安心感のある金が投資先として選択されている
シリア情勢や朝鮮半島における地政学リスクの高まりとともに、NY金先物価格が上昇基調にあります。NY金先物価格の日足チャートを見てみましょう。株式市場が軟調に推移するようになった3月以降から、NY金先物価格が上昇していることがわかりますね。金には金利はつきませんが、有事の際は現物があり、安心感のある金が投資先として選択されている流れなのでしょう。
日本で金に投資する場合
ところで、私達が身近な金価格と言えば東京金です。「1グラム●円」と表されますので、金価格と言えば、円を思い浮かべる人も多いかもしれません。では、東京金の先物価格の日足チャートを見てみましょう。
NY金は高値を更新しているのに、東京金は高値を更新していないことがわかりますね。
国内の金価格
金の国際価格は「トロイオンス(TOZ)」で、1トロイオンス当たりの価格が米ドル建てで表示されます。つまり、日本国内で取引される金の価格はドル円相場の動きの影響を受けることになるため、値動きは異なってしまうのです。ドル建ての金価格をその時の為替レートで円価格に換算し、その上で1グラム当たりの日本国内における金価格を計算します。ちなみに、1トロイオンスは31.1035グラムです。
金の国際価格がドル建てということは、国内の金価格は外貨預金等の外貨投資と同じく、ドル円相場の影響を受けます。そのため、円高ドル安になれば円建ての金価格は値下がりし、円安ドル高になれば金価格は値上がりします。
ここ最近、ドル円相場では円高ドル安が進行しています。NY金先物価格が上昇しても、ドル円相場では円高ドル安が進行しているため、東京金先物価格はその影響を受けて価格が上昇していないのです。
国内の金価格を求める式は下記の通りです。実際にはこの他に諸経費等が含まれますが、ここでは省略します。国内の金価格=金の国際価格÷31.1035×ドル円相場の価格
金に投資する際の注意点
東京金の価格の動きをまとめると、次のようになります。- 東京金は国際価格によって変動し、国際価格が安くなれば国内金価格は安くなる
- 東京金はドル円相場によって変動し、ドル円相場が円高になれば国内の金価格は安くなる
- 金の国際価格が変動すると、1グラムあたりの変動幅も変動する
金への投資法としては、現物や先物取引等様々です。買う時には少しでも安く買いたいですし、売る時には少しでも高く売りたいものです。NY金の価格やドル円相場の動き等を総合的に考えながら、売買タイミングを考えてみるといいかもしれませんね。
※投資の判断につきましては、ご自身の責任でお願いします。
★毎週日曜日、株式市場をチャートで分析したメルマガを配信中。手に入れたい方はコチラから登録ください!【無料】