ムスメの本音でおしゃれになったお母さん
書籍『お母さん、その服なんとかしよ!』から。
子を持つ親なら、一度は経験したことがある子供からのファッションに対するダメ出し。今回紹介するのは、まさにムスメからのファッションチェックを受けて、劇的におしゃれになった「50代のお母さん」の例から学ぶ、大人の女性の着こなしテクニックです。
もともとは50代女性のファッションブログ『命短し恋せよ乙女50代の毎日コーデ』が話題となったことで、『お母さん、その服なんとかしよ!』という書籍にまとめられました。内容は、54歳の母が毎朝、洋服を着て撮って、女子高生の毒舌ムスメにファッションチェックをうけること丸1年、親子ならではの本音によって、お母さんのファッションが劇的に変わっていく様子をまとめたもの。リアリティがあって面白いと、アラサー世代からも人気になったようです。
しかも、書籍に出てくるのは、著者の「あっこたん」ことお母さんの私服で、毎朝、出勤前や休日に撮影したコーデなので、読者のみなさんのTPOに合う、肩肘張らない真似しやすいものが揃っています。シンプルな定番アイテムとプチプラを組み合わせて、時代と年齢にあった等身大のナチュラルシックに変化できるのであればだれもが真似したくなりますよね。
実際、「50代のイメージ、変わりました。キュート!」「雑誌のモデル体型だとイマイチ参考にならないけど、少しふっくらとした、特別なスタイルではない女性が、娘さんの毒舌でおしゃれになっているので、参考にしやすい」という声があったそうです。
今回はその中から、50代だけでなく、30~40代の女性でも使えるコーデやテクニック、着こなし術をピックアップしていきます。まずは、毒舌ムスメが教える、これだけはやめて欲しいポイントから見ていきましょう!
オバサン注意報! 毒舌ムスメが教える、これだけはやめて!
書籍『お母さん、その服なんとかしよ!』から。
ミュールは、一昨年人気が再燃し、この春も引き続き人気となっています。チャンキーヒールもトレンドなのですが、エレガントなピンヒールでしたら、ムスメさんから「トイレのスリッパみたい」なんて毒舌を吐かれることもなかったでしょう……。
(右)「長っ!」
ムスメさんの言う通り、確かにネックレスの長さが気になります。2連や3連にして、コーデのバランスを図るといいかもしれません。
書籍『お母さん、その服なんとかしよ!』から。
スカーフ自体、また人気が出ているのですが、どうしてもバブルなイメージが付きまとうので大人の女性は注意が必要なアイテム。首元に巻かず、バッグに巻いたり、ベルト使いをすると、こなれた印象になります。
(右)「Tシャツ、胸のラインが見えるようなやつはオバサンの体型が丸見え……」
大人女性は、なるべく体のラインが出ない、やや大きめサイズのTシャツを選んだ方が、大人っぽくエレガントな雰囲気になります。今季はエクストリームシルエットと呼ばれる大きめサイズがイン。ジャストフィットより、あえて大きめのサイズを選ぶことで、体型を華奢に見せてくれる嬉しい効果も。
書籍『お母さん、その服なんとかしよ!』から。
パーカーにデニムですと、どうしてもカジュアル過ぎて、年相応の雰囲気が出ません。パーカーをコーデに投入するなら、ボトムスはプリーツスカートやミモレ丈スカートを合わせるなど、女性らしさをプラスするのが◎。
(右)「オバサンって襟立てるよね」
襟を立てるとフロントに深いVゾーンができるので、首が長く、すっきりと見える効果があり、女性らしさも倍増するので、一概にオバサンっぽいとは言えません。ただ、ムスメさん世代の若者からしたら、「オバサンっぽい」のでしょう。逆にうなじやデコルテをさりげなく見せてシャツを着崩す「抜き襟」にトライすると、こなれ感が出て、褒められるかもしれません。
けっこう耳が痛いコメントですが、参考になるポイントがありますね。次に、コーデを格上げしてくれる技を毒舌ムスメが伝授。
毒舌ムスメが教える、格上げ小技!
書籍『お母さん、その服なんとかしよ!』から。
コットンパールは手頃な価格ですし、今季もトレンドに挙がっていますので、ぜひコーデに取り入れたいもの。実際、ムスメさんからも太鼓判をいただいていますしね(笑)。
(右)首・手首・足首は見せる 「細いところは出す! 全然、違うでしょ?」
確かに、3首と呼ばれる、首、手首、足首を出すと、程よい色気が醸し出せて、女性らしくおすすめです。
書籍『お母さん、その服なんとかしよ!』から。
(左)困ったときは白いもの。「顔が明るくなってキレイ。」
白いトップスは、レフ板効果が期待でき、顔色を明るくしてくれるので、積極的に取り入れたいもの。
(右)トップスをイン! 「ブラウジングでふんわりさせて。」
トップスをインするのが、今季も引き続きトレンドに挙がっています。シャツの前だけインするなど、こなれ感を出すのが◎。
書籍『お母さん、その服なんとかしよ!』から。
(左・右)時計やバングルをワンポイントでつける 「ビッグフェイスが今っぽくて可愛いよ。シルバーよりゴールドだね、ゴールドのほうが肌の色に馴染みます。」
確かに大人女性には、肌馴染みのよいゴールドのアクセサリーやジュエリーの方が、大人っぽく演出できます。ビッグフェイスや大きめのバングルは、手首を華奢に見せてくれる効果もあります。
ムスメさんのコメントには、「なるほど」と思わず頷くポイントがたくさんありましたね。
次は「あっこたん」こと、お母さんの全身コーディネートを毒舌ムスメがチェックする様子に、ガイドの私も総評をつけていきます。早速、見ていきましょう。
中途半端な太さのパンツとブーツカットは「おばさん見え」
書籍『お母さん、その服なんとかしよ!』から。
◆毒舌ムスメからのコメント
「上半身は可愛いのに、下半身がっかりだよ。パンツの太さが中途半端だし、丈が長すぎだよ。子供がお父さんのパンツを穿いちゃったみたい。せっかく靴がカッコいいのに、靴見せなきゃだめでしょう!! ざんね~~~ん」
◆あっこたんの反省会
「このパンツ、ずいぶん昔に買ったものです。これは気分が下がるね。断捨離だ! タンスの奥の洋服を着て写真撮るといいかもね。相当減らせるかも? 着るものがなくなっちゃうかな」
――確かに、中途半端なパンツの太さや長さが時代に合っていませんね。今季も引き続きワイドパンツが流行っているので、思い切ってワイドなシルエットにチャレンジすると、今っぽいコーデに変身できます。パンツ丈も、最近はくるぶしや足首を見せるやや短めが流行なので、ブーツカット風の長め丈なのも残念。自身の身長に合った丈をセレクトしないと、せっかくのコーデが崩れてしまいます。
スカーフはバッグや手首に、「首元はストール」にチェンジ
書籍『お母さん、その服なんとかしよ!』から。
◆毒舌ムスメからのコメント
「スカーフはあかん!! ごちそう食べてるおじさんのナフキンみたいだし……時代にマッチしてないよ。時代遅れ~。スカーフは新しい風ではないですね。スヌード買ってみたら?」
◆あっこたんの反省会
「オヨヨ~、時代遅れだってよ。確かにバブルの名残りだからね、高かったのにな~。なるほど~、スヌードね。首にかけるだけだから、巻き方で悩まなくていいかも? 試してみま~す」
――近年続いた肩肘の張らないノームコアから、少し派手な着こなしがトレンドの今年、シンプルな服にスカーフやバンダナをプラスするコーデは、ファッションのテクニックとしてはアリです! ただ、残念なのは、あっこたんの巻き方でしょうか。ループノットにすると今っぽくておすすめ。
また、首元のスカーフは個性が強いので、バッグや手首に巻いたり、上級者でしたら、ベルト使いやヘッドアクセとして楽しむものいいですね。
真冬にスカーフだと寒々しくなる可能性もあるので、ストール・マフラー・ショールなどの方が、季節感があっておすすめ。巻き方もたくさんありますよ。
ミモレ丈スカートは、穿いた時のふくらはぎの見え方に注意!
書籍『お母さん、その服なんとかしよ!』から。
◆毒舌ムスメからのコメント
「足やばすぎ! チョー絶、太っ!! シシャモ食べすぎ!! 卵パンパン。この丈はダメ!! 絶対ダメだよ!! 赤スカートの色合いは可愛いし、雪景色に合ってはいるけど……」
◆あっこたんの反省会
「ゲゲッ、さんざんな言われようだな。お見苦しいコーデで申し訳ない!! スカート丈がちょうど、ふくらはぎのトップだね。反省点多し……ごめんなさ~い。もうしませ~ん」
――ミモレ丈のスカート自体は流行っているのでアイテムのセレクトはOKなのですが、ふくらはぎの一番太い部分の丈になると足が太く見えてしまうので、注意したほうがいいでしょう。ひざの一番細い部分の丈か、もしくは、足首だけ見えるくらいのマキシ丈をセレクトすれば、スタイルアップにつながります。
白シャツ&デニムの「普通コーデ」は全世代に似合う!
書籍『お母さん、その服なんとかしよ!』から。
◆毒舌ムスメからのコメント
「このコート優秀!! マフラーと靴の色合ってるね。ボーイフレンドデニムも正解。ちょっとだけ色薄いかな? でも濃いと重いから、方向性はいいと思う。白シャツも爽やかでグッド!!」
◆あっこたんの祝賀会
「今日のコーデは、昨日通勤帰りに見た男子のコーデを真似っこしてみたのよ。ネイビーのコートに白シャツにジーンズにマフラー。なんてことない組み合わせだけど、都会の雑踏の中で目を惹くコーデだったよ。ポイントは白シャツかな? 冬もどこかに白シャツお忘れなく!!」
――やっとムスメさんから、高評価をいただけましたね(笑)。すっかり市民権を得たノームコアなコーデがいい雰囲気。この春は、深海のように美しいディープブルーの「アビスカラー」がトレンドに挙がっていますので、もう少しデニムのカラーが濃くてもいいですね。白シャツの前だけINすると、こなれ感が出て、よりいいでしょう。
今回紹介した以外にも、著書には「オバサンくさ」「ダサ」「2段腹」「若作り」「痛い」の直球毒舌から、「カボチャすぎる」「ベイマックス」「ウシジマくん」の変化球毒舌まで、娘の正直すぎる指摘が充実。「なんでシャツの襟立てるの?」「なんでウエストインしないの?」「なんでスキニー履かないの?」など50代世代に投げかけられるムスメのソボクな疑問にハッとさせられることもあります。どの世代も共感できるポイントがあるのではないでしょうか。ぜひ老けて見えるコーディネートをしていないかセルフチェックしてみてください。
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【取材協力】
飛鳥新社
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