401kに特別法人税はこんなにおかしい!

ところが、凍結延長の期限がまた来年の春にやってきます。もし凍結措置の再延長か制度の廃止が行わなければ、ひとりひとりの401kの財産から「特別法人税」として課税がされることになります。もし課税されるとなればこれは大変なことになります。

まず、ほとんどの人が年1.173%も増やせていません。格付投資情報センターの調査によれば、約4割の401k加入者が運用成績はマイナスだとしています(2010年3月末の時点)。また、なんとかプラスという人も、0~1%の間に約5割が収まるとみられています。定期預金等の利回りは1%に満たず、利息はごくわずかだからです。つまり、こうした人に課税をすると「実質マイナス」になっていまいます。運用してせっかく増やしても税金分減る、ということです。これでは老後の準備どころの話ではありません。

この「資産の残高に課税」という仕組みは、年金生活者や定年が近い中高齢者にとっても難しい問題になります。20代で残高が数十万円程度であれば、せいぜい数千円の課税ですみますが、定年が近づき、あるいは年金受け取り中であって1000万円あったりすると、毎年11万7300円引かれることになってしまうからです。年金生活が近いからと安全性の高い運用をしている人が多いと思いますが、定期預金の利息は全部税金で引かれてしまうことになります(むしろマイナスです)。

それに今までの企業年金制度であれば、引かれた税金に相当する分は会社が追加負担をする(正確には引かれることを折り込んで毎月の積立金を計算しておく)ことで対応していましたので、個人の受給権に支障が生じることはありませんでした。しかし401kではひとりひとりの年金残高から特別法人税がむしりとられることになってしまいます。このままでは、401k利用者は大きな不利益を被ることになります。(毎月の掛金を多く積み立てるよう会社にリクエストすることは可能ですが、ひとりひとりの資産に課税される相当額を毎月の掛金で調整することは困難です)

また、今の年金生活者は以前より課税が厳しくなっています。普通に厚生年金を受ける年金生活者は課税される状況において、企業年金を年金受け取りしても課税されています。それなのに、受取以前にも資産課税をされるとなると「取りすぎ」になってしまう恐れがあります。

いずれにせよ、401kと特別法人税の相性が悪いことが分かります。……そもそも「法人税」なんですから、個人が払うのはおかしいですよね。

→課税か制度廃止か? 今後の動向は次ページへ