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スーツケースの選び方!プロが伝授する失敗しないポイント4つ

スーツケースといっても、ソフトやハード、四輪、二輪など様々。ファスナーとフレームの開閉タイプの違いに加え、サイズや色もたくさんありますよね。それらを理解した上で選び、国内・海外旅行をより楽しい旅にしましょう! 旅のプロが賢いスーツケースの選び方をご案内します。

三田村 蕗子

執筆者:三田村 蕗子

航空券・飛行機ガイド

スーツケースは自分の旅に合ったものを!

スーツケースは種類が豊富…失敗しない選び方を知りたい!

スーツケースは種類が豊富…失敗しない選び方を知りたい!


みなさんはどんな旅行かばんで旅に出ていますか?

アウトドア用のリュックサックや軽量のナイロン製ボストンバッグで済ませている方もいると思いますが、やはり多くの人が使っているのはスーツケースではないでしょうか。

しかし、スーツケースと一口に言っても、1週間以上の旅行、週末の旅行など、泊数によってサイズが違います。素材も大きく分けて、ハートタイプ、ソフトタイプの2種類に分かれ、キャスターも二輪タイプもあれば四輪タイプもあります。ハードタイプのスーツケースにはファスナーとフレームの2種類が存在します。

それぞれの違いや特徴を踏まえた上で選ぶのが、スーツケースの賢い選択方法。一つずつ解説していきましょう。
 

スーツケースのサイズの選び方

泊数に適したスーツケースのサイズって?

泊数に適したスーツケースのサイズって?


一般に、泊数とそれに適したスーツケースの容量は以下とされています。
 
  • 3~4日 50リットル前後
  • 5~1週間 70リットル前後
  • 1週間~10日 90リットル前後
  • 10日以上 100リットル前後

中には、徹底的に荷物をコンパクトにして50リットル前後のスーツケースで10日間の旅行を乗り切る人もいれば、週末旅行に90リットル前後のスーツケースで旅立つ人もいますが、それらはちょっと特殊な例。

せっかく海外旅行に旅立つならば、お土産モノを入れるスペースも残しておきたい! ガイドは、パンパンに詰まった状態で旅立たないことをオススメします。半分は無理でも、3分の1程度のスペースはお土産用に確保することを前提にサイズを選びましょう。気持ちにも余裕が生まれます。

自分が洋服や靴など荷物をたくさん持っていきたいタイプなのか、コンパクトにまとめるタイプなのかを自覚した上で、前者ならちょっと大きめのサイズを、後者なら泊数に応じた一般的なサイズを選ぶのがベター。旅行には性格が出ます。性格を踏まえた上でのサイズを選びましょう。

 

ハードとソフト、スーツケースの素材の選び方

頑丈で耐久性のあるハードタイプのスーツケース

頑丈で耐久性のあるハードタイプのスーツケース


次は、ハードとソフトの違いを見ていきたいと思います。海外ではハードケースを使っている人を見かけることは少ないのですが、日本人は圧倒的にハードケース派が多数。それは以下の点が評価されているからでしょう。

(1) ハードケース

<メリット>
  • 頑丈で耐久性がある
  • 中のモノが壊れにくい
  • ナイフで切り裂かれる心配がない
  • 高級感がある
  • 旅行気分をかきたてられる
  • ステッカーやシールを貼って、自分のオリジナルに仕上げることができる
  • 有名ブランドが多い
  • 四輪付きなので移動しやすい
  • レンタルの種類が多い

ハードケースは確かに固く頑丈です。ナイフで切っても中を開けることはできません。せいぜい傷がつく程度。また、割れやすいモノを入れても、比較的壊れにくいといえるでしょう。リモワやサムソナイト、ゼロハリバートンなど有名ブランドでは壊れた際の修理に対応しています。万全なアフターケア体制を望む方はそうしたブランドがオススメです。

デメリットも挙げてみましょう。

<デメリット>
  • ポケットが外についてないので、ちょっとしたモノを取り出しにくい
  • 使うときには観音開き(両面を開ける)なので、ホテルで場所を取る
  • ソフトケースよりも重いモノが多い
  • 重量があるため、空港では乱暴に扱われがち
  • 使っていくうちに、傷や凹みが目立ってくる
  • 価格が高め

ポケットがたくさんついていて機能的に仕上がっているソフトケースと比べると、ちょっと何かモノを取り出したいというときにはハードケースは不便です。広いホテルならいざしらず、狭いホテルの一室ではハードケースはなかなか使いづらいもの。

空港で雑に扱われていくうちに、新品のときはピカピカでも、次第にボディに傷や凹みが目立ってきます。
 
ハードタイプのスーツケースには、ステッカーを貼ってオリジナルに仕上げられる

ハードタイプのスーツケースには、ステッカーを貼ってオリジナルに仕上げられる


しかし、ハードもソフトも両方持っているガイドが、ハードケースで一番気に入っている点は、傷や凹みを伴う経年変化にあります。旅を重ねるとともに味が出て、誰のものでもない自分のオリジナルになっていく。好みのステッカーやシールなどを貼ることができるのもうれしい点です。

最近は、軽量化が進み、ソフトケースと変わらないほどの重量のハードケースも続々と登場しています。ハードがソフトに近づいてきているのです。

 

(2) ソフトケース

計量で使い勝手の良いソフトタイプのスーツケース

計量で使い勝手の良いソフトタイプのスーツケース


最近は日本人もソフトケースの利用者が増えてきたようです。ソフトケースのメリットが広く知られるようになり、海外旅行=ハードケースというイメージが薄れてきたからでしょう。ソフトケースのメリットを挙げてみます。

<メリット>
  • ポケットがついていて機能的にできている
  • 軽量
  • 柔軟性がある化学繊維の生地を使っているので、モノをたくさん詰めてもそれなりに収まる
  • 片面開きなので、ホテルで場所を取らない
  • ハードケースよりも安い
  • 小さいサイズは肩にかけたり背負えるタイプもある

ソフトケースの一番の持ち味は軽量性と機能性。外に取り出しやすいポケットを付けたタイプも多く、使いやすさはこちらに軍配が上がります。もちろんデメリットもあります。

<デメリット>
  • ナイフで切り裂いて、中を開けることができる
  • 振動や衝撃で、中のモノが壊れる可能生がある
  • ハードケースと比べるとデザインバリエーションが少なく、選ぶ楽しさにやや欠ける
  • 他人のケースと混同しやすい
  • 水に弱い
  • 二輪タイプはやや移動性に欠ける

もっとも、ナイフで切り裂きにくい生地や防水加工を施した生地を使った最新型も多くなりました。その分、値段は高くなりますが、安全性、防水性を重視する方にはオススメです。

以上、ハードケースとソフトケースのメリット、デメリットを挙げてみましたが、両者ともに年々進化しています。ハードケースは軽量化し、ソフトケースの素材の耐久性や防水性も着実に上がっています。

スーツケースでよく壊れるのはキャスターやハンドル部。これはハードでもソフトでも変わりません。四輪のソフトケースも増えてきました。いまや両者の決定的な大きな違いは両面開けか片面開けかの違いぐらいではないでしょうか。

では、これらを踏まえて、ハードとソフトのどちらを選ぶのか。ガイドがオススメするのは、自分の性格やどこに行くのか、どんな旅になりそうなのかという点から逆算して選ぶ方法です。

例えば……

旅の気分を思い切り味わいたい  → ハードケース
ちょこちょこモノを取り出したい → 外ポケット付きのソフトケース
移動しやすさにこだわりたい   → 四輪のハードケース
滞在先のホテルが狭い      → ソフトケース
万全なアフターケア体制がほしい → 有名ブランドのハードケース
スーツケースを乱暴に扱いがちなヨーロッパの空港を利用する → ハードケース
旅先では、背中にしょったり肩にかけたりして使いたい → (その仕様の)ソフトケース

とはいえ、ハードケース、ソフトケースの両方を家に置くにはスペースが必要です。どちらかに絞るというのは現実的な考えでしょう。その場合には、ずばり、

機能重視    → ソフトケース
デザイン性重視 → ハードケース

という選択をオススメします。

ハードケースを持つのは日本人ばかり、とよく言われますが、自分が持ちたいモノを持つのが一番。色やデザインの選択肢が多く、自分のオリジナルに育てられて、いかにも「旅行」という気分を演出してくれるハードケースにするのもいいし、機能にこだわり、使いやすいソフトケースにするもいい。ちなみにガイドは、大きなサイズはハードケース、機内持ち込みはソフトとハードの両方で使い分けています。ご参考までに。


 

開閉タイプの選び方…フレーム? ファスナー?

ハードタイプのスーツケースにしよう。そう決めた人の前に立ちはだかるのがが、フレームタイプを選ぶのか、ファスナータイプを選ぶのかという問題です。ここでも、それぞれのメリット、デメリットを挙げてみます。

(1) フレームタイプ
防水性がありこじあけられにくいフレームタイプのスーツケース

防水性がありこじあけられにくいフレームタイプのスーツケース


<メリット>
  • 頑丈
  • 安定感、信頼感がある
  • 防水性が高く、中に水が入ってこない
  • こじあけられにくい

<デメリット>
  • 若干、重い
  • ちょっとモノを取り出したいときに不便
  • 開閉が面倒

フレームタイプの最大の持ち味は、やはり頑丈さ。割れやすいものなどを入れるには安心です。気になる重さについても、最近は、軽くて強度もあるマグネシウムフレームを採用したハードタイプが増えているので、以前ほどソフトタイプとの違いがなくなりました。ただし、価格が高くなることは知っておいてください。

(2) ファスナータイプ
壊れにくく荷物を詰め込みやすいファスナータイプのスーツケース

壊れにくく荷物を詰め込みやすいファスナータイプのスーツケース


<メリット>
  • フレームタイプより軽量
  • 衝撃を吸収しやすいため、壊れにくい
  • ちょっとモノを取り出したいときに便利
  • 荷物を詰めやすい

<デメリット>
  • ファスナーのかみ合わせが壊れることもある
  • ファスナー部分を切られる可能生がある
  • 中に水が染み込みやすい
  • 外部からの衝撃が中のモノに伝わりやすい

ファスナータイプは軽量で使い勝手がいいのが持ち味。また、ファスナーが衝撃を吸収しやすくなるため、そのソフトな見かけに反して、実は壊れにくいというメリットもあります。

デメリットの防水性については、研究開発が進み、以前ほど気にならなくなりました。使っているうちにファスナーのかみ合わせが悪くなり、使えなくなったという例もありますが(ガイドも経験済み)、多くの場合、ファスナーのクオリティによる部分が大きいようです。ファスナーの質と価格は比例関係にあります。あまりに安いタイプを選ぶと、こうしたトラブルの確率が高まるかもしれません。

盗難や事故に遭う可能生については、フレームタイプの方がこじあけられにくいことは確かでしょう。ファスナーはナイフで容易に切り裂くことができます。ただし、盗難は「スーツケースをそのまま持っていかれる」パターンが非常に多いのです。この場合には、フレームでもファスナーでも関係ありません。ファスナーだから盗難に遭わないという過信は禁物です。

以上を踏まえて、

多少重くなっても、頑丈で防水性が高く、中のモノをしっかり保護したい → フレーム
軽量で使いやすく、荷物を頻繁に出し入れする人 → ファスナー

という基準で選ぶことをオススメします。

 

スーツケースのキャスターの選び方…二輪? 四輪?

スーツケースのキャスターの数は、2つのタイプを選ぶ? それとも4つ?

スーツケースのキャスターの数は、2つのタイプを選ぶ? それとも4つ?


キャスターが4個ついた四輪タイプと、2個だけの二輪タイプ。数が多いほど、移動しやすいように思えますが、必ずしもそうとは言い切れません。使用する場所などによっても違うからです。以下、それぞれのメリット、デメリットを紹介します。

(1) 二輪

<メリット>
  • 二輪よりキャスターが大きめで、凹凸のある場所でも使いやすい
  • 安定して走行できるので、中のモノに衝撃が伝わりにくい
  • 比較的壊れにくい
  • 比較的音が静か

<デメリット>
  • 本体を斜めに倒して引くことしかできない
  • 一方向にしか移動できない

(2) 四輪

<メリット>
  • 四輪状態だけでなく、斜めに倒して二輪での移動も可能
  • キャスターが360度可動するので、狭い場所、通りにくい場所でも楽々移動ができる
  • 軽い力での走行が可能

<デメリット>
  • 凸凹のある道に弱い
  • 音がうるさいものが多い
  • 比較的壊れやすい
  • 手を話すと動いてしまう(ストッパー付きでないもの)

以上を踏まえて、次のような基準で選んでみてはいかがでしょうか。

安定した走行性を望む → 二輪
道の悪い場所、凸凹の多い場所を旅行する → 二輪
楽に引けるスーツケースがいい → 四輪
長時間スーツケースを引く → 四輪

スーツケース選びは旅行の第一歩。メリット・デメリット、そして自分の性格や志向、どんな場所を旅行することが多いのかを把握した上で、スーツケースを吟味するプロセスをぜひ楽しんでください。

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※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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