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「SNSで夫婦崩壊」しないためにやっておくべきこと

一歩間違うと夫婦仲を崩壊させかねないSNSについて考えてみます。Facebook、Twitter、InstagramなどさまざまなSNSを使う方が多くなっていますが、SNSとの付き合い方について、夫婦で話し合われたことはありますか?

三松 真由美

執筆者:三松 真由美

夫婦関係ガイド

SNSで夫婦崩壊しないために

SNSで夫婦崩壊しないために

SNSで夫婦崩壊しないために

少し前に、「父の死をSNSに投稿した夫が許せない」という新聞の投稿が話題になりました。Facebook、Twitter、InstagramなどさまざまなSNSを使う方が多くなっていますが、SNSとの付き合い方について、夫婦で話し合われたことはありますか?

今回は、一歩間違うと夫婦仲を崩壊させかねないSNSについて考えてみます。前述の例は、実父の訃報を受けて、実家へ向かう自分(=妻)の様子の写真とともに夫がSNSにコメントを投稿したことに対し、妻がその時感じた違和感や怒りを新聞に投降したものです。

父親の死という人生の中でも最も悲しい瞬間の一つである場面を「勝手にネット上に公開された」という行為が、妻の気持ちを傷つけた例だと考えられます。

しかし、このような重大な場面でないとしても、「SNSに自分の写真を勝手にアップされる」という行為をうれしく思わない人は少なくないでしょう。もしかすると、この妻は、もともと夫がSNSに投稿することを好ましく思っていなかったのかもしれません。

一方でだんな様としては、おそらく妻を傷つけようとして投稿したわけではなく、自分の人生の一コマとして、おそらく淡々と投稿をしたのかな、という想像ができます。この投稿で妻が傷つくとは、まったく想像もつかなかったのかもしれません。

「父親を亡くしたパートナーへの悲しみに対して、他人事すぎる」
「人の不幸も投稿ネタ扱い」

という見方もあるかもしれませんが、このだんな様も、もしかすると実は十分に悲しく思っていて、その悲しみへの共感を求めた結果がSNSへの投稿であったかもしれません(実際のところはご本人にしかわかりませんが……)。

もし、妻のSNSに対する感覚が夫と一緒であれば、投稿されたことに対して、このような大きな違和感は生まれなかったでしょう。この場合は、父親(義父)の死に対する思いの違い、というより、SNSに対する感覚・思いが夫婦で違っているのだと思います。
 
<目次>
 

ネットにあげた情報に、厳密な「限定」はない

私の個人的な印象ではありますが、Facebookを多くの人が実名でするようになる前と後では、「写真」や「個人を特定できる可能性のある情報」をインターネットにアップすることへの意識が、ずいぶん変化したように思います。

Facebookの普及以降は、誰かと一緒に写った写真を相手の顔を隠したりせず、そのまま掲載するような場面も比較的普通に見かけるようになりました。それは、Facebook以前のブログなどのツールが「もれなく全世界に公開」であったのに対し、FacebookなどのSNSには公開範囲を限定する機能があり、「自分の知っている範囲だけに公開」ができるようになった(=だから安心)ということも理由の一つだと思われます。

しかし、一度ネットに上げた情報は容易に転送・拡散ができます。写真を見た「友達」がそれを保存し、自分の全く知らない誰かに転送することは数クリックですぐできます。「たかが写真」と思うかもしれませんが、スマホで撮った写真には設定によっては位置情報が含まれてしまいます。最近ではカメラの解像度が上がっていますので、ピースした写真の画像から指紋情報を抽出し複製する技術もあるという報道もありました。様々な技術的な進歩と相まって、たった1枚の写真からでも個人の「特定」が可能で、そしてその情報が拡散したり転用される可能性がいっそう高まっているといえるでしょう。

もちろん、SNSがすべて悪だというわけではありません。今までは絶対につながる手段がなかった小学校の時の同級生に「Facebookを通じて数十年ぶりに巡り合えた」なんていう話もたくさんあります。自分ががんばったことに多くの「いいね!」がつくことで喜びが何倍にもなることもあります。世界中を見回しても、災害や難病など様々な困難に見舞われている人に、SNSを通じて、世界の見知らぬ多くの人から善意が寄せられた。といったいい話を耳にすることもあります。
 

夫婦が壊れるようなSNSトラブルを引き起こす前に

様々な面を持つSNSだからこそ、それとどう付き合うかはその人次第ですし、そこにまつわるメリットやリスクをどう捉え、どう受容するかも個人の責任においてされるべきです。

夫婦だから同じ、家族だから一緒……ではなく、事前にSNSとの距離の置き方を夫婦それぞれが考え、それをお互いに伝えあい、そのルールを尊重することが大切です。

夫婦仲が崩壊するような深刻なトラブルを生まないよう、SNSへの投稿について、あらかじめ夫婦で意識合わせをしておくことは重要でしょう。具体的には……

・パートナーや家族の写真や情報は投稿OKとするのか否か?
・趣味や習い事、持ち物や愛用品などの情報はどうか?
・職業や職場に関する情報はどうか?
・旅行やお出かけ、買い物など、日常生活の情報はどうか?
・入学式、誕生日、結婚式などライフイベントの情報はどうか?
・自宅特定につながりかねないような情報はどうか?
・文字だけでなく写真の投稿がOKの場合、個人を特定できないようにする加工はどの程度するのか?
・パートナーのことを投稿する際にはアップする前に本人に確認するかどうか

など、様々なシーンにおいて、お互いが納得できるルールをつくり、それを守ることが必要でしょう。
 

子供のプライバシーを守ってあげられるのは親

愛娘の写真、SNSで自慢したいけど・・・

愛娘の写真、SNSで自慢したいけど・・・

このようなルールは夫婦のことだけでなく、子供のことについても同様です。

SNSに上がってくる知人の赤ちゃんの愛らしい様子、無邪気な幼児の姿の写真に癒されることも多いですが、これが小学校になり、中学の制服の写真までが加工なしの顔出しでアップされてくると、さすがにちょっと心配になります。

他人事ながら「SNSに掲載することについて。お子さん自身の許可は得ているのかな?」と不安になるのは私だけではないでしょう。

・子供の写真は投稿OKなのか?
・OKだったら何歳までなのか?
・画像の「加工」はどうするのか?

などを決め、お子さんが大きくなった後で嫌な思いをしないように「守って」あげるのも、親の務めとなってくるでしょう。

よくも悪くもSNSやインターネットとは切り離せない現代だからこそ、どう付き合うかをしっかり考えることが必要です。

「そんなこと、考えたことも話し合ったこともなかった」という方は、是非この機会にSNSとの付き合い方を夫婦で話し合ってみてはいかがでしょうか? もちろん夫婦のみならず、親戚一同についても同じこと。ファミリーで集まった写真をアップしたら、義理の妹がノーメイクで変顔だったため、亀裂が……という話も聞きました。

つながりを深めるのもSNS。ヒビを入れるのもSNSという意識を忘れずに。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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