省エネ住宅の様々な呼び名・分類をおさえよう
一口に「省エネ住宅」といっても、その時々のトレンドによって「環境共生住宅」と呼ばれたり「スマートハウス」と呼ばれたり、「認定長期優良住宅」「ZEH住宅」などなど様々な呼び名があり混同しがちです。まずはこれらの大まかな違いを押さえておきましょう。→省エネ・スマートハウス・長期優良・ZEHの違い
ちなみに今回、光熱費を比較するZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」とは、その電気の「創る」「使う」を相殺してゼロになる家のこと。つまり、その家で使う電気の量はその家で発電できるため、電気をあまり買わなくても済むという「超節約の家」ということになります。
経済産業省資源エネルギー庁資料(図1)によると、同じくらいの広さの賃貸マンション(築38年)とZEHによる一戸建てとで光熱費を比較したところ、年間光熱費が16~20万削減できるほか、右のケース2では太陽光発電により電力会社に売電することで年間光熱費が+2万になっています。
つまり、家の省エネ性能を高め、大き目の太陽光発電などを搭載することで、電気代が全くかからないうえ、ちょっとしたお小遣い稼ぎも家がしてくれるということです。
ただ念頭に置いておかなければならないのは、省エネ住宅やZEHにするには相当の設置コストが必要になるということ。電気代ゼロもしくはお小遣い稼ぎしてくれるくらいの性能のZEH仕様にするには、新築時に250万~300万円程度の追加費用が必要になります。仮に単純計算で年間20万光熱費削減で導入コストを回収すると計算すると、約12~15年ほどでようやく元が取れるということになります。
しかし、嬉しいことに今は国あげてZEH普及に力を入れている時期。国は「2020年に新築住宅の過半数がZEHとなること」を目指しており、ZEHを建てる人をサポートする補助金も予算を使って用意しています。
まだ平成29年度の補助金概要は正式発表されていませんが、おそらく前年並みの補助金が見込まれており、勿論詳細な条件をクリアする必要がありますが、実現すれば1戸あたり125~150万ほどの補助金が期待できます。
補助金概要が前年同様であれば、発電した電気を溜めておく蓄電池の費用も5万円/1kw(上限は補助金対象経費の3分の1または50万円のいずれか低い方の金額)の補助金が使えます。
これだけの大盤振る舞いの補助金は、国が普及に力を入れている「今」だからの恩恵といえるでしょう。
5~7年で投資回収、その後は年20万の家計節約に
教育費のかかる頃に光熱費が少しでも浮くと助かる?
先のシミュレーションで古い従来住宅に住んでいれば毎年20万の光熱費がかかり続けていきますが、投資回収してからは5年で100万、10年で200万近い出費を、従来住宅と比べて節約できる計算になります。
マイホームを新築して投資回収できる5~7年後といえば、注文戸建を建てる平均年齢が38.5歳(国土交通省調査)ですから、パパママが40代になっている頃。子どもが中学高校に進学して、大学受験を前に塾代や教育費がのしかかってくる時期だけに、電気代がかからない家というのは家計をかなりラクにしてくれるのではないでしょうか。