2017年トレンド【2】:列車にホテル。「ラグジュアリー」なおもてなしが人気に
1泊2日25万円~と高額にも関わらず倍率が20倍を超えるJR九州 クルーズトレインななつ星in九州。2017年は、同様の豪華寝台列車がJR東日本、JR西日本で相次ぎデビュー。4月に運行を開始するJR東日本の「TRAIN SUITE 四季島」は、奥山清行氏がプロデュースし、天井まで湾曲したガラス張りの展望車両からは四季折々変わる東北の自然を満喫。JR西日本の「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は、沿線地域の素材を取り入れ、ノスタルジック・モダンテイストでデザインされた車両はもちろん、瀬戸内海などベストビューが臨める運行コースも魅力です。
価格は、ななつ星同様、あるいはそれ以上と高額にもかかわらず、予約状況は、既に応募状況について発表があったJR東日本「TRAIN SUITE 四季島」をみると上々。JR西日本「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は第一期を現在募集中ですが(1月31日〆)、こちらも高倍率となりそうです。2017年は、3台のラグジュアリーな豪華寝台列車が日本列島を走ることになり、国内旅行の一つのスタイルを確立する予感。
また、東京に新規ホテルが開業する中、既存の都市部ホテルではリニューアルやソフト面の強化の動きが活発化。2016年に70周年を迎えたホテルブランド「インターコンチネンタル」では、よりパーソナルでラグジュアリーなサービスを提供していくために、ANAインターコンチネンタルホテル東京、およびインターコンチネンタルホテル大阪のクラブラウンジサービスを2017年1月より一新。本格的なアフタヌーンティや夜のカクテルタイムには、ミクソロジストによるオリジナルカクテルやシャンパンなどのアルコールも無料で提供。また朝食はテーブルオーダーで好きなものを頂けるなど、「クラブラウンジの朝食=簡単な朝食」というイメージから一歩進み、よりラグジュアリーな時間が過ごせます(参考:ANAインターコンチネンタルホテル東京レポート)。
ANAインターコンチネンタルホテル東京のクラブラウンジは35階にあり、朝昼夜と景色を楽しみながら寛げる。朝食は7時から11時まで。ビュッフェの他、温かい料理はオーダーで。
プリンスホテルは、昨秋グランドプリンスホテル高輪の全客室やロビー等を改装し、和室16室は和のもてなしを取り入れたラグジュアリーな宿「高輪 花香路」としてオープン。着物姿のスタッフが出迎え、日本庭園の一画にある茶室では茶の点前でもてなしてくれます。客室はローベッドが配されるなど和モダンな雰囲気で、花香路専用のラウンジでは、カクテルタイムやナイトキャップ、朝食には本格的な和定食を提供。専用SPAも設置され、品川駅から至便ながら、駅前の喧騒とは無縁の静かな非日常の空間で寛げます。
高輪 花香路(atグランドプリンスホテル高輪)宿泊者は、チェックイン時に日本庭園にある茶室「竹心庵」に通される
他にも老舗高級ホテルを中心に、ラグジュアリーで個性的なサービスの導入が加速。新規開業のホテルにハード面で及ばない分、心地よさや寛ぎ感を演出するソフトへ注力し差別化を図る動きが2017年も進みそうです。