赤ちゃんの4人に1人以上はアラフォー出産ママ
平成27年の第一子出産の平均年齢は30.7歳(平成27年厚生労働省資料より)。また同資料でガイドが計算したところ、平成27年に生まれた赤ちゃんのうち、アラフォー(35歳~44歳)のママから生まれたのは、27.9%。赤ちゃんの4人に1人以上は、アラフォー出産ママということになります。実は「出産した年齢によって、貯蓄に対する注意点が異なる」のですが、そう聞いたら驚くでしょうか。
今回は、アラフォー出産のママが知っておきたい「貯蓄の注意点」についてお伝えしたいと思います。
「老後資金の準備期間が短いこと」を知っておく
可愛い赤ちゃんの話題なのに、いきなり老後のお金の話をするのはいささか恐縮ではありますが……事実として、ぜひ今のうちに知っておいてほしいことがあります。それは、アラフォー出産ママは、「老後資金の準備期間が短い」ということです。
昔のように、25歳くらいで出産する人が多かったころは、子どもが二十歳になるころ、親はまだ45歳で現役バリバリ。子どもが独立してお金がかからなくなったら、両親の収入がそのまま住宅ローンの返済や老後資金の貯蓄にあてることができました。
ところが、40歳で出産した場合はどうなるでしょうか。子どもが二十歳になるころに、親は60歳です。最近は65歳など、定年を延長して働くケースも増えていますが、一般的に役職定年などにより55歳くらいからお給料が下がるケースが多く、60歳以降もお給料が伸びていくことは、あまり期待できません。
親が60歳のころに、子どもが「大学院に行きたい」「留学したい」と言う可能性もあります。奨学金制度があるとはいえ、奨学金は子どもが将来返済する際に困難を極めるケースも増えているので、子どもが小さいうちから奨学金を前提にしないほうがいいでしょう。
親が60歳になっても、まだまだ学費がかかると思っておいた方がいいと思います。
ただし、学費にばかりお金をかけていると、親の老後資金の準備ができなくなってしまいます。40歳からなら20年以上ありますから、早めに戦略を立てれば大丈夫です。
「教育費と老後資金、両方しっかり貯めていく」という意識を持ち、少しずつ貯めていくようにしましょう。
出費を見極めることも大事
アラフォー出産の場合、社会人経験がそれだけ長く、いろいろなお付き合いや外食、旅行、ファッションなど、ワンランク上のものを楽しんできた方も多いと思います。夫婦それぞれの収入を、毎月使いきっている方もいらっしゃるかもしれません。ところが、そのお金の感覚が子育てにお金がかかるようになってからも、そのまま引き継いでいくと危険です。子どもに必要な教育費が貯められなくなってしまうからです。
子どもの将来と、自分たちの老後の両方を考えて、日々の出費に優先順位をつけて、しっかり貯められるように改善していきましょう。さらに、“住宅”という大きな買い物をする際は、「欲しい物件」という視点も大切ですが、「住宅ローンをしっかり返せて、なおかつ教育費と老後資金が準備できるか」という視点も忘れないようにしましょう。
大人の精神的なゆとりがあるメリットも
お金のことをたくさんお伝えしてしまいましたが……アラフォー出産のママは、大人の精神的なゆとりがあるというメリットも非常に大きいと感じます。「アラフォ-になるまで、さまざまな修羅場をくぐり抜けてきた経験があるからか、周りのママから聞くほど、育児でイライラしない。楽しい!」
「20代・30代でやりたいことを思い切りやったから、子育てで自分の時間が少なくなっても、それほど辛くない、むしろすごく楽しめる」
「先に出産した友人から、アドバイスをたくさんもらえて助かった。友人の先輩ママにも、子どもを可愛がってもらえる」
などという声もたくさん聞かれます。
精神的なバランス、お金のバランス、どちらとも大切。両方のバランスを考えながら、自分の人生、そして家族の人生で、やりたいことを叶えられるようにお金の準備もしっかりしていっていただけたらと思います。