貯蓄/貯蓄する基本の方法

今日から始めたい「お金を貯めるプロジェクト」

お金について「不安」を持っている人は多いでしょう。この先、何がどう変化するかわからない。年を取って悲惨な目には遭いたくはないと思います。そうならないために、必要貯蓄率を知り、貯蓄を始めましょう。

岩城 みずほ

執筆者:岩城 みずほ

学費・教育費ガイド

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あなたの必要貯蓄率を達成するためにどうする?

「人生の中での『お金』の考え方」についてお話をしています。今回は3回目です。1回目は、お金って何?お金に振り回されないようにするためにはどうすればよいのか考えました。2回目は、あなたの必要貯蓄率がわかる「人生設計の基本公式」をご紹介しました。

3回目は、あなたの必要貯蓄率を達成するために、どうすればよいのかを考えます。

貯めるプロジェクトをスタート

必要貯蓄率がわかったら、いよいよ実際に「貯める」を実践していきます。その前に、「貯蓄」というのは、銀行の預貯金のことだけではありません。年収から、社会保険料や税金を支払って、あなたが自由に使ってよいお金は可処分所得と言います。

みなさんは、毎月、この所得の中から生活費など消費にあてますが、同時にその中から貯蓄をしていかなければなりません。つまり、所得の中で支出せずに残しておく金額のことを「貯蓄」と言います。この「貯蓄」は、預貯金のように「流動性」を第一に考えるもの、定期預金や個人向け国債など「安全性」を重視するもの、投資信託や株式など「収益性」を目指すものなどを適切に選択し、もっとも合理的で効率的な手段をとるべきです。

「72の法則」を活用する

みなさんは、「72の法則」をご存知ですか?
これは、72を年利回りで割ると、元本が倍になる期間(運用年数)がわかるというものです。

例えば、今の定期預金金利は0.01%ですが、
72÷0.01=7200 で、
100万円を200万円にするには、なんと7200年かかります。
年利回りが、1%なら、72年。

3%なら24年です。
ほとんど金利がつかない預貯金だけにお金を置いておくと、お金はなかなか増えないということがわかります。

計画的に老後資金を作っていこう

2014年の公的年金の財政検証によると、将来的に、公的年金は、現在の受給者が受け取っているものよりも減ると見込まれています。小さく見て2割減、大きめに見ると3~4割くらい実質減になりそうだということです。

国に頼るだけではなく、計画的に自分で老後の資金を貯める必要があります。
と、ここで、それならばとばかりに、勧められるまま、個人年金保険や、理解できない投資信託などを購入するのはやめてくださいね。
商品を選ぶのは最後です。

さらに、運用で大きく増やすということを都合良く組み込まずに、必要額を計画的に貯めることを考えるのが堅実なやり方です。もちろん、リスクを取って運用することも必要ですので、順にお話しています。

まずは家計を見直し支出を減らす

必要貯蓄率を達成するために、家計を見直します。
最初にしたいのは、効果の大きな「固定費の見直し」です。私的保険、居住費を検討してみましょう。
見直しのコツは、「正しい知識をもつ」ことです。いわゆるマネーリテラシーと言われるものですが、それらを身につけることで、ムダなお金を払わなくてすみます。

例えば、生命保険は、契約した時点で大きな保障をもつことができますが、支払事由(死亡や病気になるなど)に該当しなければお金を受け取ることはできません。「貯蓄」とは異なる性質のものです。

長い期間支払い続ける保険料は、大きな固定になりますので、公的保険に加入していることを前提に、私的保険への加入は最低限にするべきです。

私たちは、すでに公的保障で守られていますので、私的保険は、それでは足りない部分を補うために加入し、ネット生保や共済を利用し、なるべく保険料をおさえることが大切です。

また、予定利率(生命保険会社が契約者に約束する運用利回り)が非常に低い今、保険でお金は増えません。保障と貯蓄は別に考えるべきです。よって、お金を増やす目的で、今、個人年金保険や終身保険、学資保険などに加入するのは適切な行動だとは言えません。

住居費は、家賃、住宅ローンともに、毎月の可処分所得から支払うべき支出です。私的保険料と同じく、大きすぎると生活を圧迫し、貯蓄ができません。

必要貯蓄率が達成できない状況なら見直すべきでしょう。
賃貸の場合は、もっと安い家賃のところに引っ越しをおススメします。
住宅ローンは、現在、住宅ローン金利が低い状況ですので、金利の見直しや、借り換えで返済額を下げられのならば、すぐに実行してください。

減らすが無理なら収入アップを検討する

以上について、大した効果が見込めない場合は、収入を増やすことを検討すべきでしょう。妻が働きに出る。妻の収入を増やすなどです。それも不可能ならば、生活水準を下げ、家計の支出を抑えるしかありません。

例えば、前回の例での必要貯蓄率は21%でした。
もし、妻が10年間だけパートに出て毎年100万円稼ぐとすると、
100万円×10年=1000万円を「現在貯蓄額」に算入します。

すると、計算式は以下のようになります。
人生設計の基本公式

人生設計の基本公式


必要貯蓄額は、21%から下がって、16.99%になります。

「人生設計の基本公式」は、これからの生き方を模索するために利用できる式です。数字を色々入れてみて、あなたが達成可能な貯蓄率を導き出し、これからのお金の人生計画を立ててみてください。

正しいマネーリテラシーを身につけ、主体的に貯蓄を増やしていきましょう。とにかく続けることが大切です。将来を見通してしっかり計画することで、やみくもな「不安」からも解き放たれます。

そして、貯めたお金は、確定拠出年金(DC)やNISAなど適切な置き場所に置き、お金も経済に参加して、少しばかり稼いできてもらえるようにすることも大切です。次回からは、運用についてお話していきます。
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