マンションでは定期的なメンテナンスや大規模修繕が必要不可欠ですが、いざその工事が実施されるときには、なかなか厄介な問題もありそうです。

外壁工事のとき、上階に住んでいてもバルコニーで見知らぬ人と顔をあわせることになったり、受水槽や給排水管の工事などではだいぶ長時間にわたって断水したり……工事の内容によっては音の問題もあるでしょう。

一戸建て住宅で自分が主体性をもって依頼する修繕・メンテナンス工事なら、事前に工事関係の人たちと面識をもったり、自分たち家族の生活の都合に合わせて工事をしてもらったりすることも可能ですが、マンションではそれもできません。

一人ひとりの都合などお構いなしに、なかば強引に工事が進められていきますから、居住者の中には最低最悪のタイミングで工事に遭遇する人もいるのではないでしょうか。

たとえば夜勤で朝8時に帰宅して夕方5時に出掛ける人がいるとすれば、在宅時間中はずっと工事が続き、断水のときにはまったく水が使えないことも考えられます。

もちろん、工事の際には事前の通知などがあるわけですが、うっかり水を溜め忘れていたらトイレにも入れません。昼夜逆転生活の人は工事の音でずっと寝られないこともあるでしょう。

また、大規模修繕工事が数か月続くケースもあり、その間は眺望が遮られるだけでなく、バルコニーへは出ずにずっと閉めきったままにする人もいるようです。工事用の足場を組むために、1階の専用庭で丹精をこめて育てていた花がすべて潰されてしまったという話もあります。

大規模修繕ではなくても隣や上下の部屋でリフォーム工事などをすると、かなりの音や振動を伴う場合もあるでしょう。昼夜が逆転した生活の人だけでなく、病気で寝ている人にとっても相当につらいものです。

後から振り返れば短い間の我慢で済んだということもあるでしょうが、マンションに住むときには共同生活への適応性とともに、寛容性や辛抱強さ、工事に対応するためのマメさが必要なのかもしれません。


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(この記事は2006年10月公開の「不動産百考 vol.4」をもとに再構成したものです)


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