。
最初から、超短期トレードを選んだのではなく、トレードの結果、行きついたのがスキャルピングだったのですね。
経験を積み重ねた「判断力」が武器
さて、理由はもうひとつあります。それは、「成功する確率が高いから」です。今では、多額の利益を稼いでいる彼らも、最初から利益を出せたわけではありません。取引開始から2、3年はなかなか利益を出せず、苦労もしました。しかし、勝てなかった時期も、毎日10時間以上にわたってチャートを眺め続け、「直近の高値や安値を抜けた瞬間、大きく動くことが多い」ことなど、「値動きは、同じような動きをする時がある」ことに気がつきました。
スキャルピングは、「短時間に勢いをもって一方向に動く、その一瞬のチャンスを狙う手法」です。そのため、ポションを持つタイミングや利益確定には、反射的な判断力が必要です。
彼らの頭には、長時間かけて見つけた「値動きの特徴」が刻み込まれていますから、「レートが大きく動く確率が高い瞬間が来る」ことを、直前の値動きから感じとり、その後の値動きを予測して、ポジションを持ちます。
もちろん、ポジョンを保有している時の判断も鋭く、損切りは早く、想像した方向の逆に「1、2pips」動いた時点ですぐに損切りするそうです。含み損を抱えて、「無駄に投資資金を寝かせてしまうより、さっさと手仕舞って次の手を打つ方がその後の利益につながる場合も多いから」と、その理由も教えてくれました。
似ているのは成功だけじゃない
興味深いことに、失敗の傾向もよく似ているようです。例えば、2016年末に起こったトランプ相場の時ですが、上昇相場がある程度続いたところで、「そろそろ流れが変わるかもしれないと売ってみたものの、その後、上昇トレンドが継続し、損切りを強いられた」と言います。常に大きなポジションを持つため、すぐに手仕舞っても、損切り額は数千万円と多額でしたが、彼らは、その後のトレードでしっかりとその損を取り戻しました。この強さが、FX巧者の証とも言えそうです。
その他、「ナンピンはしない」「トレードでやってはいけないことを明確にしている」など、まだまだ共通点が多いことを話してくれましたが、重要なのは、その共通点のすべては、彼らが「多くのトレードを経験し、自分自身でひとつひとつ気づいてきた」ということです。
彼らは、「相場の必勝法はないが、真剣にFXと向き合えば、誰にでも成功できる可能性がある。だから、諦めず、チャレンジし続けてほしい。ある日突然にうまくトレードできるようになったことに気づくから。今でも失敗はたくさんするが、失敗を少なくする努力を続けている。失敗をなくせば、成功だけを残すことができるから」と、口をそろえて、FXの可能性を話してくれました。