名古屋の観光客は右肩上がり。土産も名古屋めしが目白押し
観光客が年々右肩上がりで増えている名古屋。平成27年度は過去最多の約4331万人の来訪を記録しました。これは前年比9%アップ(平成26年約3965万人)、愛知万博開催年の平成17年の3514万人と比較すると23%も増えています。そんな観光客が買い求めるのが名古屋名物の数々。お土産物売り場にはういろう、きしめん、手羽先など、いわゆる“名古屋めし”系商品が目白押しです。こうした定番に割って入る新しい人気商品はあるのか? 今回はグルメを中心に名古屋土産のニューカマーを紹介します。
東海キヨスクに聞く!最新・名古屋土産事情
まずは最新の名古屋みやげ事情を東海キヨスク中部支社・加藤久詞副支社長にお聞きしました。「名古屋駅のキヨスクの売上は、和菓子なら『赤福』、坂角総本舗のえびせんべい『ゆかり』といった伝統のある定番ブランドが不動の人気を誇ります。名古屋名物としての認知度が高いういろう(本文中の表記は「ういろう」。店名や商品名の「ういろ」は固有名詞に準ずる)は、取り扱い4社(青柳ういろう、大須ういろ、餅文総本店、雀踊り總本店)合計で前年比プラスと人気が根強い。団塊世代はクラシックなういろうの個包装商品、若い世代は大須ういろの『ウイロバー』など新しいタイプのういろうと、世代ごとに人気商品があるのが強みとなっています。
洋菓子は『名古屋嬢』(「桃の館」のチョコサンドクッキー)、『名古屋ふらんす』(「名古屋フランスcorp」のおもち+焼き菓子の和洋折衷スイーツ)などが定番ですが、ジャンル自体の歴史が浅く、新商品が食い込める余地のあるジャンルです。
お菓子の分野でも名古屋めしの要素を採り入れた商品は多く、圧倒的に多いのは手羽先味、続いて小倉トースト風。辛くするなら手羽先、甘いものは小倉トーストと使い分けられます。八丁味噌味もいろいろなメーカーが挑戦していますが、なかなかヒットにはつながりにくい。味噌の味をリアルに近づけるほど他県の人には敬遠されてしまうのです。そんな中でも久しぶりのヒットが『名古屋パティシエかりんとう』と『名古屋クラシック ショコりゃあて』。いずれも昨年発売された新商品です。
食品系はきしめん、味噌煮込みうどん、手羽先、守口漬などの名古屋めしが人気の上位を占めています。特に近年は『味仙』の台湾ラーメンなど、リアルな店舗の味をそのままお土産にしたものの売れ行きが好調です。手羽先も冷凍技術の進歩でお店で食べるのと変わらない味を再現できるようになっていて、将来性豊かな分野と言えるでしょう。
個人的に魅力をしっかり伝えていきたいと考えているのがきしめんです。もちもち感とコシを両立しているのが名古屋のめん。『吉田めん』はその代表的存在で、お土産用商品でも手打ちとそん色ない食感を実現しています。『和泉そうめん 丈山の里』は愛知県内では数少ない手延べそうめんの製造元で、原料の小麦からこだわっている。東海キヨスクでは昨年から試験的にそうめんの販売を始めたところ、お客様の要望が多く、年末から味噌煮込みうどんの販売も始めました」
東海キヨスクで売れている最新ヒット土産。新感覚ういろう
東海キヨスクで売れている最新のヒット商品の数々。実際に購入、実食してレポートします。まず「生ウイロトリュフ」。コーヒー味の生ういろうにココアパウダーをふりかけてあり、甘さとほろ苦さがほどよくブレンドされた大人の味わい。特筆すべきは食感で、もちもちと柔らかく、それでいて歯切れもよいのです。賞味期限は2日間と短いのですが、ういろう本来の手づくりの食感を楽しめます。
「ウイロバー」は同じく大須ういろの最新ヒット商品。クレヨンの箱のようなパッケージ、アイスキャンディーのようにバーを差した包装がともにかわいらしく、若い女性を中心にウケています。しっかりした歯ごたえと甘みは、おなじみの大須ういろそのもの。手を汚さずに食べやすいこともあり、おやつ感覚で食べるのにお薦めです。
名古屋におけるういろうの元祖、餅文総本店の「金鯱ういろ」もパッケージングの妙が今ドキの若い世代にマッチ。箱入りのチョコレートくらいのサイズで、スティックタイプのういろうが4個入り。同社はひと口サイズのういろうに定評があり、この商品も独特のぷるんつるんとした食感が魅力です。
八丁味噌を使った洋菓子の新・名古屋土産
続いては洋菓子。「名古屋パティシエかりんとう」はパティシエ・辻口博啓氏が東海キヨスク、東海テレビの人気情報番組「スタイルプラス」と共同開発した新・名古屋みやげ。カクキューの八丁味噌、西尾の抹茶、地元の特産食材を活かした2つの味の詰め合わせ。かりんとうですがパイ生地を何層も重ねてありあくまで洋風。さくさく軽やかな口当たりから八丁味噌特有の風味、抹茶の上品な香りがほんのり広がります。「名古屋クラシック ショコりゃあて」は気品のある味わいのガトーショコラ。八丁味噌を使っているとは言われなければ気づかないかもしれませんが、チョコの甘さと八丁味噌の深いコクと塩気が調和して、落ち着いた味わいにまとめられています。名古屋近辺では八丁味噌が洋菓子に使われることはしばしばあり、意外なほど相性がよいので、スイーツ好きにはもれなくお薦めできます。
きしめん、味噌煮込み。メーカー渾身の名古屋めんが人気!
CoCo壱番屋とスガキヤ、愛知が誇るカレーとめんの2大ブランドが共同で開発したのが「カレーきしめん」。めんは平打ちながらももっちり感があり、極太麺を使う名古屋流カレーうどんに相通じる食べ応えを感じられます。そして、ココイチが何よりこだわったというのがカレーのとろみ。お土産商品でこれだけしっかりとろみがあるのは珍しく、めんにしっかりとからみます。名古屋コーチンのエキスを使ったスープはダシも利いていて、最後まで飲み干せる、非常に満足度の高い一品です。和泉そうめん丈山の里の「味噌カレー煮込みうどん」は、東海キヨスクとしては新しいヒット商品。手延べによるめんは細いのにコシがあり。つゆは八丁味噌とカレーが香りとコクの両面で力強く主張し合います。名古屋らしい濃い口で印象に残る味わいです。
グッズでお薦めは東急ハンズのオリジナルバッグ
グッズでお薦めは東急ハンズ名古屋店のオリジナルブランド「DO NOT BE A MONKEY」。同店のスタッフが中心になってデザインしているオリジナルTシャツブランドで、新しくバッグ類も発売。きしめん、味噌カツ、喫茶店のモーニング、三英傑、名古屋弁と名古屋をモチーフとしたアイテムが見つかります。ちょいカワ?ちょいダサ…? 微妙なラインがシャレの分かる友達へのおみやげにぴったりじゃないでしょうか?皆さんもおいしい一品、楽しい一品を見つけて、名古屋の思い出をより記憶に残るものにしてください。
□東海キヨスク
□東急ハンズ名古屋店