ビットコインのチャートの見方
ビットコインは、手数料の安さやスピードなど送金面のメリットが高い“通貨”であると同時に、投資対象としての側面も持ち合わせています。取引所のページにいけば、株式や外国為替などと同様に時価をすぐに確認することができます。株式市場や為替市場などの取引量には及びませんが、各サイトでは売りと買いの注文(“板”と言います)が並んでいて、1日や1週間、1ヵ月といった価格推移(チャート)を見ることができます。ビットコインは誕生からまだ数年しか経過していないため、たとえば株式市場におけるマザーズやジャスダックなど新興市場に上場したばかりの銘柄のようなダイナミックな値動きが見られます。また、ビットコインの値動きには以下に述べる複数の要因が影響します。
ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)
まずは、ビットコインの技術に関連した話題がビットコインの価格に大きく影響します。直近では、ビットコインの取引処理能力(スケーラビリティと呼びます)に関連した課題を解決する技術的施策についてポジティブなニュースがあれば上昇し、ネガティブなニュースがあると下降する傾向があります。次に既存通貨への危機感です。2010年代に欧州債務危機が発生してギリシャやキプロスで預金封鎖が起こった際、一定の流動性を維持していたビットコインへの関心が高まり価格が急騰しました。また2016年のインド高額紙幣撤廃などの際にもビットコインへの需要が増しました。このように、既存通貨への危機感が高まるとビットコイン価格が上昇する傾向があります。
他にも、ビットコイン市場においてビッグプレイヤーの座を占めるのは中国の個人投資家であるため、人民元の価値が低下するとビットコインの価値が上昇するケースもよく見られます。
テクニカル(チャート分析)
ビットコインは数ある仮想通貨のなかでもっとも流通量・取引量が多い(これを“流動性が高い”と言ったりします)ため、株式や外国為替の売買と同じようにテクニカル分析を利用して投資を実施することが可能です。現在では移動平均線以外のテクニカル分析ツールを利用できるところがまだ少なく、見ている投資家も少ないと予測されるため、オーソドックスに移動平均線を用いてチャートを見る方法をベースにすることが有効でしょう。4年ごとの半減期に向けてビットコイン価格は上昇する?
一般的に言って、モノの価格は需要と供給のバランス(需給と呼びます)によって決まりますが、ビットコインもそれは同じです。ビットコインの特殊なところは、最終的な発行総量が2100万コインと定められており、発行額が約4年ごとに半減するようにプログラムされていることです。需要が変わらずに供給される量が減少するとモノの価格は上昇するため、発行額が半減するタイミング(半減期と呼びます)でビットコインの価格は上がると言われています。ただ、昨今ではビットコインを投資対象と見るユーザーが増えていることから、なかには価格が上がると言われる半減期に向けて買った投資家が半減期の到来後に利益確定のため売却することで、価格が下がる可能性もあります。「噂で買って事実で売る」という投資格言が、ビットコインにも当てはまるといえるでしょう。