組み合わせによる化学反応で、おしゃれに見せる時代
「全身ユニクロでおしゃれ!」の人たちが実践する、バランスを整える技術。これを「コーディネートテクニック」と呼びます。つまり、アイテム単体の値段がリーズナブルであっても、服と服の組み合わせから生まれる化学反応で、おしゃれに見せる技があるのです。今回は、1~3万円で手っ取り早くおしゃれになる5つのコーディネート技術を教えます。
大人の男性のための「服の選び方」、「服の着こなし方」、「服の目利き」など、あらゆる視点からお伝えします!
まずはシャツをカットソーに変えよう!
カジュアルシャツの魅力を引き出す着こなしは、「重ね着より一枚で着るスタイルにある」と考える。
週末ジャケットのインナーとして、『襟がついたシャツ』を着ていませんか? いわゆるカジュアルシャツです。
平日にスーツに合わせるビジネスシャツとは、雰囲気が異なるカジュアルシャツ! これは、リラックス感を強調するため、襟がパリッとしていません。実は初夏に1枚で着るコーディネートには向いていますが、アウターに合わせるインナー服には向いていません。
とくに、あどけなさが消えはじめる25歳以上が「よれた襟のシャツ」をインナーに着てしまうと、リラックスというより、「くたびれた、だらしない人」という印象を強調してしまうリスクが高いからです。
そこで、カジュアルジャケットのインナーには、カジュアルシャツではなく、「カットソー」つまり、「襟がない服」を合わせるのをおすすめします!
ジャケットにシャツを合わせるコーディネートは、平日のパリッとしたビジネスシャツに限定したいところ。カジュアルシャツは、初夏限定のアウターとして、1枚でサラッと着ることでこそ価値が高まるのです。
カジュアルシャツの第一ボタンは開けない!
カジュアルジャケットに合わせる「カジュアル襟シャツ」は、第一ボタンを留めて襟のよれを防ぐ!
それでもカジュアルシャツを、ジャケットのインナーに合わせたい方に朗報です。もし、カジュアルシャツをジャケットインナーに合わせたいときは、第一ボタンを閉じてください。
襟シャツの第一ボタンを開けることで、ジャケットの中で襟の先端が「中途半端に遊んでしまい、よれて見える」ことを避けるためです。第一ボタンを開けられるシャツは、「襟がしっかりしたタイプのシャツ」に限定することをお薦めします。ただし、1枚でシャツを着用する場合、もちろん第一ボタンは開けますし、羽織として活かす場合も、この限りではありません!
また、昨今登場したバンドカラーシャツは例外です。バンドカラーシャツとは、襟のついていないシャツのこと。遊ぶ襟先がないので、第2ボタンまで開けて、ラフな印象をつくれます。
いずれにしても、襟がついた服は、基本的に襟先のよれ具合に、細心の注意を払いましょう。
パンツは足首を見せる、9分丈が基本!
アンクル丈のパンツ丈。フルレングスもロールアップで短くすることが定番の時代。
お気づきでしょうか? 2010年以降、パンツ丈が短くなっていることを! 「アンクル丈」と呼ばれる、くるぶしがしっかり見える「九分丈パンツ」は、流行というより、もはや定番になりました。
これは、女性ファッション誌で「着ヤセ・スタイルアップ」のトピックとして昔から語られている、手首・足首・首を見せるコーディネート=「3首理論」につながります。どんなにガッチリした体型の人間でも、体でいちばん細いパーツである「3つの首」を露出することで、抜け感が出て、スッキリと洗練した印象に見える、という理論を指します。
たとえリーズナブルなパンツであっても、足首を見せているだけで、野暮ったさをゼロにすることができます。まずは手持ちのパンツをふた折りほどして、写真を参考に足首を見せる着こなしを試してみてください。
足首が見える芸能人といえば、「モテる男性」として有名な石田純一さんを、私は連想します。石田純一さんがいくつになっても、印象の衰えを感じさせない要因のひとつかもしれません!
かかとがあるスエード風のカッチリ靴を!
およそ2,000円のスエード風。合皮ではあるもの起毛感があるため、合皮独特の安っぽさがわかりづらい!
足元はカチッとした靴が、どんなスタイルでもそれなりに見えます。でもメンズの革靴は良いものほど値段が張りますし、ツルッとした革靴は、値段によって革の質感に差がでやすいので、安っぽく見えるリスクが不安です。
一方、最近はやりのスニーカーはどうでしょうか? こちらも新品ならばカッコいいですが、使用感や汚れが目立ってくると一気に生活感が出すぎてしまいます。またパンツの丈とのコーディネートも難しく、初心者にはリスクが高いのです。
そこで、安く、手っ取り早くおしゃれな足元をつくるなら、「かかとが付いているカジュアル靴」がおすすめです。
特に、スエード風の靴はパッと見た瞬間、安っぽさがわかりづらいアイテムとして重宝します。秋冬はチャッカブーツ(くるぶし丈で2~3組の紐穴を持つ革靴)、春夏はローファー(スリッポンタイプの革靴)……というように、形を変えて選べば、年中使える理論です。
ストレッチ素材のカジュアルジャケットを選ぶ!
ストレッチ(伸縮性)があるジャケットは、袖をたくし上げて着こなせます。
ジャケットアイテムは、「大人」を象徴するアイテムです。年齢にかかわらずあどけなさが消えた世代の男性全員が似合うアイテムだと私は確信しています。もちろん、型・サイズ感・色など諸所の条件はありますが!
手っ取り早くおしゃれに見えるカジュアルジャケットを選ぶ最重要の条件は、たった一つだけ!
それは、ストレッチ(伸縮性)が効いたタイプを選ぶこと!
素材表記に、ポリウレタン・ナイロン・レーヨン・リヨセル・テンセルが数パーセントでも入っているタイプは、基本ストレッチが効いている可能性が高いです。
また、コットン100%素材であっても、ニット織りをしているタイプのジャケットも伸縮性があります。店頭などで触ってみれば、感触で伸縮性を確認できます。
このようなストレッチが効いたジャケットを選ぶことで、袖をたくし上げる着こなしが可能です! 先ほどの「三首理論」の手首を出す着こなしが可能になり、その「こなれ感」が、リーズナブルなジャケットであっても、あなたを手っ取り早くおしゃれに見せてくれます。