「貧乏から脱出する必要はない」
20代で「貧乏」と感じていたらどうやって脱出すればいいのでしょうか?私の答えは「貧乏から脱出する必要はない」です。そもそも20代はまだ会社から仕事を教わっている立場の人も多いですから、収入は低くて当然です。その少ない収入の中からさらに貯金のためのお金を捻出しようとすると、家と会社の往復だけの往復バッタ、涙ぐましいカリカリ節約生活になってしまいかねません。20代だからこそできる様々な経験を捨ててまで節約貯金に励むことは、そんなに価値のあることでしょうか。
もちろん、コスト削減が不要ということではありません。たとえば学生時代から大手キャリアのスマホで契約している人も、それなりにITスキルがついているでしょうから、格安SIMに見直してもいいはず。おつきあいの生命保険なども不要です。結婚して子供がいる人は別ですが、独身なら仮に死んだからといって、経済的に困窮する人は多くないからです。
それに、新しいスマホや洋服など自分が満足してそれで終わり、あるいは見栄のための出費が多くて貧乏ということなら、自分の消費性向を見直す必要はあるでしょう。それよりも、以前書いた「20代は貯金をしてはいけない」という記事のとおり、ちまちまお金を貯めるのではなく、未来の自分に投資したほうがよいと私は考えています。
なぜなら、投資は早ければ早いほど回収期間も長く、回収できる財産(お金だけでなく、人脈や知恵など)が大きくなるからです。これが50代になって自己投資しても刈り取れる期間は短いように、職業人生の残り時間が長い20代こその特権です。
ドラクエでも、スライムを倒して得たゴールドを貯め込んでいるだけでは前に進めません。より強い敵を倒すために、武器を買ったり仲間を集めたり、稼いだゴールドを再投資するはずです。人生もそれと同じではないでしょうか。
高い建物を建てるには、土台を深く掘る必要があります。そして20代はその土台作りの時期。だから自分の土台作りのために、稼いだお金は全部再投資するくらいでちょうどいいというのが私の考えです。
もちろん、転職などで収入アップを目指すのもひとつの選択肢です。転職を考える際は、学生時代のように人気があるとか注目を集めている企業、あるいは給与の高い会社を目指すのではなく、自分が成長する機会があるかどうかで選ぶことです。
自分はどういう人材を目指していて、そのためにはどういう経験が必要か、そしてそのためには、どういう仕事が適しているのか。収入なんてあとからいくらでも挽回できるし、その時間も残されているわけですから、まずは自分を鍛えてくれる環境に身を置くことです。
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