macOSならTime Machineという機能が標準で用意されています。Windows 10の場合はファイル履歴機能などがあります。
これらのOS標準機能よりも多機能のバックアップソフトはいくつかありますが、その中でも最新の環境に合わせ、新機能を続々と追加しているのがアクロニスのバックアップソフトです。
Acronis True Image 2017 New Generation
アクロニスは個人や企業向けのバックアップソリューション等を提供しています。
個人向けの最新版となるAcronis True Image 2017 New Generationから、バックアップがどのように進化したか見てみましょう。
個人向けの最新版となるAcronis True Image 2017 New Generationから、バックアップがどのように進化したか見てみましょう。
最近のバックアップ事情
アクロニスの最新ソフトを説明する前に、最近のバックアップ事情を説明しましょう。
従来のバックアップと言えばパソコンが対象でした。しかし、現在個人が利用するデバイスで最も重要なデータのやりとりをしているのはスマートフォンです。そのスマートフォンはクラウド上にバックアップする仕組みがありますが、仮に各社のクラウドサービスにログインできなくなった場合、データが取り出せなくなってしまいます。
また、Facebookのようにインターネット上に様々な情報を自分で投稿するサービスも多数あります。こちらも万が一アクセスできなくなった場合、自分のデータを取り戻せなくなります。
個人のデータは様々な場所に点在
このように、バックアップの対象はパソコンの中にあるデータだけでは無く、スマートフォンを筆頭とした様々なデバイス、クラウド上にあるデータなど多様化しています。
そもそも、バックアップは機器の故障による消失、間違いによる削除が主な目的でした。
これに加えて、クラウド上へアクセスが出来なくなるような状態(パスワードを忘れたとか)のバックアップも重要ですが、マルウェア(コンピューターウイルス)による被害対策にもなっています。
日本はランサムウェアの被害が多い
特に最近必要になっているのが、ファイルを勝手に暗号化し、身代金を要求するランサムウェアによる被害です。
ランサムウェアはファイルを一気に暗号化し、身代金を払わないと、ファイルを利用出来なくしてしまいます。そもそも身代金を払って暗号化を解除してもらえるのかはわかりませんが、このランサムウェアの被害を防ぐ最終的な対策がバックアップとなります。
また、ランサムウェアのようにファイルをすべて暗号化するのでは無く、一部分だけを改ざんするような犯罪も発生しています。
バックアップは、パソコンの故障対策などから、自分のデータを保護するという目的へと変わっているのが現状があります。
強化されたバックアップ機能
そんな状況で、バックアップというあまり進化がなさそうなソフトながら、短期間で機能強化を続けているのが、Acronis True Imageシリーズです。
2016年9月にAcronis True Image 2017が登場しましたが、半年も経たない2017年2月にはさらに機能強化したAcronis True Image 2017 New Generationが登場しました。
New Generationの名前通りにバックアップだけではなく、最新の環境に合わせたデータ保護ソフトとして様々な機能強化がされています。
最新の環境に合わせた新機能の追加
基本的に、WindowsとmacOSで動作するソフトで、パソコン内のデータのバックアップ機能に関しても高速化などの強化がされています。さらにデータ保護に関する様々な機能が強化、新規追加されています。
特に、従来版からも対応していたiOSやAndroid、Facebookのバックアップがさらに強化され、ランサムウェア対策やデータの改ざん対策に関する機能も新規で追加されました。
ランサムウェアの被害から自動復旧
新規追加された機能の中には、セキュリティソフトのような動きをするActive Protectionという機能があります。ランサムウェアのようなファイルを勝手に暗号化するマルウェアの動作を検知し、ファイルの書き換えを止め、ファイルを元に戻します。
ランサムウェアのように日々亜種が作られるマルウェアは、セキュリティソフトの対応が間に合わない場合もありますし、動作後に検出されることがあります。
この機能を使えば、ランサムウェアの動作後でもデータを自動で取り戻せるようになります。
AcronisのActive Protection機能
ファイルをまるごと書き換えるような被害がなくても、ファイル内の情報を改ざんするような不正行為も多発しています。これを検証できるのがAcronis Notaryです。
データをバックアップすれば、ビットキャッシュで使われているブロックチェーン技術によって、ファイルの指紋を保存。この指紋によって、バックアップ後にデータが改変されていないかの確認が可能となります。また、Acronis ASing機能によって電子署名も利用可能となります。
基本機能だけならコストも抑えて
このような強化された新機能までは必要ないという方もいると思います。また、Acronis True Imageはインターネット上のクラウドへのバックアップにも対応していますが、こちらも必要ない場合もあるでしょうし、容量を大きくしたい方もいると思います。
このような個人の好みに応じて、様々なプランからバックアップのサービスを選べるようになっています。バックアップが中心のスタンダード版、ランサムウェア対策も含むプレミアム版。クラウド上の容量も選択可能となっています。
マクロソフトはWindows 10を常に進化するサービスだとしていますが、バックアップもデータ保護のサービスへと変わりつつあることがわかります。
個人も重要になるデータ保護
従来型のパソコンのデータを他の所へコピーするだけのバックアップは、基本的な機能としてこれからも残ります。Acronis True Imageの進化から見えてくるのは、個人向けでもバックアップ対策は非常に重要になるが、ユーザーの環境に合わせてサービス内容は選べるようになるという点です。
企業で利用しているデータは、事業継続に不可欠なため、IT管理者によって様々な管理されます。個人が利用しているデータも、写真や動画、各種文書など、無くしてしまっては取り返しのつかなくなってしまう物は多くあり、バックアップの需要は存在します。
これらのデータをどこまでバックアップするかは、各個人が選べます。すべてを任せたいならフル機能版を選べますし、ある程度自分で出来る範囲で低コストにやりたいなら、単機能版を選ぶのもいいでしょう。
そのようなデータの管理をどこまでするかを、予算やどこまで保護したいかにあわせて、選択できるようになります。
台数無制限のモバイルバックアップ
スマートフォンだけなら、各社が用意しているクラウド上へのバックアップでも可能ですが、容量は足りません。
そのクラウド上へのバックアップでは、何らかの問題でアクセスできなくなってしまったときにデータが取り出せません。複数のデバイスを一括で管理するなら、Acronis True Image 2017 New Generationの様な製品の利便性は高いです。
今回追加されたランサムウェア対策のような機能をどこまで必要とするかは、個人の判断によって分かれますが、バックアップを今まで意識したことが無いなら、単機能版から始めて見るというのも悪くは無いでしょう。
【関連サイト】
アクロニス