住宅設備・建材の選び方/住宅設備・建材選び

狭くても収納スペースを増やすプランニングのコツ

限られたスペースでも収納はできるだけ確保したいもの。ここでは、メーカーの収納建材商品をみながら、狭くても取り入れることができる工夫をみていきましょう。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

持ちモノを把握し、使うところに出し入れしやすく

新築やリフォームの際、たくさんの収納スペースを確保したい、と誰もが望むものですが、狭小敷地であったり、限られた床面積でのプランでは、なかなか難しい場合もあるでしょう。

広さに関わらず、収納プランの基本は、まず、持ちモノを把握すること。そして、使うところに、出し入れしやすくしまうことがポイントです。また、収納の考え方には、分散収納と集中収納がありますが、限られたスペースで検討する場合は、両方を上手に使い分けたプランを検討することも大切でしょう。

小屋裏やロフト  使い勝手のいい梯子や階段を設けること

限られたスペースを有効利用する方法として代表的なのは、小屋裏収納やロフト。広さにもよりますが、集中的に収納することができるスペースです。設ける際には、間取りに大きく関わるので早めに検討するようにしましょう。ポイントは、できる限り収納しやすく出しやすい場所にプランニングすること。行き来しにくい場所では、一度収納したらそのまま、となってしまうケースも多いようです。

また、階段やはしごは、安全な場所に設置し、荷物を持って昇降しやすいタイプを選ぶこと。子供部屋にロフトを設ける場合は、机やベッドなどのレイアウトを考慮して、上り下りしやすい場所に設けるようにしましょう。

床下の冷気や隙間風が侵入しにくい構造。[床下収納ユニット〈高気密・高断熱住宅用〉] パナソニック エコソリューションズundefinedhttp://sumai.panasonic.jp/

床下の冷気や隙間風が侵入しにくい構造。[床下収納ユニット〈高気密・高断熱住宅用〉]  パナソニック エコソリューションズ

床下  キッチンや洗面室などに設けるケースも多い

キッチンや洗面室などで、食品や日用品のストックに向いているのが床下収納。低くかがんで出し入れするため、上手に使いこなすためには、扉の開閉や取り出し作業のしやすさに注意することがポイントです。

メーカーの商品としては、収納ボックス(収納庫)を床下に埋め込み、床材と同様の置き蓋もしくは扉状の蓋のタイプがあります。高気密高断熱用のタイプや和室の畳下用、複数(2~3)の収納ボックスを連結できるタイプも揃っているので、設置する空間や収納するモノに合わせて選ぶことが可能でしょう。

廊下や階段の壁面  行き来するためのスペースを活用する

リビングやダイニング、寝室などだけでなく、廊下や階段といった行き来するためのスペースの壁面を活用してもいいでしょう。壁面に造り付けの収納を設けたり、階段の踊り場を利用して本棚を設け、ファミリーライブラリーとしても。プランニングする際は、雑然としないような収納方法を検討すること、収納扉の開閉などが通行の邪魔にならないようにすること、などが注意しておきたいポイントです。
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システム収納を取り入れて、廊下スペースを上手に使用する。  [キュビオス システムファニチャー セットプラン PS-03T]  パナソニック エコソリューションズ
 

階段下  内部のつくりによって使い勝手は変わる

間取りプランにもよりますが、比較的スペースを確保しやすいのが階段下。室内側からだけでなく、屋外側に扉を設けても使い勝手のいいものです。玄関や廊下周辺であれば掃除道具などを、リビングであれば日用品のストックなどにも利用できます。屋外から使用するプランであれば、ガーデニングやアウトドア用品などの収納に役立つでしょう。

階段の傾斜など変形した空間となる場合が多いので、棚やフックなどを用いて空間を有効活用できるように工夫を。比較的広めのスペースが取れるのであれば、照明を設置しておくと便利でしょう。その他、造作で階段の蹴上げ部分を引き出し式の収納などとするプランも考えられます。

壁の厚み  細かなモノの収納や空間の演出にも

建物の構造や間取りプランにもよりますが、壁の厚みを利用した「壁厚収納」とするのもいいでしょう。たとえば、玄関に設けて飾り棚としたり、スリッパなどをしまうスペースとしても。階段の手すり壁や廊下の間仕切壁などを利用し、書籍を並べたり。キッチンでは、調味料のスペースとしたり、トイレに設けてペーパー類を収納することも可能です。

室内の壁厚を活かした収納ユニット。空間の広さを確保しつつ、収納も確保できる。飾り棚 [壁厚収納 カベピタ] undefinedDAIKENundefinedhttp://www.daiken.jp/

室内の壁厚を活かした収納ユニット。空間の広さを確保しつつ、収納も確保できる。飾り棚 [壁厚収納 カベピタ]  DAIKEN
 

建材メーカーの商品には、本棚や飾り棚、電話台、洗面やトイレなどに適したタイプなどが揃っており、空間のポイントとなるようなデザイン性のあるタイプもみられます。壁部分に関わるので、プランニングの段階で設計担当者に相談することも大切でしょう。

畳コーナーの下  小上がりを利用したり、箱畳のようなユニットも

さまざまな用途に用いることができる畳コーナーを取り入れた間取りも多くみられるようになりました。リビングからつなげた小上がりのようなプランであれば、畳の下部分を収納スペースとしても。引き出しを設けたり、畳を上げて出し入れするようにしてもいいでしょう。

くつろぎのスペースと同時にたっぷりの収納スペースも確保。大容量の収納庫。畳が丘] パナソニック エコソリューションズundefinedhttp://sumai.panasonic.jp/

くつろぎのスペースと同時にたっぷりの収納スペースも確保。大容量の収納庫。[畳が丘]  パナソニック エコソリューションズ

メーカー商品には、天板が畳の箱(箱畳)のようなタイプがみられます。ベンチとして腰を掛けて使いことができ、組み合わせることでくつろぎのスペースとすることも可能なもので、箱部分が収納スペースとなっているのが特徴。リフォームでも取り入れやすいアイテムでしょう。

壁面ラック  すっきりと見せる収納に

収納量を確保することはできませんが、壁面にラックなどを設けるプランも考えられます。建材メーカーからは、ハンギングタイプの商品がみられ、リビングのテレビまわりや子供室のデスク前などをすっきりと片付けることができるでしょう。

ギリャリーと収納を兼ねた、インテリア性の高いハンギング収納。圧迫感を感じさせない。さまざまな空間に壁面を演出できる。[Hapia basis(ハピア・ベイシス)ハンギング収納undefinedレセプト機能タイプ] undefinedDAIKENundefinedhttp://www.daiken.jp/

ギャラリーと収納を兼ねた、インテリア性の高いハンギング収納。圧迫感を感じさせない。さまざまな空間に壁面を演出できる。[Hapia basis(ハピア・ベイシス)ハンギング収納 レセプト機能タイプ]  DAIKEN
 

狭く限られた空間に、多くの収納スペースを確保するには、空間をすき間なく効率的に利用すること。そのためには、造り付け収納やシステム収納を上手に利用することもひとつの方法でしょう。どのような収納プラン、収納スペースが必要かは、家族構成やライフスタイルはもちろん、間取りも大きく関わるもの。持ちモノのリストアップとともに、どのような収納スタイルが希望なのか、使い手に合わせて、明確にすることが大切です。


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