今や全国的な有名スポットに。ホームの向こうは、海と空だけ
「絶景駅」と呼ばれる駅が日本全国にいくつかあるのですが、その中でも、ここ数年、鉄道ファンのみならず人気がうなぎ上りなのが、JR予讃線の下灘駅です。JRの「青春18きっぷ」のポスターをはじめ、映画、アニメ、ドラマ、CMなどにたびたび登場して、一躍有名に。最近では2017年春に放送されていたTBSドラマ『リバース』のロケ地にも採用されていましたね。私もテレビのドキュメンタリー番組で目にしてから一度訪れてみたいと思っていたところ、とうとう赴くことが叶いました。下灘駅の風景から、知っておくと便利なプチ情報までご紹介します!
駅舎はとっても素朴
駅舎の外観はなんとも素朴。瓦屋根に下見板張りの木造平屋で、どこにでもあるローカル線の駅といった風情。入口を入ってすぐに待合室のある無人駅。でも入口脇に小さなポストと草花が彩る、可愛らしい駅でした。駅舎の内部はいたってシンプル。でも手作り感、満載です。時刻表を見ると、1日に上下各10本程度が停車するようで、1時間に1本あるかないか。乗車する、もしくは車両を入れての撮影をしたいなら、事前に時刻表を確認してから向かうことをおすすめします。
待合室では、通常、観光パンフレットなどが置かれるラックに、落書き帳を発見! キャンパスノートに手描きのタイトルが書かれていて、No.38まで確認できました。ここを訪れた人たちがコメントを書き残しているようです。ほかにも下灘駅を撮影した写真が展示されていました。
いよいよホームに出てみましょう
ホームに出てすぐ左にあるのが「らぶらぶベンチ」。カップル向けの記念撮影用ベンチです。よく見ると座面がV字型に。注意書きには「よくすべるベンチですので、くっつきすぎにごちゅういしましょう」とありました(笑)。ホームに立つと、海の近さがよく分かります。線路のすぐ奥に国道378号が通り、その奥が伊予灘なのですが、ホーム上から見ると、水平線が目の前に広がり、まるで海の上にたゆたうよう。遠く小島も浮かんでいます。
観光列車「伊予灘ものがたり」が到着!
ほどなくホームに入ってきたのは、人気の観光列車「伊予灘ものがたり」です。JR予讃線の松山~伊予大洲または八幡浜間を結ぶ、1日4便の運行。それぞれに趣向の異なる食事が付くほか、専用アテンダントのサービスや、地元の方々によるなおもてなしが受けられます。
停車時間は8~10分間もあるので、乗客でなくても車両と一緒に記念撮影が楽しめたり、乗客が一旦ホームに降りて撮影することも可能なのが嬉しいところ。
このまま列車に乗り込みたい、という気持ちを抑えつつ撮影するうちに発車時刻となり、あっとういう間に出発。ホーム上には、列車に向かって手を振り続ける地元の方々の姿も。しんみりする瞬間です。
こちらの駅では、毎年9月の第1土曜に、プラットホームがステージと化し、夕日をバックに「夕焼けプラットホームコンサート」が開催されます。
また駅前では土日、祝日限定で、移動式カフェ「下灘珈琲」が登場します。この日は平日だったので、残念ながら閉まっていました。
・駐車場:なし
下灘駅周辺のおすすめスポット
下灘駅を訪れたなら、国道378号沿い車で約15分ほど進んだ「ふたみシーサイド公園」へも足を運んでみたいもの。ここは「日本の夕陽百選」に選ばれた夕景の名所なのです。夕暮れ時になると、空と海と砂浜が黄金色に染まり、感動モノの美しさ! 公式HP上に夕日の時刻表(日没時間を示すカレンダー)があるので、事前にチェックしておきましょう。日没の30分前に訪れることをおすすめします。
南北に長い公園の西側、瀬戸内海に面した砂浜に「恋人岬」があるほか、夕日の観覧席、願い石、幸せの鐘などがあり、「恋人の聖地」の認定も受けました。
公園に隣接した「道の駅ふたみ」には、夕日にちなんだ、夕焼けソフトクリーム(バニラにオレンジ味をミックス)も販売されているので、要チェック。地元の海産加工品やミカンなどをお土産にするのもいいですね。
「ふたみシーサイド公園」
・営業時間:入園自由、道の駅は10:00~18:00
・定休日:無休