インドで絶大な人気を誇るジクサー(GIXXER)が日本上陸

バイクオブザイヤーを多数受賞したジクサー

インド市場で絶大な人気を誇るジクサー。バイクオブザイヤーを多数受賞


2014年にインド市場で投入されたスズキのジクサーは、現地の雑誌やテレビ局が主催するバイクオブザイヤーにおいて13の部門で栄冠に輝くなど大きな評価を得ています。

インドでは発売以来販売台数をどんどん伸ばし、月6000台から7000台という販売台数となっているそう。日本でのバイクの総販売台数が年間40万台程度という事を考えると販売台数の多さには驚愕するばかりです。

2015年のモーターサイクルショーで撮影したジクサー

2015年のモーターサイクルショーで撮影したジクサー


ジクサーは日本でもモーターサイクルショーやモーターショーなどで展示されることはありましたが国内での販売は未定となっていました。

しかし2017年1月27日、ついにジクサーが日本市場に投入されました。年間販売台数の目標は720台と控えめですが、インドで大きな評価を得ている同車は日本の道路でも楽しく快適に走ることができるのか?

メインはいつも通り通勤で試乗しつつ、高速道路も走れる車両という点も含めて検証します!

まずはジクサーの装備をチェック!

ジクサーサイドビュー

ジクサーサイドビュー


スズキの広報担当者いわく「もともとインドをターゲットにした車両です」とのこと。なるほど確かにインドやインドネシアなどの地域ではバイクは日常的な足として使われ、2人乗り3人乗りが当たり前という話を聞いたことがあります。

まず車両に跨ってみると強烈な違和感に襲われました。シート高が低いのに妙に足つきが悪い。カタログスペック上シート高は785mm。さらに後述しますがサスペンションも柔らかいので座るとシート高はかなり低くなります。

シート形状の影響で足つきが悪く感じた

シート形状の影響で足つきが悪く感じた


それなのに足つき性が妙に高く感じる。これはシートの形状の問題でした。最近の日本のバイクは足つきを考慮してシートの端をなだらかに丸く加工するのが常識となっています。

しかし、ジクサーのシートは端が角張っているので股が開き気味になってしまい、足つき性が悪く感じるのです。シートのスポンジも日本のバイクと比べて厚くなっている印象です。

ジクサーのリアサスペンション

ジクサーのリアサスペンション


次に前後のサスペンションについて。二人乗り、三人乗りするのが当たり前の国のバイクであればさぞかし足回りは硬いのかと思えば、前後ともフニャフニャです。フロント、リア共に柔らかくなっています。

スプリングの動きを制御するショック本体はしっかりと機能するのでコーナリング時などは粘る動きをしてくれます。柔らかいだけのサスペンションではないのでご安心を。

ジクサーのリアサスペンションはプリロードの調整が可能となっているのでインド仕様は二人乗り、三人乗りする時用に初めからプリロードがかかっているのかもしれません。

ジクサーのメーターは視認性にも優れている

ジクサーのメーターは視認性にも優れている


メーターはギアポジションも表示される多機能メーターが採用されており視認性も悪くありません。

センタースタンドも標準採用されておりメンテナンス性は良さそうなのですが、バイクに跨ったままサイドスタンドを出そうとするとセンタースタンドが出てしまうことが何度かありました。

ジクサーのフロントフェンダーは大きい印象を受けた

ジクサーのフロントフェンダーは大きい印象を受けた


デザイン的には最近のバイクっぽい仕上がりではあるのですが、フロントフェンダーが妙に大きかったり、タンクシュラウドのつき方が独特な印象を受けました。

このあたりは日本人向けデザインとインド向けデザインの違いかもしれません。

よくも悪くも外国向けバイクのニオイがするジクサー。それでは、実際に試乗してみましょう。

ぶん回せるエンジン、手の内に収まる性能が楽しい!

ジクサーのエンジンは燃費にも優れたSEPエンジンを搭載

ジクサーのエンジンは燃費にも優れたSEPエンジンを搭載


早速ジクサーのエンジンをかけてみると、クラッチを握らないとエンジンがかからない「スズキ仕様」でした。

最新の一部のスズキ車両は、クラッチを握らなくてもエンジンがかかるようになっていますが、ジクサーは大多数のスズキ車同様にクラッチを握らないとエンジンがかかりませんのでご注意を。

ニュートラルギアのままエンジンをふかしてみると、なかなかエンジンの吹け上がりは良さそう。早速ギアを入れて走り出してみると思っていた以上に軽快に加速します。

シンプルながらパンチの効いたジクサーのエンジン

シンプルながらパンチの効いたジクサーのエンジン


エンジンの出力は14PS/8000rpm。突出したスペックではありません。同クラスのスクーター、ヤマハのマジェスティSの方が馬力的には優れていて15PS/7500rpmを出力しています。

それじゃあジクサーは突出して軽いか?と言われれば確かにマジェスティSの145kgよりは軽いものの、PCX150の131kgよりは重い135kg。

でも明らかにジクサーはライバルの車両よりも軽快感があります。マニュアル車両ならではのギア比のセッティングなどで軽快感を演出している印象です。

ギアは5速ミッションですが、高速道路で5速100km巡航していてもパワーに余裕があり、スクーターのように小径タイヤを装備しているのではなく、250ccクラス並の前後17インチ、フロント100、リア140の幅のタイヤを装備しているので安定感が違います。

広報担当者の話だとタイヤはインド市場向けのライフ重視のタイヤということでしたが、雨の日や高速道路も走行した感想としてはグリップ力には過不足を感じませんでした。

日本向けジクサーは前後共にディスクブレーキを装備

日本向けジクサーは前後共にディスクブレーキを装備


ブレーキだって前後共にディスクブレーキを装備しており制動力に不満なし。ちょっとしたスポーツ走行だって楽しめちゃいそうです。

サーキットを使ったごりごりの限界走行下でのスペックは決して高くはないのかもしれませんが、日本の道路を走る上では過不足は全く感じません。インドのバイクは日本でも間違いなく楽しく走れちゃうのです。

ジクサーは燃費にも優れている

街中試乗でのジクサーの燃費は41.6km/h。燃料タンク容量は12Lなので単純計算で499.2km連続巡航することができることになります。

今まで色々な排気量のバイクに試乗していますが、現行の車両で500km近く連続巡航できるバイクを私は知りません。

試乗という事であえてエンジンをガンガン高回転まで回したりもしていたのですが、それでもこの高燃費は驚きです。

ただし、ジクサーのエンジンは5速100km巡航時には高回転の状態になっていますので高速巡航時には燃費はあまり伸びないと思った方が良いでしょう。

ジクサーは国内仕様車とインド仕様車で装備が異なるので注意

インド仕様のジクサー

インド仕様のジクサー


現在はインドからの平行輸入車と国内仕様車どちらも市場に出回っていますが、よくよく見てみたらインド仕様車はリアブレーキがドラムでエンジンスタートもセルではなくキックオンリーでした。

ジクサーSPという車両はリアブレーキもディスクでセルモーターもついており、国内仕様に近い仕上がりになっていますが、燃料の供給方式がインド仕様はアナログ制御のキャブレター、国内仕様はコンピューターインジェクションになっていました。どうやらタイヤも銘柄が違うようです。

平行輸入車ということであれば、スズキのメーカー保証も一切ききません。市場では20万円を切る衝撃プライスで販売されているので魅力的ですが注意は必要です。

ジクサーは個人的には最高の通勤快速として推したい一台

ジクサーフロントビュー

ジクサーフロントビュー


お世辞を言っても仕方がないのでハッキリ言わせてもらえば、国内で発表されているバイクに比べるとジクサーは細部の仕上がりが若干チープに見える側面もあります。しかし、走る楽しさや安定感は格別です。

私自身通勤や家の周りを走るためにスズキのアドレスV125を所有していますが、ニーグリップができないので風が強い日に海上のゲートブリッジを走行するときは結構ドキドキします。

それに対してジクサーは安定感もあり、バイクを運転する楽しさもしっかりとあるので気持ちよく通勤ができます。扱いきれないビッグバイクを操る楽しさとは別の楽しみ方です。

ジクサーは若年層がターゲットらしく、お値段もだいぶ頑張っているとのこと。大学生時代の私はスズキのレッツ2というスクーターを足にしていましたが、もしその時期にジクサーを手にしていたら、学生ゆえのフットワークの軽さであっちゃこっちゃ走り回っちゃいそうです。

インプレッション用に通勤用のアドレスV125からジクサーに乗り換えた際のインパクトったら半端じゃなかったです。

お店でマジマジ見てしまうとインドクオリティが気になるところがあるかもしれませんが、チープって言ったって実際に安いんですし、乗ったらめちゃくちゃ楽しいんです。

スズキの公式ホームページを見たらジクサーの試乗ができる店舗は全国に23店舗しかありません。あかんよスズキさん!もっと試乗できる機会を増やしてあげてほしい!そうしたらきっと150ccクラスのマニュアルバイクという新しいジャンルの開拓に繋がると思います。


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