ヘルメットのサイズ選びはとっても大事

愛用のヘルメットZ-7

愛用のヘルメットZ-7


ここ5年ぐらい、モデルの違いはあれどずっとフルフェイスタイプのヘルメットを被っていました。以前は知人から譲ってもらったSHOEIのZ-3を利用していました。そしてここ2年ぐらいはZ-7を愛用しています。

しかし、夏のバイク運転中に熱中症になってしまって以来、暖かい時期はすぐに水分補給ができるジェットタイプのヘルメットが欲しくなり、付き合いのあるメーカーのヘルメットを購入して使っています。

最近使っていたジェットタイプ

最近使っていたジェットタイプ


このヘルメットはサイズがMかLしかなく、私はMサイズを使っているのですが、若干大きいのと、スクリーン形状がバブルタイプなので車線変更の際に目視するとヘルメットがずれてしまっていました。

また頬部分のパッド(チークパッド)が薄めなので、首の回りや耳の下辺りに巻き込みの風が入ってしまっており、気温が低い時には寒く感じました。

以前バイク用プレミアムヘルメットを製造するSHOEIの広報・海老沢さんを取材した際、ヘルメットのサイズは非常に大事だということを伺いましたが、それを図らずも体験することになりました。

今回はこの「サイズ」に注目し、頭部の各部を詳細に計測して、データに基づいてヘルメットサイズを診断すると共に、専用パッドを使用してオーダーメイド感覚の内装を作ってくれるという「SHOEI Personal Fitting System」(以下パーソナルフィッティング)を取材してきました。率直に感じたことをお伝えします。

ヘルメットのサイズのことをSHOEIの広報担当に聞いてみた

今回も快く取材を受けてくださった海老沢さん。写真は前回取材時のもの

今回も快く取材を受けてくださった海老沢さん。写真は前回取材時のもの


――前回取材のおさらいにもなるのですが、ヘルメットを選ぶ上でサイズが大事になるのはなぜでしょうか?

海老沢さん「一言で言ってしまえばストレスになってしまうからです。例えば小さすぎるヘルメットを被っていると30分もしないうちに頭が痛くなってしまって、運転に集中できなくなってしまいます」

――それではヘルメットが大きすぎる場合はいかがでしょうか?

海老沢さん「大きすぎると頭をふった拍子にずれてしまったり、きちんと保持できていないことで重く感じてしまう方もいます」

――なるほど折角軽量に作ったヘルメットでも重く感じてしまってはもったいないですね

海老沢さん「ただ頭の形は人によって全然違うので、大雑把に言えば頭の前後サイズはMサイズ、横のサイズはLサイズという人もいれば、その逆の人もいます。既製サイズでも頭にあったサイズにすれば、ある程度のフィット感を得ることができますね。しかし、頭のサイズに合わせた内装を作る事で、理想のフィット感を得ることができるのです」

まずはヘルメットサイズ診断を試してみた

頭のサイズを測定する器具

頭のサイズを測定する器具


まずは専用の器具を使って頭の前後・幅・周長を測定してみます。この測定器具と測定方法は2003年にSHOEIが特許を出願しており、翌年には認められた方法です。

私の場合は前後190mm、幅164mm、周長560mm、高さ100mmという結果でした。これをパーソナルフィッティングのシステムに入力していく。そうするとヘルメットサイズ診断表が出てくるシステムです。

ヘルメットサイズ診断表

ヘルメットサイズ診断表


私の場合は診断結果がMサイズだったので、SHOEIのヘルメットを購入する際にMサイズを購入していた判断は間違っていなかったことになります。ただ備考として前後がやや緩めという診断結果もでました。

続いて、いよいよパーソナルフィッティングを試す

J-FORCE 4

J-FORCE 4


今回はSHOEIのスポーツジェットヘルメットJ-FORCE 4でパーソナルフィッティングシステムを体験していきます。パーソナルフィッティング前と後でどの程度変わるのかを調べる為に、事前に4日程度通勤でJ-FORCE 4のノーマル状態の使い心地も体験しておきました。

先ほどヘルメットサイズ診断で測定したサイズをパーソナルフィッティングの管理画面に入力すると、J-FORCE 4の内装にどのようにパッドを追加すればよいかの目安が表示される仕組みとなっています。

こちらも2011年には特許が出願されており、2013年には認められています。

パッドには硬いものと柔らかい物がある

パッドには硬いものと柔らかい物がある


パッドは前・後ろ・左上・左下・右上・右下・頭頂部7箇所を調整していきます。パッドの種類は柔らかいものと硬い物があり貼り付ける箇所ごとに大きさ形が違っています。

まずはシステムがはじき出した指示通りにパッドを追加して試してみます。早速被ってみると、明らかにパッドを足す前と比べてフィット感が増しています。フィット感が増していることに感動していると、海老沢さんいわく「隙間になっている部分にパッドを足しているわけですから、フィット感は格段にアップしているはず」とのことでした。

パッドをヘルメットに追加する海老沢さん

パッドをヘルメットに追加する海老沢さん


通常はここから頭の形などを考慮しながら2、3回試着し、調整していくとのことでした。私の場合も後頭部の左側がポコッと膨らんでおり、右側が絶壁になっているため、右半分にパッドを一枚追加してもらいました。

しかし追加してもらった直後は明らかにきつくなった感じがあり、それを伝えたところ、パッドの位置を調整することで対応することができました。

位置の調整が完了したところで全てのパッドを外してもらい、もとの状態で一度ヘルメットを被らせていただきました。調整後の状態と比べると、元の状態でも満足していた物が緩く感じるようになりました。

なんとこんなに沢山のパッドが追加されることに!パッドは必要に応じてカットすることもあるそう

なんとこんなに沢山のパッドが追加されることに!パッドは必要に応じてカットすることもあるそう


パッドを入れる位置と枚数が決まったら、本番用のパッドを内装に貼り付けていきます。一度貼り付けると剥がすことはできないので慎重な作業となります。

貼り付け作業中の海老沢さんに色々聞いてみた

パッドを貼っていく海老沢さん

パッドを貼っていく海老沢さん


――先日長めだった髪の毛をざっくり切ったんですけど、いつも被っているヘルメットが若干ゆるく感じました。折角パーソナルフィッティングをするなら髪の毛は切った直後の方が良いですか?

海老沢さん「髪の量が多い方や硬い髪の方などは切った後と前とではフィット感に違いがでます。そのため髪を切る直前や直後はさけた方が良いでしょう。ただ髪の毛は1ヶ月で1センチぐらいは伸びるのであまり神経質になる必要はないです」

――パーソナルフィッティングを試して欲しいのはやっぱりレースをやっていたりする人たちですか?

海老沢さん「レースをやっている人たちは高いスピード領域で走行することが多いので通常よりもきつめを求める方が多く、ツーリングライダーは着用時間が長いのでそれぞれヘルメットに求める内容が異なります。用途と好みを伝えて頂くことで適したフィッティングを施すことが可能です」

――パーソナルフィッティングは店頭で購入時にできるとのことですが、購入した後にできないのはなぜですか?

海老沢さん「自分だけの判断でヘルメットを購入してしまうと、本来その人にはMサイズが適切な場合でも、Lサイズを買ってしまうことがあります。適切なサイズ以外のヘルメットをパッドだけで適切なサイズにするのは非常に難易度が高く最適なレベルまで調整できないことがあります。そのため店頭でサイズ診断をしたうえで購入してくださったお客様のみ対象とさせて頂いています」

――体感的にちょっときつくても、内装がヘタってちょうど良くなるということはありますか?

海老沢さん「昔のヘルメットは非常に厚いパッドを使っていましたが、今では昔よりも薄いパッドが使われるようになってきています。昔よりもへたる量が減っているので多少きついぐらいがちょうどよいかもしれません」

パーソナルフィッティング後のヘルメットを試してみた

なんかごつくなった!

なんかごつくなった!


海老沢さんの手によってパーソナルフィッティングが施されたヘルメットを持ってSHOEI本社を出て早速ヘルメットを被り走り出してみました。

チークパッドは交換しなかった

チークパッドは交換しなかった


静粛性という面ではそんなに変わっていない印象を受けました。私の場合チークパッドは適切なサイズだったので交換しませんでした。

J-FORCE4を使う前に使っていたジェットヘルメットはチークパッド部分が薄くまきあげの風の音や冷たさを感じていましたが、パーソナルフィッティング時にはサイズがあっていなければチークパッドの交換も可能だそうです。

脱着は前よりも若干きつくなった印象です。ただ被ってしまえば痛みを感じる箇所はどこもなく、ヘルメットにきちんと守られている印象が強くなった感覚があります。

帰宅中に高速道路も走ってみましたが、今までは長時間高速走行を続けているとずれてしまったヘルメットが、まったくずれませんでした。常に運転に集中できます。

また車線変更時に目視で頭を左右にふるとヘルメットがずれる感覚がありましたが、パーソナルフィッティング後はまったくなくなりました。

もともと首・肩のコリがあるので長時間走行後は首も肩もバキバキになっていたのですが、きちんとヘルメットが保持されることで負担が減りコリが若干緩和されたのは嬉しい誤算でした。

ネット通販全盛の今だからこそ店舗でパーソナルフィッティングを試して欲しい

欲しい物があるとき、店頭で製品を確認しネット通販で最安値の店を見つけて購入するという人は少なくないと思います。

実は今使っているフルフェイスヘルメットも店頭で被り心地を確認しインターネット通販で購入しました。

しかしヘルメットの価格だけに関していえば、以前よりも店頭売りの販売価格も下がってきているような印象があります。

今回受けたパーソナルフィッティングのサービスは購入時に無料で受けることができるサービスです。個人的な感覚で言えば5000円~10000円ぐらいは払っても受けたいサービスだと思います。

ヘルメットは命を守るもの、そしてバイクに乗る時には必ず被らなくてはいけないものです。バイクに乗っている時間を快適と感じるか不快と感じるかはヘルメットの選択肢でも大きく変わってきます。

ヘルメットのサイズ選びに関しての特許を二つも開発した海老沢さんが自信を持って進めるパーソナルフィッティング。これからヘルメットを購入しようとしている方はSHOEIホームページにサービスを受けられるお店一覧が出ていますのでぜひ足を運んでみてください。

なお既にSHOEIのヘルメットを持っているというあなたはSHOEIが出展するイベントにヘルメットを持ち込めばパーソナルフィッティングのサービスを受けることができるそうです。なおイベント情報もSHOEIのホームページで確認できます。

関連リンク

■SHOEI広報に聞いた、失敗しないヘルメットの選び方
■SHOEIウェブサイト
■バイク用ヘルメットの種類や選び方、メーカー等を解説



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