建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

路地のあるスーパースモールハウス[TRANS](3ページ目)

都心の住宅密集地に建つコンクリート打放しの住宅。小さな家の中をあえて1枚の壁で仕切ることで、家の中に外の路地のような開放感のある空間を造り出しています。

執筆者:川畑 博哉

自然光が降り注ぐ外のような吹抜け空間


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吹抜け
大きな壁が造り出す吹抜け空間。天井高は約6m。写真:傍島利浩
吹抜け
ダイニングテーブルの上に浮く丸いペンダントランプは建て主が選んだもの。写真:傍島利浩
台所
大きなダイニングテーブルにシンクが組み込まれている。製作はニュウファニチャーワークス。写真:傍島利浩
台所
シンクと向き合うステンレストップのキッチンカウンター。壁はタイル張り。写真:傍島利浩
台所
南側の階段からキッチンを見下ろす。キッチンの天井高は2.8m。写真:傍島利浩


2階はあえて空間を1枚の壁で仕切ることによって、家の中に路地のようなパブリックな性格の場所が造られています。中央の大壁はあくまでインテリアであることをふまえ、可能な限り薄い12cmの壁厚にして威圧感を与えない設計になっています。
また大壁に2箇所の開口部を設けてキッチンとダイニングを緩やかに分けています。高さ6mのトップライトから降り注ぐ自然光が室内を明るく照らし、居ながらにして外の気配を感じられるのです。
この住宅には1階から3階まで上がれる北側の階段の他に、南側にも2階から3階に上がれる階段があります。小さな住宅にとって階段室を2つも設けたのは冒険的にも思えるのですが、行動時間が異なるご夫婦の個室へ直接アクセスできて、さらに3層を貫く吹抜けとなって室内の空気の循環をもたらすという、心憎い設計なのです。


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